2000-2001 Off Season Summary (4/1/2001)



The disfunctional family fell short. これが Season 終了時の感想だった。けが人が続出し、貧打に泣き、最悪の6月があったものの何とか9月まで生き残り、最後の生き残りをかけた絶対に勝たなくてはいけない 9 月に勝てずに沈んでしまった Sox だった。もちろん課題は山積みでどこから手を出していいのかわからなかったぐらいで、1998、1999年の Playoff 敗退時とはうって変わっていやな予感が僕の心に残っていた。来期に関して明るい全く未来が描けなかったのだ。


2000 年の Sox が満足いかない結果に終わったときに何が足らなかったのかを考えることで GM の Off Season の方針がわかると思う。問題点を挙げてみる。Season を通して一番大きかったのは打てなかったことだ、もちろんけが人続出という要因も大きく影響したが1999 Season は AL 9 位だった得点(836 R)が AL 12 位(792 R) まで落ちてしまった。このことが失点できないというプレッシャーを投手陣に与えていた。その次には Pedro に続く No.2 Starter を最後まで確定させることができなくて いつも Pedro の肩に頼らざるを得ない状況を作り出していた。そして Carl Everett の問題で監督、選手、GM がバラバラになりThe disfunctional family を作り出した。張本人の Carl Everett をどうするのは頭が痛い問題として残っていた。また Val の故障で 3B が結局安定しないまま Season は終了した。期待された Veras が結局 Boston 3B の重圧に耐えられなかったのか、まだ Major には早かったのかわからないが、Chance をものにできずにAAA に降格されてしまい、GM が獲得してきた 3B 候補がすべてつぶれるなど最悪の結果となっていた。これらの問題にどう対処していくのか、また Ramon を含む投手陣の Option 契約を行使するのかそれとも Buyout するのかは来期の構想を大きく左右する決定事項であった。

以上のことをまとめると
1)打線の強化
2)先発陣の強化
3)Everett, Willimas 監督, GM Duequet の関係改善
4)3B の強化
5)Option契約をどうするのか?
が OffSeason の懸案であった。


さて実際GMはどう動いたのだろうか、これから検証していくことにする。

まず時期的にいって一番初めに Option の行使を決定する必要があった。 10/31 にRHP Ramon Martinez($8 M), RHP Tim Wakefield ($5 M), LHP Pete Schourek, RHP Tom Gordon の Option を行使しないことを Sox は発表したのだ。No.2 となると思われた Ramon が制球に苦しんで 1 回 KO を何回も食らうなど彼は期待に応えられなかった。RHP Tim Wakefield は Spot starter/Long reliever としてはよく働いたが1 年 $5 M 以上の価値はないと判断された。LHP Pete Schourek は開幕直前に Waiver Claim で Sox にやってきて Rotation 入りして春先は活躍したものの肘を痛めて DL 入りし最終的には手術をした。この状態で Option の行使をするわけには行かなかった。Gordon に関しては手術の経過は良好であったものの高額な Option を行使するほどの価値はないと思われていた。これらの動きは予想できたもので別に驚くべきことではなかった。Option は行使されなかったが、選手はこの時点で Sox と契約する可能性は残されており、金額を少なくして再度契約に望むことが考えられた。

11/1 には RHP Hipolito Pichardo の Option($1.66 M) を行使した。彼は昨年 Setupper として大活躍した。Beckが出遅れた分を彼がカバーしたといえる程の活躍だった。終盤肘を痛めてDL入りしたが彼が Lowe へ繋ぐ役割をきっちりこなしていた。この Option の行使は納得いく。

11/8 に RHP Rod Beck の Option($4.5 M) を行使することを発表した。これは Beck 本人も驚いていたと伝えられている。ケガで出遅れてが復帰してからはそれなりに活躍したが $5M の価値があるかどうかは疑問だった。Sox に移籍する前に手術した右腕は2001年には手術前の状態までは復帰しないかもしれないが、既に術後の不安定な時期からは脱して来期はそれなりに計算できると GM は考えたに違いない。しかし明らかにこれはギャンブルだが理解はできる。またこの日 Everett の 2003 年の Option を行使している。彼は行動言動に問題あるもののキレなければ Sox には戦力となる。年棒の高騰化が進む今、一年前に複数年契約した選手の Option を行使するのは納得がいく。

