・ひずみゲージによる応力測定 (2週目)

 

1.実験目的

 抵抗線ひずみゲージを用いた応力測定の原理と実験方法を修得する。

 主応力方向が未知の場合の各主応力の値を、ロゼット解析により求める。

 

 

2.実験方法

 試験片の形状は下図のとうりで、材質は軟鋼である。ロゼットゲージは、直角型(θ=45°)および等角型(θ=60°)を用いる。レバー式材料試験機(容量2トン)により2種類の引張り荷重を加えて、主応力方向および各主応力の値を求める。

 

 今回は、前回行った実験・計算結果をもとに、取り除くことができる誤差を実験グループ全員でピックアップして、可能な限り除去して実験を行った。

 例えば、

     ●前回の実験結果のグラフでは、荷重が100kgf以上の点群が直線状になっている。

       変更点:初期値とした値を50kgfから250kgfとする。

     ●前回の試験では、試験片が曲がって装着されていたのではないだろうか?

       変更点:装着の際に注意して行う。

 などなど。

 

 

 

3.実験結果の整理と考察

(a)各荷重値による主ひずみの方向、主ひずみ値および主応力の方向、主応力値を、計算によって求

   める。

  ・直角型(θ=45°)‥‥300kgf(0〜400)の場合を用いて計算する。

     

 主ひずみε(主応力σ方向はεTの方向から時計回りに3.83°である。

 

 

 

 

 

  ・等角型(θ=60°)‥‥300kgf(0〜400)の場合を用いて計算する。

     

 主ひずみε(主応力σ方向はεTの方向から時計回りに6.60°である。

 

 

 

 

 

(b)実際に与えた荷重値と荷重方向、ゲージを貼った方向、予想される応力を(a)の結果と比較考察す

   る。

  ・材料力学に基づく計算方法によって300kgf(0〜400)の場合

     断面積=厚×幅=5.583mm×20.483mm=114.357mm

      応力=荷重÷断面積=300kgf/114.357mm=2.62kgf/mm

  ・直角形(θ=45°)ロゼットゲージによる応力測定結果と材力計算との比較

     σ=3.42kgf/mm

     誤差率={(3.42−2.62)/2.62}×10030.5%

  ・等角形(θ=60°)ロゼットゲージによる応力測定結果と材力計算との比較

     σ=3.12kgf/mm

     誤差率={(3.12−2.62)/2.62}×10019.1%

 

(c)実験全般についての感想。

 今回は、前回の実験をふまえて、改良点などをあげて実験を行った。いままでの実験は、今回のような実験結果を確認してから、再び実験するというスタイルが新鮮に感じた。

 いつもなら、実験は一回限りのものがほとんどだが、実験を正しく考察するためにしっかりとデータを見極めるところがとても現実的な実験であるように思える。

 

 

 

・付録

 ●1週目に行った実験のデータ

CH.1

CH.2

CH.3

CH.4

CH.5

CH.6

0

-0.9

0.0

-0.9

0.0

0.0

0.0

100

40.6

-7.7

12.5

47.5

17.7

-13.9

200

99.6

-22.2

36.7

134.3

55.9

-38.2

300

134.4

-28.0

47.4

182.8

74.5

-52.1

400

183.7

-33.8

58.0

234.1

93.1

-67.1

500

226.3

-38.6

66.8

277.9

107.1

-80.1

400

180.8

-33.8

56.1

225.7

87.5

-66.1

300

139.2

-29.9

45.5

180.9

71.7

-53.1

200

90.9

-25.1

34.8

126.8

51.2

-38.2

100

11.6

-12.5

10.6

32.6

12.1

-11.1

0

-20.3

-6.7

-0.9

-18.6

-10.2

3.7

 

 

 ●2週目に行った実験のデータ

CH.1

CH.2

CH.3

CH.4

CH.5

CH.6

0

0.0

0.0

0.0

-0.9

0.0

-0.9

100

63.8

-4.8

15.4

71.8

23.2

-20.5

200

105.4

-7.7

21.2

117.5

34.4

-35.4

300

144.1

-9.6

27.1

162.3

42.8

-48.4

400

184.7

-11.5

32.9

206.1

54.0

-61.5

300

143.1

-6.7

21.2

156.7

34.4

-47.5

200

105.4

-0.9

10.6

111.9

17.7

-33.5

100

68.6

3.8

0.9

68.0

2.7

-21.4

0

2.9

11.5

-16.4

-14.9

-27.0

2.7