星の雑記

1.敗戦の弁◎
 大胆にも森内閣退陣を5月と大予言してしまいましたが(下記3.)、ものの見事に外してしまいました。4月26日の小泉内閣成立で森総理は目出度く退陣です。4日程度の違いは誤差の範囲と強弁するつもりはありません。はずれははずれです。で、改めて西洋占星術の理論にもとづいて4月26日の森総理の星回りを見ると、これがそんなに悪くないのです。というわけで、やはり占星術なんてあてにならない、と結論する前に、出生時間を調整するとどうなるかを考えてみました。うまく星回りが悪くなるようにするには、出生時間を午前5時前後に調整する必要があります。するとトランジットの水星は出生時の月にオポジションだし、太陽もクインカンクス(150度)の凶角(でも月と土星がトリンの吉です)。もちろん、出生時間が変わると、3.の判断が大幅に変わってくるのは言うまでもありません。

2.超常現象大事典
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3.大予言!森内閣退陣時期♂
 今度の総理はなかなかトッポイですね。でかい身体に小さな度胸、昔から失言の達人と知られた人で、「神の国」だとか「有権者は寝てて」だとか期待以上の失言を連発、ついには記者との冷戦に突入して「・・・・」までが記事になってしまい、すっかりマスコミのアイドルです。極めつけはやはり天下のアメリカ大統領に対し「How are you?」と「Who are you?」とを間違えて挨拶したというもの。常々日本はアメリカの属国であると苦い顔をしていた左翼系の人たちは、してやったりとやんやの喝采をなさってる・・・わけないか。
 さてさて週刊誌情報によれば、森では参議院選を戦えないという声が自民党内でも強く、本人ももしかしてすぐ辞めるつもりでいるようにも見えますが、実際はどうなのでしょう。本人の出生図にもとづいてしっかり診断してみたいと思います。
 断っておきますが、これは西洋占星術の手法にある程度独自の判断を加えたゼロの判定ということです。私自身自分の占いが100%正しいと言い切る自身はありません。
 まず問題となるのが森総理の出生時間です。
 誕生日は昭和12年7月14日、出生地は石川県能美郡根上町で町長の息子。高校時代はろくに勉強もせずにラグビーに熱中、早稲田も産経新聞社もコネで入学なんてのはどの新聞にも載ってるのですが、出生時間はどこを見てもわかりません。そこで森総理のその後の人生の歩みをもとに出生時間の推定なんてことをやってみます。
 まず昭和12年7月14日の適当な時間で出生図を作ります。もちろんこの大体の出生図ではハウス(注1)がまったく確定できないので、正確な判断はできません。そこで森総理の現在までの歩みを調べて、人生の重大事において星の配置がどのように影響しているかを見ます。
 幸い総理のような公的な人物の場合、大体の略歴というのはすぐわかります。その略歴の中で、まず森総理の人生において重大な転機となったであろう時期を調べます。
 まず重大事件といえるのが、昭和31年8月頃、ラグビー部の練習についていけずに身体を壊し、退部した時でしょう。それからやはり昭和44年の衆議院初当選、昭和58年の初入閣、そして今年4月5日の総理大臣就任でしょう。
 こうした時期に、出生図の星とその時点での星回りとがどういう関係にあるかをまず調べます。その中から、森総理の人生にもっとも影響を及ぼしている星を見つけ出そうというのです。
 この最も影響力のある星の探し方もいくつかあるのですが、とりあえずこうした人生の転機においてトランジット(注2)の惑星とアスペクト(注3)を多く作っている惑星を探します。もちろん、初当選のときに多くのアスペクトを作っていた星が初入閣の時に必ずしも多くのアスペクトを作るとは限りません。そして出生時間のしっかり判明している場合でも、このもっとも影響力ある星の判定は、エレベーションだとか支配星だとか品位だとかいろいろな基準があって簡単にはいきません。代議士初当選のときは3つのアスペクトしかなかった月が、初入閣や総理就任のときには多くのアスペクトを作っています。ことほど作用に木星や天王星なんかもけっこうアスペクトを作っていて、にわかにはどれが星と決められません。
 そこで鍵となるのが、森総理は胃カタルで喀血したためにラグビーをあきらめたと言う悲しい過去です。このあと何をする気もしないで毎日飲んだくれていた(未成年だろうに)とかいう噂もありますが、とにかく占星術で胃といえば蟹座(注4)、そこで蟹座が健康を司る第6室となるよう時間を操作してみます。蟹座が第6室に来る時間は大体午後7時から2時間くらいです。とりあえず午後7時45分で作ってみました。すると、候補の一つである火星がみごとに天頂にやってきます。しかし容貌にも影響する上昇宮が山羊座になってしまいます。山羊座というのはやはり痩せ型で骨太、全体的に貧相な体格となりそうなので、恰幅のよい森総理にはなんだかそぐわないようです。そこで長身の水瓶座が上昇宮となるよう少し時間を調整して午後7時53分で作ってみました。それが下の出生図です。
 

