今回の内容はすべて Roger Clemens の New York Yankees への Trade についてです。

 今回は緊急に Vol.2 の発行を決めさせていただきました。というのは Roger Clemens が New York Yankees に Tarde されたからです。 Red Sox Fan にとっては大きな出来事でした。できるだけ「今」の Sox Fan の気持ちを載せたいと思っていたので依頼から締め切りまで 1 週間程しか時間をとりませんでした。ノマー渡辺様、Tatsuya 様、JUN 様、忙しい中原稿を書いて頂きありがとうございました。 (matsudy)


By ノマー渡辺
クレメンスのヤンキース入りはショック以外のなにものでもありません。テキサスならしょうがないと思っていましたが、長年の宿敵に行くとは予想もしていませんでした。自分をメジャー好きにさせてくれた選手の一人だったので特に。友人の例えを借りるなら、星野仙一がカープを経由して巨人に入団するのと同じ衝撃です。巨人ファンの私からすれば、松井が阪神にトレードで行くのと同じぐらいのショックです。
 但し唯一のよりどころは、クレメンスがFAでヤンキースに行ったのではないと言うこと。本人のトレード志願があったかもしれませんが、最終的にトレードをまとめるのはGMの仕事。選手はそれに従っただけのことなので、クレメンス自身に対する怒りなどは全くありません。ボストン戦以外の試合では、これまでどおり1人の偉大な投手として見ていきますし、ボストン戦はどんな投手でも敵に違いないのですから、one of themとして見ていきます。

By Tatsuya
より良い条件のもとで、なお且つ自分の夢を実現するために新しいチームへ移るということはメジャーでは肯定されるべき行動であり、一度でいいからワールドチャンピオンのリングをはめてみたいという彼の発言には共感を覚えます。

それはやっぱり本心は、RedSoxのユニフォームを着て、Fenwayのマウンドに立つRocketが一番カッコ良かったと思いますが、贔屓のチームと贔屓のプレーヤーの間にはキチっと線を引いて、ちゃんと両方に賞賛の拍手を送るという応援の仕方が、メジャーファンには必要ではないでしょうか?やはり彼らのプレーのレベルの高さに僕らは引きつけられているのですから・・・・・

RocketがTorontoに移った時に、僕は彼が胸にRedSoxと書いてあるユニフォームを着て投げるシーンを、すでに思い出として胸の中に閉じ込めました。でも、彼がon the moundの時は、どのチームにいようとやはり勝って欲しいし、三振をたくさんとって欲しい! この想いはこれからも変わらないと思います。

彼は、あるインタビューの中で、5mileを30分で走れなくなったらretireすると語っていました。(Numberのインタビュー)来年もさ来年も、30分を切って欲しいのです。僕がもう一度彼の勇姿をアメリカで見れるまでは!!!!!

メチャクチャ強いYanksは嫌いですが、Rocket on the moundの日はやっぱり別でしょう?

That’s itです。


By JUN
「Rogerについてひとこと」というMatsudyさんの御要望なので書かせていただきますが、正直言って、自分自身のなかでこの件をどう受け止めるべきかまだ気持ちがまとまっていません。とても複雑な気持ちでいます。ですからきっと支離滅裂な文章になると思いますが勘弁してください。

僕は5年前にボストンに来てから、ここFenwayでは何度もRogerの登板を見てきました。ボストンのファンなら誰でもRogerに対して特別な感情があるはずです。彼はヒーローでしたから。僕がここでRogerを見始めた時は彼は既に全盛期を越えていましたが、それでも彼はボストンのヒーローでした。
彼がTorontoに行ってしまった時は確かにショックでした。でも今回はもっとショックです。言葉には言い表わせないでいます。

僕は、RogerのNYY行きが決まってからいっさいESPNなどのスポーツニュースを見ていません。新聞も見てません。というか、Rogerのあの縦縞模様のユニフォーム姿を見るのがまだ怖いのです。きっとシーズンが始まれば嫌というほどRogarのあの姿を見ることになるんでしょうが、今はまだ見たくはないのです。
テレビや新聞でどう報道されているのかも知りません。
RogerがTorontoにいた時は、このままここで彼のキャリアが終わってしまったらかわいそうではあるな、とは思っていました。彼の最後の花道は、どこかプレーオフに行ける可能性のあるチームでやるのが一番いいのではないか。できたらボストンに戻ってきてくれたらいいな。それが無理でもClevelandなりTexasなりHoustonなり、そのあたりのチームに行けばきっといい花道が飾れるんじゃないだろうか、という思いで見ていました。
ただし、絶対に、絶対に、NYYにだけは行って欲しくなかった。

