恋人
不公平な時間のふりわけに氣付かずに笑う
しあわせな二人の時間はもろくもはかなくおわる
不安定な意識のはてに「いつかまたあえるの?」
四角い世界のかたすみでしずかに齒車はまわる
細い手をにぎり何度もくり返す
夢の中でさえも
狂おしく戀人よ
不條理な運命の波に流されてどこへゆくの
四角い世界の眞ん中でいつしか齒車は止まる
苦しく笑いながら「おねがい」とつぶやく
なみだが止まらない
だれよりも愛してる
首に手をかける
もう君は笑わない
ぬくもりはうばわれて
くちづける戀人よ