Kenny`s ウェブ・マガジン Feb,2003 By ケン吉岡

Hello.トロントの冬真っただ中、2月になってから少し暖かくなったなったと思いきやまた体感気温マイナス15度の世界ですか?たまらんぜ。今月もギグの連続。寒さに負けずガンバッてプレイしております。


Kenny`s News

1/31から2/2にかけてトロントにある6箇所のクラブで行われたウィンター・フォーク・フェス2003。2月1日(土)にジュリアン・ファウス・バンドでSilver Dollarに出てきました。今までこのブルース・クラブで、ジミー・ロジャースやシュガー・ブルーを観たし、自分でも何度もプレイしてきたけどこの夜は格別だったぜ。昨年タジ・マハールのヨーロッパ・ツアーに前座として同行したマダガスカル・スリムをゲストに迎え盛り上がり、最高だったね。ジュリアンもノリノリだったし。俺もなんとか足引っ張らないようにした(笑)。マイケル・ピケット(カナダのベスト・ハーピストの一人)が観てたからちょっと緊張したけどなあ。でも結構ハープ・ソロの反応も良かった。この日のショーは新たなステップにつながるぜ!

トロントのローカル音楽情報誌「T.O.ナイト(隔週発行)」2/6号に相棒ジュリアン・ファウス君がカバー・ストーリーで特集される。Check outすべし。俺のことも少しだけ書かれているからして。
<http://www.tonite-net.com>

俺が94年にカナダに来る前、トロントについて知ってたことと言えば、ハッキリ言ってキース・リチャーズのドラッグ裁判と、エル・モカンボしかなかった。北米でも老舗のライブ・スポット、エル・モカンボは、俺が尊敬するブルース・ハープ・マン、ビッグ・ウォルター・ホートンのライブ・アルバムや、ストーンズのLOVE YOU LIVEの2枚目のA面(俺はいまだにLPの方が愛着がある)、またスティーヴィー・レイ・ヴォーンのビデオ(実は最近観たばかり)で有名だ。ここ何年か、学生パンク・バンドみたいなのばっかり出ていてすっかりおちぶれていて昨年ついにつぶれてしまった。ところが新しいオーナーが今年になって再びオープンさせたようで、早速我らがジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズも2/13にブッキングされた。トロントにお住まいの方観に来てね。でもってまたまた燃えてきたケン吉岡でした。

2月も忙しい。毎週月曜日、火曜日、木曜日にレギュラー・ギグがはいってます。週末もだいたいブッキングされてるし。てことは飲んでばっかりなんだろうな。





TORONTOのミュージック・シーンを紹介するコーナー@
トロントのハモニカ軍団@

トロントは北米のなかでも音楽シーンがかなり活発な都市なんだよね。もちろんニューヨーク、シカゴ、ロスやらの大都市と比較すると規模的には小さくなるけど、一般にトロントニアンは生活の中に意識した音楽(アート全般かな)の比重が高いように感じる。だから各種ミュージック・フェスティバルなんか夏はほぼ毎週末行われているし、ライブ・ミュージック・スポットも限り無く多いし。地元ミュージシャンも星の数ほどいる。ブルースもかなり盛んなんだけど、特にハーモニカ吹きが多いんですよ、これが。しかも素晴らしいブルース・ハーピストがごろごろしているんでここで紹介せずにはいられないんだな。機会があったら観てはいかがでしょうか。CDなんかもネットで探せば売ってるだろうし。ではいってみよう。

マイケル・ピケット

まずカナダの第1人者だね。太いアンプリファイド・ハープでぐいぐい引っ張るベテラン・ハーピスト。アンプはやはりベースマン使ってた。重量級。何枚かCD出てるけどリズム&ブルース的な曲も多い。普段は自分のバンドで演奏しているけど、ここ何年か自分でアコースティック・ギターとホルダーにつけたハープでソロ活動もしてる。メチャクチャ渋いいい声してるしギターもかなりディープなデルタ・ブルース的。ジュリアンが時々ピアノを弾く。前あるイベントでマイケル・ピケット・バンドの直前にマイケル・セオドアと俺と出たことがある。会った印象はちょっと恐そうな頑固オヤジ。でも音楽に対する厳しい姿勢を持ってるように感じる。

カルロス・デル・フンコ

グレイト!世界に誇るぜ(トロントが)。オーバーブローとかも含めてハープの魔術師。テクニックではベストだね。ハワード・レヴィー直伝とのこと。でもけっして技に溺れるようなタイプではなくとても音楽的。ワザをいかしたフレーズっていうよりもこういうメロディに必要だからこの技が入っているっていう感じ。だからとても自然だ。きれいなラインを吹くなあと感心してしまう。ラテンぽいブルースとか、ジャズのフレーズを入れた曲とか、はたまたブルーグラスとかいろいろな曲をやる。様々なジャンルを研究していいところを取り入れてるんだろう。参考になります。前初めて見た時はサウンド・エフェクトを多く使ってたので趣味的にあまり共感がもてなかったんだけど、ふと最近CD聴いたらとても生の雰囲気でやってたので今度はメチャクチャ好きになった。もとホーナーのコンテストの世界チャンプなんだけど知名度はいまいちだ。でも世界のトップ・クラスのハーピストで素晴らしいミュージシャンであることにかわりはないぜ。ところである時カルロスの2nd アルバムを中古CD屋でふと買ったことがあった。そしたら裏ジャケットにサインがしてあった。おい、誰だが知らんが人からサイン貰っといて売るんじゃねえ。失礼きわまりねえヤツだ。 