 とりあえずこの出生図を分析してみましょう。
 惑星配置は水に4、風に2、火に1、土に3(注5)。アンギュラー(注6)に2、サクシデントに3、ケーデントに5。カーディナル(注7)に5、フィックストに2、ミュータブルに2です。シェイプ(注8)はやはりスプラッシュでしょうか。アスペクトで目立つのが蟹座の太陽、水星、冥王星がコンジャンクション(注9)を作っており、これが火星とのトリン(注10)、木星とオポジション(注11)という配置です。しかしこのオポジションは火星に調停(注12)されてます。火星は土星ともバイクインタイル(注13)で、オポジション以外はイージー・アスペクトだけ、しかも火星が位置する蠍座は火星の支配する宮です。さらに月と土星のオポジション、月と金星のトリンが目立ちます。他に金星も太陽とセミスクエア(注14)、月とトリン、木星とセキスコードレート(注15)と多数のアスペクトを作ってます。他に天王星と海王星のトリン、海王星と木星のトリンもありますが、こうした大惑星のアスペクトは結構長期に及ぶので、個人の運勢を判断する場合には私はあまり重視しません。
 基本的には運の強い人と言えるでしょう。火星を第10室に置いて判断すると高い社会的地位を目指して絶え間なくエネルギーを注ぎ、遂に目的を達成するということになります。総理になる人にぴったりでしょう。ただしこれは木星が第10室に来るよう時間をずらした場合も同じようなことが言えます。ただ木星の場合山羊座にあり、減衰の位置なので、天頂は火星にした方が強運になるのではないかと思います。
 いずれにしても私の場合、その人の人生で重要な役割を果たす星を中心にしており、ハウスについては二次的にしか用いません。
 ということで、めでたく森総理の出生図ができたところで、いよいよ退陣の時期を考えてみましょう。
 まずは総理誕生時のディレクションを見ます。とりあえず支配星とした火星を中心に見ますが、過去の代議士初当選の時なんかは火星はかならずしも活躍してないので、他の星もみなくてはなりません。大変な作業です。今回総理に選出されたとき、出生時の火星にアスペクトを作っているのは海王星(スクエア)、水星と金星(トリン)、月(クインカンクス)。まあそんなに悪くありません。しかし、出生時の月に対するアスペクトを見ると、海王星がスクエア、火星と木星がクインカンクス、太陽はオポジション。ずばり、よくありません。木星については天王星がセミセキスタイル、水星、金星がセキスタイル、月、太陽がスクエア、土星がトリンとにぎやかです。そして天王星については太陽、火星、木星と合、天王星、海王星とスクエア、太陽がセミセキスタイル、金星がセミスクエア、水星がセキスタイル、冥王星がクインカンクスと、ほとんどの惑星がアスペクトを作ってます。こんどの総理就任は驚きの天王星の役割が大きいようです。じっさい本人も含め、誰もが驚いた人選でしたね。
 で、その後の星回りです。基本的に運の強い人だし、衆議院選挙、サミットもいろいろと話題にはなりましたが何とか乗り切ってます。当面それほど悪いアスペクトも見当たりません。しかし、月のプログレス(注16)を見ると、来年1月から3月にかけて水星、冥王星とオポジション、5月に海王星とセキスコードレートを作ります。1月には省庁再編(それに伴う内閣改造)も予定されています。そして来年5月後半のトランジットを見ると、20日頃牡羊の月と双子座の月がまずヨードを作り、続いて28、29日頃に金星と木星がほぼ同じ位置でにヨードを作ります。そこでずばり、森内閣は来年5月が危ないと予言しておきましょう。ちなみに双子座は推定出生図では第5室で第5室は恋愛やパフォーマンス、スキャンダル、子供も司ります。例の買春スキャンダルが原因でしょうか。それともまた重大な失言ということでしょうか。思い切り大胆な予想をすれば隠し子騒動ということも考えられます。来年7月頃には参議院選挙が行われるはずです。首をすげかえて選挙に臨むという政治的思惑にもぴったりの時期です。
 なお、重ねて述べますが、以上に述べた予言はあくまでも一つの判断ということで、西洋占星術の知的遊戯としての魅力を少しばかり楽しんでもらえれば幸いだと考えます。同好の士よりのご意見等あれば謹んで拝聴したいと考えております。もし外れたら、なぜ外れたかしっかり分析してみたいと思います。

