ハプニング続きの”バルセロナ”



グラナダ出発


宿のおじちゃんに別れを告げ、グラナダ駅に向かう。
私には珍しく日中早くの行動なんだけど、その日の夜行を取るために午前中から
駅の窓口にかけつけた。ここグラナダ駅も街の中心からバスで10分ほど離れている。
バスの中で英語をしゃべる人に降りる所を教わるが、ちょっと早く降りてしまったらしい。
乗り継ぎのバスをつかまえるより、歩いてしまった方が速いのでそうする。
ちなみに駅まで歩けば大通りを30分弱だろうか・・・。
ひとしきりベンチで列車の確認と、スペイン語の基本会話を復習した後窓口で予約した。
すんなりその日のクシェットがとれる。
1時間以上座っていたベンチで、社会見学に来ているらしい小学生10人ほどに囲まれ
ものめずらしそうに見られてしまった。その中の中心らしいモニカちゃんと、名前を尋ねる
短い会話を交わす。なにしろ私の会話力はゼロ。なんとか日本から来たことも伝えられた。
駅のコインロッカーは、あらかじめロッカーわきにある自販機でトークンを買うしくみ。
でも自販機が壊れていた。後から来た旅行者も途方にくれていたので説明して、駅員から
直にトークンを買って一段落。
軽くなった身体で、もう一度街に戻ってぶらぶら歩き。
大学の前では、学生達のデモ行進と行きあう。スローガンすらわからず・・・。
夜8時出発の夜行なので、6時頃には駅近くのバールに陣取り、スペインに来たら
食べなきゃと思っていたタパスをビールとともに頂く。
すっごく安い。なんと小グラスのビールつき小さな皿にのったタパスで200ペセタしない。
(=180円くらい?)
タパスってフランスパンみたいなパンの半きりに、好みの具をのせてもらうお手軽なもの。
グラナダ駅前の通り沿い、駅から20mくらいのこの店は規模といい、なんだかとても落ち着けた。
ほろ酔いで夜行列車に乗り込む。
目指すはバルセロナ!!!!

モニカちゃんおおはしゃぎ


バルセロナまで10時間ちょっとの列車の旅。
夜行列車は寝てる間に次の地に着くから良いのだけど、車窓を楽しめないのよね。
6人用クシェットは、ドイツから来たスペイン語ぺらぺらの人と、母娘の3人。
女の子の名前で”モニカ”って多いのかしら? この小学生くらいの子もモニカだった。
モニカちゃん(「モニカはね! ・・・・・モニカはねっ!」ってうるさいのでイヤでもわかる)は
よほど列車の旅行が楽しくてしょうがないらしく、私がクシェットに入るなり
「ここはモニカとママのベッドだからねっ!」ってピシっと一言。
はいはい、お姉さんは上のベッドに上がればいいんでしょ・・・っとぼやきながら、
次から次へとママへ要求しているモニカちゃんに半ばあきれてた。
列車がグラナダを出て、夜9時頃、向いのドイツ人から「電気を消してってモニカちゃんが・・」。
かくして、バルセロナの予習も手に付かないまま、かなり早い消灯となったのでした。
しょうがなく横になった耳にも、「ママ、ママっ!」

翌朝、テンション上がりすぎのモニカちゃんがついに気分悪くなってクシェットの床に
新聞紙がまかれた・・・。
お友達にもならないまま、バルセロナ到着。

バルセロナ市内観光


バルセロナは職場でスペイン旅行を最近した人に相談したら、サグラダファミリアは
見るべきよって言ったのでここだけ見る予定だった。
先のイタリアで時間をつくるためにも、その日の夜行に乗って移動したほうが良いと
思い、着いた足でミラノ行きホテル列車の愛称付きの豪華夜行列車”ダリ”を
予約した。
1番安い座席でもユーロパスに追加5000ペセタ。しかしこの日は空き無し。
安い寝台で追加9000ペセタ以上。
残り少ないペセタが入ったお財布を眺め決断できず列から外れている所を、後ろになら
んでいた青年が声をかけてきた。
どうやら彼はニースまで夜行で行くらしく、なんで私が予約しなかったのか尋ねられた。
事情を話すと、いきなり、これでさっきの列車に乗りなさい・・・・っと、1000ペセタ紙幣を
まるめて私の手の中に入れてくれた。
いや、そんなことしてくれなくても、C.C.を使ったり手はあるんだから辞退したのに、結局
返したのを受け取ってくれず、彼の見ている前で予約した。
「グラシアス!」 ありがたさと、恥ずかしさと、なにがなんだかわからなくなる騒動だった。

