Last Updated. 2000/07/26
個人がインターネットに接続するために必要不可欠なプロバイダ(ISP)。無料プロバイダの特集です。
2000年は無料プロバイダの幕開けの年でした。そして、2001年は無料プロバイダ淘汰の時代です・・・・・・。
*無料プロバイダサービスについて
インターネットに接続する際には、通常、個人はプロバイダと契約しなければなりません。プロバイダは、Internet Service Provider(インターネット接続業者)とも呼ばれます。例えば、OCN・Biglobe・DTI・So-netなどのプロバイダがありますが、これらのプロバイダと契約すると、通常、月2,000円程度のコストがかかります。その上、電話代は別途かかることから、日本人の間でインターネットがなかなか普及しない原因の一つとも考えられていました。しかし、ここに来て、画期的な無料サービスが誕生しました。それは、無料インターネットサービスプロバイダです。 これらのプロバイダは、主に、 1997年末、日本ではアスキーインターネットフリーウェイという、日本初の本格的無料プロバイダがサービスを停止しました。当時としては画期的な試みでしたが、通信環境・機材ともにまだまだ不十分だった時期であり、そのコストを広告収入のみで賄うというビジネスモデルが否定されたかにも思えました。あれから2年、1999年末から、続々と日本国内でも無料プロバイダがスタートし、現在は一定の地位を確立しつつあります。米国では、無料プロバイダのベンチャー企業がNASDAQに上場していますし、イギリスでは約60%が無料プロバイダを利用しているという調査結果もあります。今回のブームは間違いなく本物でしょう。今後、インターネットの利用環境がますます無料に近づいて行くのは間違いないでしょう。 *ご注意 まず、最初に注意しておきたいのは、幾ら「無料」と言っても電話代はかかるということです。長時間接続した場合は、多額の電話料金が請求される恐れがあります。これらの無料プロバイダの中には、新電電(DDIや日本テレコム等)の電話回線を利用しているところがあります。その場合、NTTの各種割引サービス(テレホーダイ・タイムプラス)などが利用できないことがありますので、事前に必ず確認するようにしましょう。 |
★★★livedoor
- http://www.livedoor.com/
名実共に国内No.1の座に君臨している無料プロバイダ。アクセス専用ソフトウェア(Win/Mac版)が必要。インターネットに接続している間に、画面上に広告バーと小さなボタン広告が表示されるが、それほど気にならない。無料メールアドレス・HOOPS!と提携した50MBの無料ホームページサービスなどのオプションも充実。Webメール機能・IP接続サービス(フレッツ・ISDN)にも対応。また、自社のサイト内のコンテンツを充実させようと努力しているあたりには好感が持てる。入会手続きは、livedoorのWeb上から専用の接続ソフトをダウンロードし、インストールするか、もしくはコールセンターに電話し、入会用CD-ROMを入手することもできる。このあたりは、初心者にとってはありがたいであろう。幾つかある無料プロバイダの中でも、最も簡単に入会・設定が完了するのがlivedoorである。
アクセスポイントは大都市圏中心で、それ以外の地域の場合、1分10円の全国共通アクセスポイントを使用する。電話回線は主にMCIのものを使用している模様。そのため、テレホーダイはもちろん、タイムプラス等のNTTの各種割引サービスのほとんどがサービス適用外になってしまう場合があるのでご注意を。これらのサービスをお使いの方は注意しよう。(*NTT回線を使っているアクセスポイントもある模様。詳しくは、livedoorにお問い合わせを。)電子メールだけでなく、コールセンターでの電話サポートも受け付けており、初心者にとっては心強い限り。
また、もっとも大事なサービスの継続面だが、現在のところトップシェアを走っている上、ベンチャーキャピタルから数十億円の資金を集めており、財務面での心配は当面ない模様。初心者にお勧めできる優良な無料プロバイダの一つ。上級者の方は……セカンドプロバイダにどうぞ。(2001/03/17)
★ZERO
- http://www.zero.ad.jp/
残念ながら、2001年3月、ZEROは無料プロバイダサービスを事実上廃止し、完全有料化すると発表した。詳しくは、http://www.zero.ad.jp/info/01_f.htmlをご参照ください。
以下のコメントは、2000年9月末時点でのコメントである。(2001/03/17)
「ドコモの10円メール」で有名な旧マスターネットが開始したサービス。何と、7月1日に社名を「ゼロ株式会社」に変更した。ZEROは厳密に言うと、完全に無料のプロバイダではない。年会費500円を支払うと、月150時間まで無料で接続できる。(その後は200円/時間)
また、各種のオプション(必須ではない)を利用する際には月額料金がかかる。その為、登録時には予め3,000円のお金を振り込むか、クレジットカード番号の登録が必要になる。このあたり、抵抗がある方もいらっしゃるかもしれない。また、今時、希望メールアドレス(例:
kossy@***.zero.ad.jp)を利用するために追加料金を払わねばならない、というのはちょっとケチな気がする。(ログインID@***.zero.ad.jpというメールアドレス自体は無料で提供される)
・・・とこれだけ書くと、あまり良くないようにも見えるが、ここにはlivedoorと比べた大きなメリットが幾つかある。
1.
