Kenny`s ウェ・マガジン From Toronto,Ontario
2005年3月  
By ケニー吉岡(ブルースハープ・プレイヤー)


唐突だが最近関心があったことを2つ。

はじめにNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)が今シーズンついにキャンセルされたこと。ホッケー観戦をエンジョイできないということだけでなくトロントではローカル・ビジネスに大なり小なり影響を及ぼすこともありその決定には注目していた。実際の話しバーでのギグを生活の糧にする僕らのようなミュージシャンにも打撃がないとは言えない。大抵のバーにある大画面でビールを飲みながらホッケーを楽しむ客というのが、純粋にバンドを観に来る客と同じく重要な存在であるからして。今までの傾向はと言うとゲームがある時は大抵カウンターでビールをすすり、9時半か10時に終了するやいなや最初のセットを開始していた。するとホッケー客もそのままライヴ・バンドをつまみに飲み続けるというわけだ。以前トロントのチーム、メイプルリーフスがプレー・オフに勝ち進んでどこだかとゲームが行われた時、同点のまま延長戦にもつれ込みそれが3ピリオドまで決着がつかないことがあった。結局12時近くまで待機したあげくトロントは星を落とししかもギグはキャンセルになってしまった。そんなこともあったのだがそれでも今回の話の顛末には誰もが悲しんでいることだろう。この世は金。嗚呼、醜い。

もうひとつは政治のはなし。パレスチナ自治政府とイスラエルの休戦は大きなニュースではないか。まったくハーモニカと関係がないがここに喚起しておきたい。というのは最近ユダヤ人とパレスチナ、アラブ人に関する本を2冊ほど読んだのだが、その長い歴史を振り返ると計り知れない程の両民族間対立が蓄積されてきたことがわかり興味を持たずにいられないのだ。何しろ紀元前からすでに始まっていたのだから。ただ近年の争いについて悪いのは双方どちらでもなくてアメリカ、イギリス、以前のソ連、それからドイツをはじめとする大国の干渉につきると思うのだ。結局のところ中東戦争が幾度か勃発したりいろいろ事件が発生しても、それぞれ大国は自分の利害をまず第一に考えて動くばかりである。米ソ冷戦時代の陣取り合戦しかり、石油ルート獲得戦略しかり。ヒトのことを忘れてやしないか。世界の文化が入り乱れたトロントに住むからわかるのだが、ユダヤ人もアラブ人も要するにどの民族もそれぞれいいところと悪いところがあるわけで、それは実際のところいい悪いではなく民族的な文化の違いなだけなのだ。アラブ人なんて田舎の純粋な人っていう感じで本来危害を他が加えない限り人を攻撃することなどないように感じる。ユダヤ人(ユダヤ系のカナダ人しか知らないが)にしても金に細かいイメージが持たれているがいいヤツもいる。せめて和平とまでいかなくても、トロント市民のように(多少のいがみ合いはあるがコロシよりはましだ)適度に住みわければよいのではないか。とにかくこの休戦をきっかけに両者が歩み寄ることを願う。俺はただ願うばかりだが、政治家どもはコトを丸くおさめるのが仕事なのだから、大金ガメて贅沢三昧している暇があったらたまには人の役にたてと言いたい。

トロント・ダウンタウン西部のヒップなクラブCadillac Loungeに2月25日、26日の週末に続けて出てきた。25日はロカビリー・バンドのデア・バックビーツ、そして26日はジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズと。特にジョーンズの方は本拠地パークデールということもあって店は満員、新曲2曲を含め大いに盛り上がる。新しいドラマーのショーンがバンドに適したタイプなので、今までで最もいい調子でショーを終えた。今後に期待。今月は3/19Cest Whatにて予定。

3月と言えばセント・パトリック・デイ。今年もマイク・オグラディ・バンドで忙しい週を迎えそうだ。3/12Healey`s (178 Baturst@Queen)、3/17はSteam Whistle (CNタワー近く?)。今月末にニュー・アルバムのレコーディングも再開される。ハープ・パートは一日で10曲全部やることになるらしい。ザ・ポーグスはトロントに来ないようで、オープニングをやるという話しはポシャる。

3/10にボクのソロ・ギグが予定されている。Hole In The Wall (Dundas & Keele)にて3セットまるまるやる。もちろん歌う。アコ・ギターも弾く。ハープもそりゃ吹く。

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