次回へ続く



3分間ハーモニカ・レッスン その1

日本全国のハーピストの皆様。お待ちかねハープ講座です。あまり見ている人もいないのかもしれませんが。まあとにかくその1は腹式呼吸編です。

その1、まず呼吸に関するひとくちアドバイスです。呼吸がハープの音質や、音のコントロールを左右するのでとても重要。まわりにいるカナダ人の知り合いが、ちょっとためしにハープを吹いてみるとみんな結構スパっと音を出すような気がします。英語を話す人って日本人と発声というか呼吸が違うから声が大きいしよく通る。だからハープもうまくなりやすいんじゃないでしょうか。でも日本人も負けずに腹式呼吸してみましょう。

からだ(特に唇、舌、のど、首、胸、腹)のどこに力を入れて、どこの力を抜いたらよいかを見つけることが大切です。のど、あごに力を入れずに口を開け、上半身(首、胸、肩)の力も抜いて音がからだで響く状態を作り、腹筋、背筋を使って空気を出し入れします。音を出しながら各部の筋肉を触ってみましょう。固くなっていると力が入っているということがわかります。そしてなるべくその部分に意識を集中させリラックスさせればよいと思います。のどの奥は開けて空気の通りがよくなるようにして下さい。どちらかというと力の抜き加減を身につけるのが音の出がよくなる秘けつではないでしょうか。




今月のブツクサ。

昔からカレー、、じゃなくてローリング・ストーンズ好きなんだよね。ブルースに入り込んだのもストーンズのおかげ。68年「ベガーズ・バンケット」から73年「メイン・ストリートのならず者」あたりが気にいってます(うーん、山羊の頭も入るか、もちろんブライアン・ジョーンズ、ロン・ウッドの時代のも、全部か)。今やってるバンドのジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズでもカバーをやるし、「スウェイ」とか「ウェイティング・オン・ア・フレンド」とか。それにマイク・オグラディ・バンドのライブでは「ユー・キャント・オールウェイズ・ゲット、、」を俺自身歌うし。ジャガー/リチャーズの曲をプレイする時はいつでも幸せを感じるな。

ジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズなどのバンドの中の自分はリード係りであるわけで、何か参考になるものはと思い、最近ストーンズのサックス・マン、ボビー・キーズのパートを聴きなおしてみた。前からかっこいいなと思ってたけど、注意して聴いてみると非常にリズミックでグルービーなプレイをしていることを再発見する。譜割りをいろいろ変えたフレーズを次々にくり出してくるし(でも基本的にはシンプル)、特にタイミングがバッチリよ。絶妙にプッシュしたりスカしたり。それこそ俺の好みのタイプ。黒人のジャズ/R&Bサックスの滑らかさとも少し違って、何かゴツゴツした感じ。ボビー・キーズ流ロック・サックス!スケール的には単純なところもストーンズにはドンピシャ。ジャズやってる人が仕事で入ったって言うのとは全然違う。あっ、Tatoo Youのソニー・ロリンズはもちろん素晴らしいけど。ボビー・キーズはストーンズには欠かせない存在。"Live with Me","Sweet Virginia""Casino Boogie"のソロとか最高だぜ。ハープの入ってるCDってブルースでほとんどシャッフルが多いから、ロックの8ビートでハープを吹くのに役立つのはないかなと思って探していたところ、こんなに近くにいいものがあったではないか。で、今再びローリング・ストーンズを聴いてるよ。改井(ストーンズ・フリークの俺のベスト・フレンド)見てるか?ネズミを討って吊るしたりしてなよな(って何の引用かわっかるかな?)。

そういえば、かれこれ7年前くらいかな、以前トロントのGladstone Hotel っていうところの中のバーで毎週日曜日ブルース・ジャムがあって、よく行っていた。時々ホスト・バンドのハーピスト、ランス・ベネットのサブを俺がやったりもしていた。そのホスト・バンドの友人にマイクっていうチャーリー・ワッツのドラム・テクをやってる人がいた。俺が初めてGladstone Hotelに足を運んだ時、その前の週に彼はボビー・キーズをジャムへ連れてきたということという情報をキャッチ。それ以来俺は頻繁にそこへ顔を出すようになったのだが、その後は残念ながらボビー・キーズ登場せず、、。ストーンズって毎回ツアー前にはいつも、トロントにある劇場やら高校やらを貸し切って(もちろん内密に)リハーサルを行い、そしてトロントのクラブでも必ずシークレット・ギグを敢行する。トロント滞在の合間に遊びに来たんだろうけどもう1週間待っててくれればよかったのに、もう。

*不定期講読(一応月刊としてしまったがビシっと続く自信はないので)ご希望の方はメールでそのようにKen0122yo@hotmail.comまでお知らせ下さい。更新次第送信させて頂きます。

*このページでは御意見、感想、ハーモニカなどに関する質問などをお待ちしています。アイディアに欠けるケニーを救うのはキミしかいない!

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