福祉切り捨てがもたらしたもの

 

 政府は先月末に決めた社会保障に関する緊急対策「5つの安心プラン」の中で、厚労省組織の問題点などを懇談会が総点検し、行政の見直しに反映させる」としているそうです。有識者会議は「厚労行政在り方懇談会は奥田碩トヨタ自動車相談役を座長に、浅野史郎前宮城県知事、演出家テリー伊藤氏らで構成される」のです。

笑止千万です。私の理解では、奥田碩トヨタ自動車相談役が「医療には無駄が多すぎる。」と発案し、それに乗った当時の小泉首相が「財政諮問委員会」に医療・福祉関係費用を毎年2200億円削減させたものです。このため、小児科が閉鎖され、救急医療も削減を余儀なくされました。今度は奥田碩トヨタ自動車相談役が、医療の安心をお考えくださるそうです。こういうのを、マッチポンプというのです。

トヨタ式「乾いた雑巾を絞る」のが、医療を疲弊させたのです。奥田碩トヨタ自動車相談役の失政を今度は、奥田碩トヨタ自動車相談役に正していただくそうです。石原銀行・新銀行東京もトヨタがかんでいるそうですね・・・。経済合理性がこの世界の万能処方箋だと勘違いするから、福祉が疲弊するのです。救急医療・老人や弱者は効率のみで切り捨てできません。そこに、経済合理性を万能とするから、毎年2200億円削減などというとんでもない政策ができ、医療疲弊を招くのです。経済万能屋・効率万能屋は医療になじみません。もう、うんざりです。

奥田碩トヨタ自動車相談役を筆頭とする産業界は日雇い・季節工で合理化・経営効率を高めて、自分たちの富の蓄積を果たしました。ニート転落への不安・ワーキングプアへの不安は、彼らが主導したためです。

そこで起こったのは何でしょう。奥田碩トヨタ自動車相談役の改革がもたらしたものは、若い人たちの将来に対する不安です。年金の不安・医療に対する不安・ニート転落への不安・ワーキングプアへの不安です。

そこで、若い人たちは将来への不安から貯蓄に走り出しました。当然の反応です。年金・医療・福祉が不安ですから。

そしてもたらされたものは、自動車の買い控えです。若い人は自動車を保有しなくなりました。見事な洞察です。

トヨタが苦しんでいるのは、まさにそこなのです。しかも、高級車レクサスも売れていません。景気の悪化と将来の展望のなさです。

こう考えていくと、トヨタに最大の不利益をもたらしたのは奥田碩トヨタ自動車相談役の改革なのではないでしょうか・・・。皮肉なものです。

もう、うんざりです。経済万能主義・合理化万能主義は万能ではないのです。車を所有するのは合理的・経済的ではないのです・・・。
このメンバーでは期待できません。 福祉・医療・年金の安定こそ、経済再生の根本に見えてくるというのが私の意見ですが、奥田碩トヨタ自動車相談役とは正反対ですね。

2008.8.5
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