誕生日の過ごし方。

18/IX/1999。

先日(3日前)初めて見付けたばかりのS楽器店へ。矢張り3日前にその存在を知ったばかりの、「マルチトラックMDレコーダー」を、半ば自分で自分に誕生日プレゼントという名目にして、買うことにする。話を聞くと、MDを用いた商品はこれが代表的なものだそうで、他社のものは記録媒体として例えばハードディスクを用いているらしい。音はハードディスクのほうがいいということだそうだけれど、MDが欲しいと以前から思っていたこともあり、普通のMDレコーダーとして使うことも出来るこの製品にする。YAMAHA MD4S。

…MDレコーダーを欲しく思っていて、折角ならば少し遊べるそれをというわけで、電器店で売っているMDレコーダーの代わりに、楽器店で売られているMDレコーダーを買うことにした、という説明でもいい。

ついでに、折角楽器店に来ているのだから、長年ギモンに思いつづけていることを店員に聞いてみる。…Arto Lindsayのギターは、どうやったらあんな音が出るのか。そして、あのようにギターを鳴らすことができるのならば、僕自身も試してみるにしくはない。ギターのことは全く分からないのでと前置きをして聞いてみたけれど…、誰もArto Lindsayをご存知ではなかった。残念。今度テープに録音して持ってきて聞いてもらうことにした。

早速家に持ち帰り、遊んでみる。最初のうちはなかなか音が出なくて参った。説明書も、聞いたことのないカタカナ語ばかり。どうやらこの環境ではCDの音を入力できないことが分かり、プラグを変換するアダプタを夕方に再び三宮まで買いに行く。
そのついでにデパートに立ち寄って、折角の誕生日なのだからとまた都合のよい理屈をつけて、ワインを買って帰る。

Pouilly-Fuisse '97。ブルゴーニュ、マコネー地区の代表的白ワイン。葡萄はシャルドネ。やはりデパートで買ってきた3種類の魚肉てんぷらを肴に。

一口いただいた瞬間、世の中にはこんなに美味しい飲み物があったのかと、下手なことを考えてしまうくらいに、一種感動してしまった。

口にふわっと広がる酸味が素晴らしく、たいへんまろやかな中にも、立体的な奥行きをもつ。僕はフルーツ、特に葡萄は大好きだけれど、ワインというのは葡萄から作られているのだという単純な事実を、大きく頷きながら確認することができた。葡萄というのは幸福な食べ物であり、それと同じようにワインというのは幸福な飲み物だななどと思う。とても美味しくて、下戸の僕にしては飲みすぎてしまった。

午後8時台、電話が鳴る。誰かからバースデー・コールかなどと期待して電話を取ると「S楽器の○○と申します」。「ちゃんと動きましたか、判らないことがあったら電話でも結構です、連絡してください」。電話サポートまでするというのは、なかなかのものですね。惟うに、楽器の類というのは、不特定多数の人が買ってくれる商品というわけではないから、楽器店は新規顧客を大切にするのでしょう。

その後旧友からのバースデー・コールも掛かり、満足して、ワインを飲み、ほろ酔い気分にて、朝方4時頃まで!、歌を歌ったりして遊ぶ。(近所迷惑やっちゅうねん)。大まかな内容は理解し、音も出、録音も出来るようになったわけです。

そんな風に過ぎていった今年の誕生日でした。

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