注1:ハウスとは、特定の時刻と場所に応じて黄道上を12の区分に分けたものです。石川源晃先生によればこの分割方法は50種類もあるということですが、通常は特定場所の特定時刻において地平線上にある黄経と天頂にある黄経とを基準にします。それぞれのハウスにはそれぞれの意味があり、第1室が本人、第2室が金銭、第6室が健康などとなっております。

注2:トランジットとは惑星の進行の意味です。西洋占星術においては、ある特定時点での惑星の配置を言います。本人の出生図はもちろん固定したものですが、惑星の方は日々絶え間なく動いており、たとえば本人が生まれたときの惑星の位置に対して特定のアスペクト(注3)を作ったり離れたりしています。そして出生時の惑星に対し吉星とかが良い角度を作るときは良い時期となり、凶星が悪い角度を作るときは悪い時期であるというように判断します。

注3:アスペクトとは惑星相互間の見かけ上の角度を言います。たとえば天体同士の距離や大きさは地球上から見た角度で表されますが、西洋占星術で用いる惑星相互の特定の角度にはそれぞれ吉凶2種類があり、吉であればイージー・アスペクト、凶であればハード・アスペクトと呼びます。

注4:各星座は、人間の身体の各部位を支配しています。ミクロコスモスとマクロコスモスの照応というわけです。たとえば牡羊座は頭、牡牛座は首、双子座は肩と腕という具合で、黄道十二星座の順に従って人体の上から下に下っていき、魚座は足になります。

注5:黄道十二星座は、地水火風の4つのエレメントに分類されます。地の星座は牡牛座、乙女座、山羊座、水の星座は蟹座、蠍座、魚座といった具合です。

注6:ハウスはアンギュラー、サクシデント、ケーデントの3種類に分けられます。アンギュラーは1,4,7,10室で惑星の影響力がもっとも強くなると言われます。同様にサクシデントが2,5,8,11室、ケーデントは3,6,9,12室で、惑星の影響力が最も弱いとされます。

注7:黄道十二星座はその性格によりカーディナル、フィックスト、ミュータブルの3種類に分けられます。同じグループに属する星座は90度または180度の位置にあり、十字形を作ります。

注8:惑星の全体的な配置がどのようなパターンを作るかも判断の材料になります。たとえば他の惑星が狭い範囲に集まっていて一つの惑星だけ別の場所にある場合をシングルトン、天球上の正反対の位置にほぼ全ての惑星が集中しているものをシーソーなどと呼びます。

注9:アスペクトの一つで、二つ以上の惑星が8度以内の位置にある場合。

注10:アスペクトの一つで120度。

注11:アスペクトの一つで180度。二つ以上の惑星が地球をはさんで正反対の位置にある場合。

注12:180度のオポジションは通常ハード・アスペクト(悪い影響を与えるアスペクト)とされていますが、このオポジションを120度と60度の二つに分割する位置に三番目の惑星があれば調停されているとされ、凶意が減じられます。

注13:アスペクトの一つで144度。

注14:アスペクトの一つで45度。

注15:アスペクトの一種で135度。

注16:西洋占星術における未来予知法の一つ。一日後の惑星の位置を1年後の運勢を表すものと仮定し、運勢を計りたい時期に相当する日数だけ後の惑星が出生図上の惑星に対して作るアスペクトから判断する。月や水星、太陽など動きの速い惑星で機能するが、3ヶ月たっても数度しか動かない冥王星は使用しても意味がない。

