犯罪者でも愛国

文化財窃盗団−日本相手なら窃盗犯も愛国者?

「愛国者?」 日本の寺院から文化財盗んだ窃盗団逮捕

 愛国者なのか、単なる窃盗犯なのか。

 日本の寺院から高麗時代の仏画を盗み、国内に搬入した疑いで検察に逮捕された「日本遠征文化財窃盗団」の性格が曖昧模糊としている。

 霊媒師のキム某(55/拘束起訴)被告は98年6月、日本の寺院が所有している文化財を盗むために玄界灘を渡った。ある歴史の本で韓国の文化財が略奪され、日本各地の寺院に所蔵されているという箇所を読み、それらの文化財を取り戻す決心をしたという。

 キム被告は仕事仲間のファン某(拘束起訴)被告と共に、観光客のふりをして事前に下調べをするなど緻密な準備をした後、鶴林寺、叡福寺、隣松寺から高麗仏画を含む各種の古書画を盗んだ。

 キム被告らが98年から2002年までに盗んだ文化財は、日本の重要文化財に指定されている高麗仏画の阿弥陀三尊像の掛け軸1幅など古書画47点で、鑑定価格は総額35億ウォンにおよぶ。

 日本の警察が韓国に捜査の協力を依頼し、ソウル中央地検刑事4部が3か月間の捜査を実施した結果、韓国に来ていたキム被告らを逮捕した。

 検察に逮捕された後、キム被告は「日本に略奪された文化財を取り戻してきただけなのに、何が問題なのか」と抗弁した。

 検察は「犯人らは盗んだ文化財のほとんどを現地で売さばこうとして摘発されており、国内に持ち込んだのは阿弥陀三尊像、観経曼荼羅図など5点にしかならないと推定される」と説明した。

 このうち、鑑定価格が10億ウォンの阿彌陀三尊像は国内の骨董品中間商に1億1000万ウォンで売れた後、数回の取り引きが行われ、現在は行方が分からない状態だという。

 検察関係者は「日本側は韓国に搬入された文化財を回収したいという意向を示したが、現在の占有者が正常な品物だと思い、適当な価格で中間商から購入したことが確認されれば、民法上、日本に返す義務はない」とした。

 鮮やかな色彩と仕組みのある構図で東アジアの美術史において高い芸術的価値を認められている高麗仏画は、現在まで公開された130点余のうち13点だけが国内に残っており、実に106点が日本の寺院に、17点が欧州や米国にそれぞれ所蔵されている。

ホ・ギョンオプ記者 hok@chosun.com


朝鮮日報 2004/10/13 20:08 より

日本奪われた高麗仏画の「数奇な帰郷」 韓国で窃盗男起訴

日本の有名な寺を歩き回って、高価な高麗仏画を始めとする日本の重要文化財47点を盗んだ一党が検察に検挙された。
ソウル中央地検刑事4部(李鴻勳部長)は兵庫県の鶴林寺の宝物館に保管されていた時価10億ウォン相当の高麗仏画阿弥陀三尊像などを盗んだ容疑(特殊窃盗)で、13日、金容疑者(55)とファン容疑者(53)を拘束起訴した。

2人が盗んだ古書画は、大半が日本の国家指定重要文化財や県または市指定の重要文化財で、時価総額が約31億ウォンにのぼる。

▲捜査結果〓金容疑者らは、日本に不法滞在していた金容疑者の弟(48、日本で拘束起訴され裁判中)と共謀して、98年と01年、02年の3度に渡って犯行を行なった。

犯行の対象になった寺は、鶴林寺を始め、大阪の叡福寺と愛知県の隣松寺の3ヵ所。検察は、彼らは観光客を装って約10回に渡って下調べを行ない、バールで門をこじ開けたと伝えた。

