鳥羽の街と鳥羽三山
鳥羽市の玄関口はなんといってもJR、近
鉄鳥羽駅周辺です。ここは、鉄道や国道
という陸上の交通だけでなく、鳥羽湾に
点在する4つの離島への定期航路の出
発港でもあります。
しかし、鳥羽駅周辺は明治時代末に国鉄
参宮線が伊勢から延長されることとなった
とき、当時「佐田浜」と呼ばれていた海岸
を埋め立てて造成した土地であり、鳥羽
の市街地から見ると北の外れに位置して
います。
鉄道開通後、鳥羽周辺の海はますます埋
め立てが進み、工場や道路が造られまし
た。そして、昭和45年、近鉄が鳥羽まで延
長されるため新しい玄関口を作る必要が
できたことから、一挙に海岸線が数百メート
ルも後退する、大規模な埋め立てが完成し
ました。(現在の近鉄駅、バスターミナル、
パールビル、港湾センターのあたりです)
このように駅周辺はまったく変わってしま
いましたが、港町であり城下町でもある
鳥羽の市街地は、国道や近鉄線から山
側に入ったところに昔ながらに存在して
います。
鳥羽の市街地へは、鳥羽駅JR側出口か
ら、近鉄線路沿いに100mほど行き、赤
福鳥羽支店前で右折、商店街に沿って
進むと到着です。
上の地図をご覧ください。
鳥羽は樋ノ山の懐に抱かれたように
位置していますが、北側は日和山、
中央には城山があり、市街地はこれら
の谷間に存在していることがおわかり
いただけると思います。
埋め立て前の鳥羽は、今の鉄道、国道
などのスペースが存在しなかったわけで
すから、日和山は海岸のごく近くに位置
し、城山にいたっては「岬」のように海に
突きだしていたのではないでしょうか。
(戦国時代の水軍の将 九鬼嘉隆はこ
の地形に着目し、ここに城を築いたわけ
です)
明治以後、鳥羽城が破却されると、城山
には官公署や学校が建てられました。
また、船運の衰退により使命が失われた
日和山は、その素晴らしい眺望に着目
され、展望台やエレベーターが設置さ
れるなど、観光地鳥羽の初期の観光資
源として整備が進むことになりました。
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昭和初期頃の佐田浜(今のバスセンター付近)