11/16 に Trade を行った。UT Sadler と OF Coleman を Cincinati に出し、UT/3B Chris Stynes を獲得した。これは 3B Val の保険として計算できる選手を補強する目的であった。Val が完全に復帰できるのかがわからない状態であったのでこの補強は大きな意味があった。Sadler は守備には定評があり、Teamでは一番の俊足ではあったが打率を稼げないことで伸び悩んでいた。Coleman も一時は Prospect とされてきたが CF Everett と長期契約したことやケガで Sox での将来がない状態であったので納得できる。これはいい Trade だと思う。

11/30 に Mussina が NYY と契約した。Sox は Bal の No.1 Starter であった RHP Mike Mussina のFAでの獲得を狙っていた。もし彼をとってこれれば Pedro は随分楽になるのだ。FA 市場で打線の強化より No.2 Starter 獲得に乗り出したのはうなずける。Sox 打線が打てなかったのはけが人続出だったこともあり、昨Seasonケガをしていた連中は半年体を休めることで元の状態に戻ってくれればそれなりの打線は組めるのだ。それに Flag Deal でとってきた DH Dante Bichette が一年を通して働いてくれれば確実に 2000 年 Sox 打線よりは強力になることは予想されたからだ。しかし Starter に関して言えば Sabes は結局復帰できずに Season を終え、Ramon は不安定、Shoureck はケガ、Rose、Wasdin(先発候補とは言い難いが) は Trade され、Florie は顔に打球を受けて入院、Wake はいまいち安定せずという状況、Fassero は最終的に先発を下ろされてしまった。Ramon 等にOption 契約を行わなかったことでこの時点では Arrojo と Ohka が Pedro に次ぐ位置にいるというのが現状だった。 Mussina を獲得して投手陣を立て直す必要の方が優先されるのもわかる。また強調しておきたいのだが RHP Mike Mussina が対象であったことがこの場合意味があったのである。どうでもいい投手なら大金を払う必要がないのだ。Mussina は Bal の No.1 Starter を何年も張ってきた投手で Bos, NYY, Ariz, Atl 以外では No.1 Starterとして十分通用するだろう。そういう投手だからこそ GM は獲得しようとしたのだ。しかし NYY の戦略が上手だったので Boston の提示額が多かったにも関わらず NYY と契約してしまった。これはもの凄く痛かった。契約できなかっただけではなく NYY にもって行かれたことが自体を悪化させたのだ。2001年も Ticket Price を上げることをこの頃決定したのだが、NYY が真剣に Mussina との契約をしているその間に GM は Ticket の値段が上がるための Sox Fan への釈明の手紙を書いていたと書かれる始末だった。後に GM はMussinaはあまりSoxとの契約に乗り気ではなかったとコメントしている。これは NYY が World Series を戦っていながらも既に Mussina に接触し外堀を固めていったために GM が本気で交渉を初めた時にはMussinaの心は決まっていたのかもしれない。どちらにせよ NYY の戦略に負けたことは事実だ。しかしこのことが次の標的に移ったときに教訓として生かされることになったのだ。

GM は Mussina 獲得に失敗した時点で方向を修正している。少なくとも大物 FA 投手には食指をのばしていない。LHP Hampton、RHP Appier、LHP Neagle を見送っている。LHP はのどから手がでるほど欲しいし、GM は Appier が好きで何回も獲得の噂がこれまであったのだ。しかし年 $10-15 M の複数年契約を結ぼうとは考えてはいないようだった。個人的には Mussina 以外に FA で $10-15 M を払うのは高すぎると思っていたのでこの GM の行動は納得できた。

12/7 に RHP Frank Castillo と2年契約($4.5 M)した。金額もそれほど高くないし昨年 10 勝した投手で計算できる。いい契約だったと思う。Pedro-Arrojo-Castillo と続くRotation になる。 Option は行使されなかったが、Wake と交渉の末 2 年契約( $6.5 M)を行った。Wake は Rotation には残れないかもしれないが Spot Starter/Long Reliever/Mop upper として貢献している。Inning Eater としての彼の評価が認められたということだろう。 LHP Pete Schourek と Minor 契約を行ったがこれは LHP Cormier(Phi. と 3 年 $8.75M) の抜けた穴の LHP 候補の意味があった。

