Behemoth


ベヒモス、ベヒーモス、ベヘモス。聖書「ヨブ記」にあるモンスター。

語源はヘブル語の獣「B’hemah)の複数形で、つまり、獣達と言う意味。聖書には時々こういう単数系と複数形の混同が見られる(Elohimなど)ようだが、これの意味するものは?

牛のように草を食べるが、とてつもない怪力を秘めている。そのため、創造主以外に彼を打ち破れるものはいないといわれる。河があふれても慌てず、ヨルダン川を呑み尽くしたという記録もあるようだ。その尾はヒマラヤ杉のようで、骨は青銅のよう。河馬や象のような動物の誇大表現といわれることから、そのような姿だということなんだろう。

創世5日か6日目に作られたようで、水と光と塵から作られ、千の山々の真ん中におかれたといわれる。また、リバイアサンと一緒に作られたが、二種類一緒に海に棲ませると水があふれてしまうのでベヒモスは陸地に上げられたとも。正真正銘、造物主の手によるもので、リバイアサンと同じく、彼を称える文章もあるようだ。創造主様って解らない(笑)。世界の週末の日にリバイアサンを殺し、自らも死んで「許された心清き人々」の食料になるようだ。

また、アラビアに似たような伝承があり、そちらはバハムート。どちらが先かは筆者には解りかねるということで。といっても、ベヒモス=バハムートということではなく、どうもリバイアサンの要素も取り込んでいる様子。

アラビアの世界観の中に登場する怪物で、われわれの棲む大地の下に天使、そのしたに牡牛クジャタがささえるルビーの山、その下にクジャタ、そしてバハムート。そのまた下に水があり、それは闇の中に浮かんでいるといわれる。そのしたに名前のわからないヘビがいて、これがすべてを支えているそうだ。このヘビには宇宙を飲み込むことさえできるといわれる。

バハムートの大きさとしては、彼の鼻腔の中では七つの海も砂粒のようだというのがあるが、また一方で「アラビアンナイト」の第496夜にイサ(イエス?)の目撃談がある。彼はバハムートの泳ぐところを見たわけだが、そのあまりのスピードに彼は目を回してしまい、それでも牡牛のようなバハムートの頭がイサの前を通過するのに3日もかかったという。鼻毛ほどの大きさしかない海で泳ぐバハムートって・・・。コップに飛び込むおじさんのみたいなものだろうか(^^;

また、悪魔学においてはベヒモスは闇をつかさどるものとされ、サタンの別名とされることも。また7つの大罪の一つ、「大食(gluttony)」を司ると言う。

ゲームでいえば、ファイナルファンタジー系では常連さんですね(FF7では「常連」の文字が入る予定があったとかなかったとか)。バハムート、ベヒモスの両者が別のキャラクタとして出ています。


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