NTT系回線を利用しているので、テレホーダイやタイムプラス等のオプションが利用できる
→他の無料プロバイダはNTT以外の回線を利用している場合が多く、そのため、これらのオプションが利用できないところも多い。
2. 低料金でIP接続サービス(フレッツ・ISDN)に対応している(オプション)
→念のために説明しておくと、IP接続サービスとはNTTが始めたISDNユーザ専用のサービスである。月額4,500円の料金で、予め指定したプロバイダに対してのデータ通信が使い放題になる。つまり、プロバイダに24時間つなぎっぱなしで利用しても、4,500円以上の通話料がかからないというサービスなのである。このサービスに対応しているプロバイダはまだあまり多くない。そのため、低料金でこのIP接続サービスに対応しているZEROは、ヘビーユーザにとってはありがたい限り。
*その後、livedoorもIP接続サービス無料対応を発表した。
3.
接続の際には、普通のプロバイダに接続するのと同様の方法でOK
→接続に特別なソフトウェアが必要ないというのは、上級者にとっては嬉しいだろう。また、特別な広告が画面上に表示されないと言う点もポイント。
ZEROはWeb上のバナー広告及び、ユーザへの広告メール送付などで資金を賄う模様。
運営母体が、NASDAQ
JAPAN上場企業であるという点は安心できる。既に有料プロバイダ(マスターネット)としての経験もあるため、その設備やノウハウを活かせるという点は強い。よって、初心者だけでなく上級者の乗り換え用プロバイダとしても検討の価値があると思う。但し、150時間を越えると従量制課金になるため、テレホタイムにずっとつなぎっぱなしにしてダウンロードばかりしているような方にはお勧めできない。(09/16/00)
★★FreeServe -
http://www.freeserve.ne.jp/
メール専門の無料プロバイダとしてそこそこのシェアを獲得していたMailBankがその前身。FreeServeは、特別な接続ソフトは必要なく、Webも普通にブラウジングできる。完全無料プロバイダである。メールアドレスは無料で提供され、特筆すべき事項として、このメールボックスには、他のプロバイダからもアクセスが可能である。つまり、接続サービスは現在入っているプロバイダを利用し、もう一つサブのメールボックスが欲しい、という方にもお勧めできる。(元々は他の無料プロバイダと同様、他のプロバイダからメールボックスにアクセスすることができなかったが、MailBank時代からのユーザからクレームが殺到したため仕様変更したといういきさつがある)
加入時に、日本テレコムへの加入(無料)が必要。アクセスポイントは大都市圏中心で、それ以外の地域に住んでいる場合は、日本テレコムの全国均一料金アクセスポイントを利用する。そのため、テレホーダイはもちろん、タイムプラス等のNTTの各種割引サービスのほとんどがサービス適用外になってしまう。これらのサービスをお使いの方は注意しよう。PIAFSにも対応。
基本的に、ユーザへの広告メール送付などで資金を賄う模様。また、接続後、最初にWebを見ようとすると広告が強制的に表示される。無料で使うためには我慢しましょう。
自由度は高いが、利用者の声を個人的に聞いたところでは、夜中に回線が混んでいる、などの現象も一部で起こっている模様だ。今までのMailBankのサービス内容や会社規模から考えると、今後ユーザが順調に増加した場合、満足に利用できる状況が続くのかどうか、若干不安がある。そのため、セカンドプロバイダとしては十分だとは思うが、完全な乗り換えや、初めてプロバイダに入る方には、現在のところ、livedoorをお勧めしたい。(2001/03/17)
?Shes.net -
http://www.shes.net/
女性限定プロバイダ。6:00〜22:30までのみでつなぎ放題、かつ完全無料。登録時のチェックは厳しいため、偽名での登録はもちろんできない。(っていうかやっちゃダメですが)
登録時の情報や、アンケートの回答などを元に運営費用を賄う模様。