Mussina 獲得に失敗した時点で GM は RF Manny Ramirez の Agent Jeff Moorad に確認をとったようだ。12 月の初旬の時点で Ramirez 獲得戦に参戦したいのだがもう遅すぎるのかどうかを聞いたらしい。まだ大丈夫だとの答えだったようで GM は一気に攻勢にでた。最後は Cle との一騎打ちとなったが最終的に 12/13 に 8 年$160 Mで契約(9年目、10 年目の Option 契約つき)した。Nomar, Pedro が電話を入れるなど Mussina 獲得に NYY が使った手を今度は Boston が使ったのだ。28 才の彼に 8 年契約。守りはうまくないが打てることは確かだ。契約が終わる頃には DH 専任になるだろうがそれまでは LF を守ると思われる。RF Nixon はFenway の難しい RF をこなしている。Ramirez に同じことを要求するのは無理である。また、LF は Green Monster があるものの慣れてしまえばそれほど難しくはない。長期的に考えると LF を守ってもらうのがいい。個人的には高すぎる契約だと思うが Nomar, Pedro が Prime にいる間にどうしても WS に勝たねばならずそのための高い代償と思えばいいと考えている。

Winter Meeting での Ramirez との契約になったのだが、この Winter Meeting では Sox にとっては大変重要なことがあった。Carl Everett が現れて Williams 監督と和解したのだ。少なくともこれで頭を悩ませていた Everett の問題は解決した。

この時期に川崎投手への契約提示(2 年 5億)があったと日本ではと伝えられている。Boston Globe 等には全くでてきていないが日本での契約提示まではおいきれなかったのだろう。結局川崎投手はSoxとは契約することはなかった。しかし、同時期に契約の交渉をしていた野茂投手と 1 年契約($4.5 M)で 12/15 に合意した。2 年契約にした場合に平均年棒が安くなるために 1 年契約になったと伝えられている。この契約はSoxにとって非常に大きい。RHP Crawford, 大家投手には他球団からTradeの話があった。もし計算できる投手を獲得しなくてはいけない場合どちらかの選手を放出しなければいけないのだ。それを $4.5 M で買ったと思えば安い。野茂投手は Slider を投げ初めて投球に幅がでてきたと伝えられている。Pedro に次いで No.2 になるのか Arrojo の後ろで No.3 になるのかわからないがとにかく Rotation の層が厚くなったのは確かだ。この時点で GM は今回 Off Season の補強はこれで打ち止めであるという内容の発言をしている。

C Nilsson と 2年契約をしたと伝えられたものの彼が Physical Exam をパスしなかったことでこの契約は流れた。 P. Gammons によるとパスしていたものの Sox 側が強引に破棄に持っていったらしいが詳しいことはよくわからない。しかし過去に Sox は意味不明の DL 入りをさせるようなことがあったりしたのでこういうこともあるのだろう。

さて 2001 年になり 1/5 に LHP Kent Mercker と Minor 契約を行った。これは LHP Schourek だけでは安心できないための保険と考えていいだろう。

1/11 に RHP David Cone と Minor 契約した。この契約には驚いた。確かに噂にはなっていたが KC 等との契約するものだと思っていた。Williams 監督、 Kerrigan Pitching Coach が Cone の投球をみていけると判断一気に契約した。昨 Season 不振だった Cone が Kerrigan の元でどこまで復活できるのかが焦点となる。この時点で Cone は No.2 となるだろうと Willimas 監督は明言している。彼の加入で一気に Rotation 争いが激化した。Pedro 以外は誰一人として確定ではない。誰が落ちても驚かない。逆に誰が残っても驚かない。若手にはつらくなるがここ数年で一番厳しい Rotation 争いになりそうな予感がある。

1/19 日に UT Grabeck と Minor 契約した。これは UT が Lou だけでは不安なため保険と考えていいだろう。


ここまで Off Season にあった出来事を述べてきた。これらを考えると
1)打線の強化は Ramirez の補強で解決した。
2)先発陣の強化は Castillo, 野茂投手、Cone と契約で解決している。Mussina をとれなかったことはしょうがないといえる。
3)Everett, Willimas 監督, GM Duequet の関係改善は表面上話し合いで解決している。
4)3B の強化は Reds から Stynes を獲得してきて解決した。
5)Option 契約をどうするのか?については残す人と切る人の線引きをきちんと行った。
また LHP とも契約し、UT も補強した。これらすべてを考えると今回も GM はいい仕事をしたといえるだろう。

これからSpring Camp、Exhibition が始まる。Camp In 時点では未来は明るいといえるのではなかろうか。今年は期待できるといえるだろう。


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