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5.アメリカ大統領20年のジンクス
 西暦2000年の大統領選挙は恐ろしく混迷を極めましたね。やっとのことでブッシュ大統領に決定しましたが、じつはアメリカ大統領については、末尾に0のつく年に当選した大統領は任期途中で死亡するという不思議なジンクスがあります。別名大統領の呪いとも呼ばれたりします。
 この、末尾に0の付く年に当選したアメリカ大統領が任期途中に死亡するという不思議な暗合は、第9代のウィリアム・ヘンリー・ハリソン大統領から始まります。このハリソン大統領は1840年の選挙で当選し、就任後一ヶ月で死亡します。
 続く1860年はかのアブラハム・リンカーンが当選しました。リンカーンはこの任期は無事勤め上げますが、1864年に再選され、その直後に暗殺されます。
 1880年の選挙で当選したのはガーフィールド大統領。1881年9月に狙撃されて死亡しています。
 同様に1900年当選のマッキンリーは暗殺、1920年のハーディングは1923年に死亡、1940年に当選したフランクリン・ルーズベルトは、じつは三選目の任期でしたが、この任期は無事勤め上げながら1944年に四選されてその任期途中で死亡しています。1960年の選挙で当選したのは、民主党のジョン・F・ケネディでしたが、1963年に暗殺されています。
 こうした一連の大統領の呪いを免れたのが、1980年当選のロナルド・レーガンです。彼は1984年の選挙でも再選され、二期を無事勤め上げて引退しましたが、ただ、最初の任期で就任直後に暗殺未遂に遭い、重症を負っています。西洋占星術の上では、この20年の周期というのは、ほぼ土星と木星の会合周期に一致します。
 こうした大惑星の会合周期と世界や国家の長期的なトレンドとの関係に注目したのがアメリカの占星術師チャールズ・ジェイン(1911〜1985)で、彼は土星と木星の会合40回分を国家の一つの周期とみなしました。その約800年の期間を、拡大と発展の木星期と縮小の土星期に分けたのです。ジェインによれば木星期は繁栄と平和、拡大と文化の発展で特徴つけられ、例えば日本の場合789年に木星期が始まり、1186年まで続いたといいます。その後は困難が続く土星期となり、これが1583年までです。そして繁栄の木星期が1980年まで、その後400年ばかり多難な時代が続くようです。
 歴史上の周期は、この土星と木星の会合だけに限られません。土星と天王星の会合周期に相当する約45年とか、土星と海王星の会合周期である約36年の周期も存在するようです。
 まず45年の周期を見ましょう。
 この周期がいつから始まるのか定かではありませんが、ナポレオンが帝位に就いた1804年頃を起点とすると、45年後は1849年になります。この前後はフランスの二月革命やウィーン、ベルリンで三月革命が発生(1848)、1850年には中国で太平天国の乱が発生しています。さらに45年後が1894年、日清戦争発生の年で、フランスではドレフュス事件が起きています。さらに45年後が1939年、第二次世界大戦の年、さらに45年後は1984年、この年ソ連ではアンドロポフ書記長が死去、翌年にはかのゴルバチョフが書記長に就任しています。そして次の周期は2039年頃になります。
 36年の周期も、やはりナポレオン戦争の時代にはじまりますが、神聖ローマ帝国消滅の1806年を起点とすると奇麗にあてはまるようです。この36年後が1842年、清がアヘン戦争で敗北し南京条約が結ばれた年です。さらに36年後は1878年、ベルリン列国会議が開催されています。次の1914年は第一次世界大戦、さらにその次の1950年は朝鮮戦争の年です。その36年後は1986年、やはり大きな事件というと前年のゴルバチョフ大統領就任とペレストロイカの開始でしょうか。次の周期は2022年頃です。
 国によっては、他にもはっきりした周期が見られる国もあります。代表的なものとして中国史に見られる役13年の周期をとりあげてみましょう。
 この周期は1885年の天津条約のときから明瞭に観測できます。13年後の1898年はドイツ、フランスなどの列強が各都市を租借、さらに13年後が1911年、辛亥革命の年です。さらに13年後の1924年は第一次国共合作、さらに13年後の1937年に日中戦争発生、その13年後は1950年で朝鮮戦争の年です。しかし前年の1949年には中華人民共和国が成立しています。そして13年後は1963年、この前年に中ソ対立が表面化しており、さらに13年後の1976年は毛沢東と周恩来が死去した年、さらに13年後の1989年が天安門事件です。次の周期は2002年にあたります。