なんでこういうふうに思っちゃうんでしょうか、ボストンのファンは。
なんで素直に喜んであげられないのでしょうか、ボストンのファンは。
彼にとっては最高の花道じゃないですか。彼の輝かしいキャリアの最後に、ワールドシリーズで大活躍できる可能性が一番高いチームに移籍したんですよ。
でも、わかってはいるんですけど、僕にはまだこの事実が受け止められないでいます。

僕はすでに、NYYが最初にボストンにやってくる5/18、19、20の3連戦のチケットをおさえてあります。この時、Fenwayはどうなるんでしょうか。ブーイングの嵐でしょうか。きっとまたいつもの通り、NYYのファンが球場の約半分を占めることでしょう。そのNYYファンの歓声で、ブーイングもかき消されてしまうのでしょう。
僕は素直に立ち上がって拍手を送ってあげられるのでしょうか。
それともやっぱりブーイングに加わるのでしょうか。



By matsudy
 噂がでていたとはいえこの Trade には驚いた。Roger Clemens が NYY に入団してしまった。はっきり言って Red Sox Fan には最悪の状態になったと思う。
 ずいぶん前のことだが Roger Clemens を気に入り Red Sox Fan になり、彼見たさに Boston まで飛んだのは大学3年の夏だった。そのとき Fenway の雰囲気を知り Roger Clemens だけでなく Red Sox が好きになった。当時は Fenway で Roger が投げる時には今日は勝てるという雰囲気に包まれており、みんな Roger を投げるのを楽しみに来ていた。Boggs, Greenwall がいたけども人気は Roger が一番だった。
 Yankees が Fenway で戦う時はまた違った意味で異常な雰囲気になっていた。何か殺気立つようなそんな空気が流れていて、よくもまあそんなことができるなあと思われる上から下まで Yankees Fashion で Fenway にくる NYY Fan との間には一触即発のピリピリした感じが読みとれた。 NYY 戦に勝つだけでなぜか満足したし、NYY 戦に負けようものなら断腸の思いで Fenway を後せざるをえなかった。それだけ NYY 戦は特別で負けてはならない戦いなのだ。
 1996 年に Roger が FA で Toronto に移籍したとき、確かに驚いたが NYY ではないときいて胸を撫で下ろした。NYY 行きの可能性は充分あったからだ。Toronto で活躍する分には全く気持ち的には問題なかった。確かに AL East という同地区にいたが、Roger Clemens には活躍してもらいたかった。そして彼の Fan だから彼の復活はとてもうれしく思えた。ただ Boston と対するときは活躍してもいいけれどもBoston には勝って欲しくなかった。同点で降板するか、勝っている状態で降板しても Bullpen が打たれて欲しいと願っていた。そして Toronto が NYY と戦うときは絶対に勝って欲しいと思っていた。この頃には Roger Clemensより Boston Red Sox の方が優先するようになっており、今まで以上に NYY に対し異常な嫌悪感を抱くようになっていった。この感情は HP を開設し毎日コメントを書くようになって Red Sox に対しての愛着が増したことや、96 年に引き続いて 98 年も NYY が World Champ になり苦々しい思いをしていたこと、そして最近になって Red Sox の歴史をいろいろ本を読んで勉強して、いかに Boston が受けた傷が大きかったのかに気づいたからだ。そう、1920 年以来いつも NYY が Boston の邪魔をしていたのだ。

 Roger が NYY で投げることは彼の活躍がすべてNYY の勝ちに貢献するということになる。もちろん Roger が打たれる姿は見たくないので応援はする。Roger Clemens Fan は彼に World Series Ring をあげたいと思っていると思う。でもそれが NYY で成し遂げたものならば Red Sox Fanとしては耐え難いものとなる。無理かもしれないが、今年 Roger が 6 回目の Cy Young をとり Boston が ALCS で NYY を破り World Series に勝つことが僕にとっては一番いいのではないかと思う。今は Roger より Red Sox が優先する。それが現時点での僕の正直な気持ちだ。しかし実際彼が Fenway に乗り込んで来たときにどう思うだろうか。Pinstripe で Roger が Fenway で投げる。Jeter、Knoblauch、Bernie をバックに投げる Roger など想像したくもない。しかし現実に 5 月の NYY 3 連戦で実現するのだ。
 今年の 7 月 30、31日、8 月 1 日の NYY 戦は 1 月の HP 先行前売り発売時にすでに Ticket を押さえていたので Boston に行くことになっていた。しかしまさかこんな形になるとは思いもしなかった。6 割の確率で Roger at Fenway を見ることになる。僕にとっては 8 年ぶりの Roger at Fenway。実際この目で見たときにどう感じるのだろうか、それは行ってみないとわからない。