気を取り直し、コインロッカーに荷物を預けて街に向かうためメトロに乗ろうとした。
しかしなぜかメトロ入り口にはシャッターが閉まっている。?。
とりあえず適当に歩いて街の規模をつかもうなどと、甘っちょろい考えで外に出た2時間後
どこにもたどり着けず(メトロマークをみつけても、どれもシャッターが閉まっている)、
地図を見てるはずなのに自分の場所すらわからなくなってしまった。
もとから方向音痴なのよね、私って。
さんざん歩いて、目印になる大学前にたどり着きバスでサグラダファミリアをめざす。
バス停には路線図が張ってあり、それぞれのバス停の名前がかいてあったので安心
していたのがまずかった。
なんと反対方向のバスに乗ってしまって、終点のスペイン広場に到着。
なさけないけど、そのまま同じ経路のバスで大学前を通り過ぎ、今度は間違えないよう
同乗者に確認して数時間かけて待望のサグラダファミリア到着。
Temple de la Sagrada Familia

反対側のほうが
すっきりしている・・・

たしかに大きい。
しかも奇麗で、グロテスク。
柵の前には大型観光バスが連なり、観光客がひっきりなしに写真をとっている。
ステンドグラスがある裏手(?)の向かいの公園で、ひとしきりぼーっと眺める。
よくこんなものつくるよなぁ〜。これが正直な感想。
トウモロコシ型の搭内部には階段があって、登っている人の姿が小さく見える。
この周囲にはケンタッキーフライドチキン、マクドナルドといったファーストフードショップが
ある。あいかわらず懐寂しい私は、サグラダファミリアを2周ほどして、近くのレストランに
入った。ハンバーガーとオレンジジュース(絞りたてか確認)、そしてアイスコーヒーを注文。
ここでも絞りたてオレンジジュースには、砂糖の入れ物が付いてきた。
いくら甘党の私でも、オレンジジュースはそのままで十分おいしいんだけどな。
こっちの人は砂糖いれるのかしら?
食べて終わってみると、メトロのシャッターがあいていた。
ラッシュ時間をのぞいてストだったのだ。そんなことも知らずメトロをみるたび首をかしげて
いた私。
これからのハプニングなど考えようもなく、夜行の出発駅フランツ駅に向かう。

バルセロナには2つの国際列車駅


夜7時すぎの夜行列車なので、1時間半前にはフランツ駅に着いていた。
ここに来てようやく、なにか違うと感じた。
朝着いたのはもう一つの国際駅で、サンツ駅だったのだ。
当然預けた荷物はサンツ駅にある。
愕然とした時にはすでに予約した列車出発40分前くらい。
はたして往復できるのか・・・?
タクシーの乗り方はわからないし、危険だっていう声もあるし・・・とメトロに乗り込んだのが
運の尽き、サンツ駅にたどり着いたのは出発5分前。
もうどうしょうもない。
インフォメーションで駅の別の窓口を案内され、そこでもう一度最初っから説明した後、
時計を見て大騒ぎ、今度はチケットになにやら書いて、予約カウンターへ戻ってこれを
見せなさいとのこと。予約したカウンターにもどり、さっきのメモを見せながら
もう一度説明した。案の定また騒ぎとなり、25%手数料を差し引いて払い戻しをうけた。
違う日に振り替えができたらよかったのだが、満席が続いて(ただでさえ週3便)、
1週間後になってしまうから諦めた。
あんなに苦労してとったのに。
お金をめぐんでくれた青年にも申し訳ない。。。

電話3件目にして、ようやく宿を確保。
ユースと、もう一つの安宿はこんな時間には一杯でした。
日本人経営の宿で、慣れないスペイン語の「もしもし」に対して日本語の「もしもし」が
返ってきたのには心底ほっとした。
てんやわんやの一日は、最後の最後で羽を休められそう。

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