捜査に乗り出した日本の警察は、昨年3月に金容疑者の弟を検挙し、韓国に逃走した金容疑者らを逮捕するために、6月末に韓国検察に捜査の協力を要請した。

現在検察は、彼らが国内に持ち込んで処分したと供述した阿弥陀三尊像などの古書画5点の所在追跡に力を注いでいる。

▲犯行の動機は歪んだ愛国心?〓金容疑者は検察で、「某大学の教授が書いた高麗仏画関連書籍を読んで、犯行を決心した」と話したという。

現存する高麗仏画の大半が日本に所蔵されており、韓国にはほとんど残っていないという事実を知り、日本が略奪していった文化財を取り戻すことにしたという。しかし検察は、△金容疑者らが盗んだ47点のうち5点だけが高麗仏画と推定され、(そのうち2点は確認済み)、△金容疑者が阿弥陀三尊像を時価の10分の1の水準である1億1000万ウォンで国内の骨董品商に売り、△日本でも盗んだ古書画の一部を処分して金を手に入れただけに、金容疑者の主張は言い訳に過ぎないと見ている。

▲阿弥陀三尊像はどこへ〓金容疑者が骨董品商に売った阿弥陀三尊像は、その後数回に渡って持ち主が変わり、現在その行方が分からない状態。国内に搬入された他の古書画の所在もはっきりしない。しかし検察が古書画を捜し出したとしても、日本に返還されるかどうかは分からない。

現在の持ち主が古書画を買った際、盗んだ品物であると知っていた場合には、刑法上蔵物取得罪が適用されて物品は押収され、元の持ち主である日本に帰ることができる。しかし正常な品物と思って古書画取引業者から適切な価格で購入した場合、民法上「善意の取得」に該当し、所有権が保護される。


東亜日報  OCTOBER 13, 2004 23:10 より

日本略奪の文化財、韓国人が盗んで国内搬入

壬辰倭乱(文禄の役)、植民地時代に日本が略奪した「阿弥陀三尊像」など文化財的価値が高い高麗時代の仏画6点が、窃盗犯によって国内に搬入されていたことが、検察の調査で分かった。

キム氏(55)は00年7月、日本に滞在中だった弟(48)と一緒に、日本兵庫県の鶴林寺に保管されていた鑑定価格1億ウォン(約1000万円)相当の日本国家指定文化財「阿弥陀三尊像」をはじめ、聖徳太子絵伝など文化財8点(鑑定価格17億5000万ウォン相当)を盗んだ。

捜査に入った日本の警察は、レンタカーの使用記録やスピード違反取り締まり記録などを追跡し、キム氏らの犯行であることを確認した。 日本の警察は、キム氏らが98年6月に日本・大阪のある寺から高麗(コリョ)仏画1点など13億2000万ウォン分の掛け軸32点を、01年9月には愛知県のある寺から高麗仏画と推定される「観経曼荼羅図」など4億ウォン相当を盗んだ事実を追加で確認した。

キム氏らは日本文化財のほとんどは日本で売ったが、高麗仏画など韓国産文化財6点は国内に持ち込んで処分したという。ソウル中央地検刑事4部は13日、キム氏らを窃盗などの容疑で拘束、起訴し、文化財の行方を追っている。しかし文化財の保有者が適当な価格で購入したことが確認されれば、民法上の善意の取得に該当し、返還する必要はない。

田珍培(チョン・ジンベ)記者 < allonsy@joongang.co.kr >


中央日報 2004.10.13 21:17 より

 日本の寺から文化財を大量に盗み、そのほとんどを日本で売り払った後、高価な物数点を韓国内に持ち込み処分したそうです。
単なる窃盗犯と思えますが、韓国では違うみたいです。

「日本に略奪された文化財を取り戻してきただけなのに、何が問題なのか」
犯人がこう主張したため、犯罪者と断じたくないみたいです。
日本相手なら、犯罪も正当化されて愛国者になれるのでしょうか。
そもそも、盗んだ物全てが元々朝鮮半島にあった物なのか、いつ、どのような経緯で日本に渡ってきたのか、裏を取っている様子も見られません。

韓国人にとっては、「日本が略奪した」ということは検証なしに正しいみたいです。
そもそも、朝鮮半島の仏教文化は高麗時代に栄え、李氏朝鮮時代には儒教により弾圧されて廃れていたはずです。

「日本が悪い」は、韓国人のアプリオリな知識となっています。