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■オーバートレーニングとは
トレーニング負荷と休養のバランスが崩れた結果,競技パフォーマンスが低下する現象
■トレーニング負荷と回復
アンダートレーニング:トレーニング負荷の不足による競技パフォーマンスの低下
最適なトレーニング:トレーニング負荷と十分な休養による競技パフォーマンスの向上(超回復)
オーバーリーチング:トレーニング負荷と休養のバランスの不均衡による一時的な競技パフォーマンスの低下
■オーバートレーニング症候群
高強度トレーニングによって生じた競技パフォーマンスの低下や疲労の症状が,
容易に回復しなくなった慢性的な病的疲労.
数週間,数ヶ月の休息でも競技パフォーマンスは戻らない.
■オーバートレーニング症候群の症状 (川原,1990)
軽 症:日常生活での症状は全くないが,トレーニング強度が上がるとついていけない
中等症:軽度のトレーニングでもややつらく,日常生活でも症状が見られる
主な症状は,疲労感,立ちくらみ.まれに胸痛,筋肉痛,下痢など
重 症:軽度のトレーニングでもほとんどトレーニングできない状態で,極度の疲労症状
不眠が必発し,POMSなどの心理テストでうつ症状
■オーバートレーニング症候群の原因
1. 過大なトレーニング負荷
2. 急激なトレーニング負荷の増大
3. 過密な試合スケジュール
4. 不十分な休養,睡眠不足
5. 栄養・エネルギー不足
6. 仕事,勉強など競技以外の日常生活での過剰なストレス
7. かぜなどの内科的疾患の回復期における不適切なトレーニング
■オーバートレーニングのサイン (Mackinnon and Hooper, 2000)
生理学的サイン
・トレーニング継続中のパフォーマンス低下
・動きの効率のおよびある仕事に対する乳酸値の低下
・疲労症状の継続
・呼吸循環器系の変化;起床時心拍,安静時血圧など
・血液成分の変化;血清フェリチンなど
・ホルモン(内分泌系)の変化;カテコラミンの生成および血清遊離テストステロン/コルチゾール比など
・かぜの頻発;上気道感染症など
・筋肉痛の継続
・体重の減少
心理学的サイン
・POMSなどによる精神状態の変化
・意欲の喪失
・食欲不振
・睡眠障害
・高い自覚的ストレス
・いらだち,抑うつ
■オーバートレーニングの診断基準 (Mackinnon and Hooper, 2000)
1. 競技パフォーマンスの低下
2. 疲労症状の継続
3. 最大心拍数の減少
4. LT(乳酸閾値),ある一定強度に対する乳酸値あるいは最大乳酸値の変化
5. 血漿ノルエピネフリン値の上昇やノルエピネフリン排泄量の低下などの内分泌系の変化
6. 自覚的ストレスの高値や睡眠障害
■オーバートレーニング症候群の処置 (川原,1990)
1. 誘因を取り除く
2. 一定期間トレーニングの軽減,さらには中止
3. 時間をかけて徐々にトレーニングを開始
同時に他種目のトレーニング(クロストレーニング)を行うのも有効
■オーバートレーニングの予防
・トレーニング計画の個別化
・トレーニングのピリオダイゼーション(周期化)
・トレーニング負荷と回復のバランス
・コンディショニングのモニタリング(トレーニング負荷,休養活動,パフォーマンス,コンディション)
・コンディショニング評価
■オーバートレーニングの関連用語
・急性疲労:1日,長くても3-4日の休息で疲労症状が回復.
・オーバーリーチング:オーバートレーニングと同じ状態,しかし1-2週間の休息で回復.
・オーバーユース:高強度トレーニングによって起きる局所的な障害(例:ジャンパーズニー,疲労骨折).
・オーバーロード(過負荷)の原則:トレーニング刺激を与えるために必要なある一定以上のトレーニング負荷.
<参考文献>