30箇所を超えるアクセスポイントが準備されているため、多くの方が市内料金で利用できるだろう。結局、市内料金で利用できないと、無料プロバイダを利用するコスト面でのメリットがほとんどなくなってしまうため、これは極めて重要なポイントである。メールアドレス・メール転送サービスも提供される。また、フリーダイヤルのサポート窓口もある。コンピュータに弱い方にとっては心強いだろう。
私は男性のため、このサービスに実際登録することができず、そのため、このレポートはWebサイトなどからの推測で書いている点をご容赦頂きたい。
アスキーとCSKグループが共同運営。運営母体的には問題がないだろう。後は、あなたのライフスタイル次第。仕事から帰ったらもう22時過ぎ……というようなお忙しい方は、このサービスは使いづらいかもしれない。時間制限さえ問題ないのであれば、女性にはお勧めできるサービスであろう。利用者の要望により、利用時間が22:30まで延長された。(07/27/00)
★オーリック
- http://www.auric.co.jp/
ブラウザ起動時の30秒間と、その後15分毎にブラウザ上に広告が表示される形式。特別なソフトウェアは必要ない。イメージ的には、「番組の合間にCMが挿入されるテレビ番組を見ているような感覚」とお考え頂ければよろしいのではないか。
アクセスポイントは東京・大阪・京都となっており、その他の地域からはKDDIの全国一律料金(1分9〜10円)のアクセスポイントを利用することになる。
決して悪いサービスではないのだが、メールアドレスを取得するのに年間2,000円もかかってしまう点が難。インターネットを利用するにあたって、メールアドレスは必要不可欠なもの。それが有料なのでは、無料プロバイダとしては不十分と言わざるを得ない。しかし、日本では早い時期から無料プロバイダサービスを提供していたという点は評価できる。
尚、オーリックは読売新聞社に自社サービスをOEM提供しているが、こちらの方がお勧め。(詳しくは以下を参照)(09/15/00)
★FreeCom - http://www.freecom.ne.jp/
各種無料サービスを提供する、トライネット系の無料プロバイダ。接続に特別なソフトは必要なし。但し、Webを閲覧している際に、閲覧中のページに自動的にバナー広告が挿入される。ホームページは50MB・CGIも使用可能。メールアカウントの容量は10MB・Web上からもメールの閲覧可能。・アクセスポイントも多数、と一見すると非常に良いサービスなのだが・・・・・・。
FreeCom独自のシステムである、閲覧中のページに自動的にバナー広告が挿入されるシステムにかなり難あり。はっきり言って、広告が邪魔なのです。私は、これだけで使う気がなくなりました。
全体的に、敢えてFreeComを利用するメリットを感じないのは私だけでしょうか・・・。(09/15/00)
Valuenet - http://www.valuenet.ne.jp/
独自の接続用ソフトウェアが必要。「ぷらら」と提携しているため、アクセスポイントは200箇所以上を誇る。無料メールアカウント・50MBの無料ホームページサービスなどを提供する予定だったが・・・。
でも、いつのまにか「無料会員の募集は終了させていただいております」の表示が・・・・・・。
みなさん、こういうプロバイダを選ばないようにしましょうね。(笑)
(09/15/00)
★★フリージャパン
- http://www.freejpn.com/
専用の接続用ソフトを利用する。メールボックスの容量は10MBまで、というのはGOOD。また、Webメールにも対応。無料ホームページサービスにも対応予定。
電話サポートも夜10時まで対応しているなど、頑張っている感じがするのですが、接続用ソフトなどの出来はlivedoorの方が良い感じがします。決して悪くはないサービスなのですが、他のサービスと比べて、コレと言った優位点がないのも事実です。(09/15/00)
なぜはらうドットコム - http://www.nazeharau.com/
2000年秋開業予定だった無料プロバイダ。でも、ある日突然Webサイトが消えていました・・・・・・。会員10万人募集、ということだったので、私も申込したのですが・・・。うーむ、Webサイトも怪しい会社でしたが、最後まで謎のままでしたね。
(09/15/00)
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