書籍評論/韓国の新聞が注目する本

日本語の起源は韓国語−「あなたは韓国人」

韓日の言語比較の結果、日本語の起源は韓国語

「日本語の起源は韓国語だ!」

韓国と日本の固有語約1300の音を比較した結果をもとに、2つの言語の起源は同じとする本『あなたは韓国人』(精神世界社)がまもなく発売される。 日本人言語学者のシミズキヨシ(63)元オーストリアのウィーン大学教授と九州産業大学の韓国語講師パク・ミョンミ氏の共同著作だ。

2人は恩師と弟子の関係だ。 アフリカ言語研究の権威だったシミズ教授が、30年間の海外生活を終えて94年に熊本大学言語学科の主任教授となった時、パク・ミョンミ氏は大学院に在籍し、韓日の言語の関連性について研究していた。 シミズ教授は、パク氏を指導しながら「日本語の起源探し」に魅了され、02年には教授の職を捨てて研究に没頭した。

彼らは、子音が言語の変遷過程においても変化しにくいことに注目し、2つの言語を比較した。 例えば、韓国語の「ナッ」(nac、顔)と日本語の「懐(なつ)く」(nat−u−ku)を対応させるような手法をとった。

韓国語を「半島韓語」、日本語を「列島韓語」と呼んで「韓語比較言語学」の分野を開拓している2人は、今後『韓日固有語辞典』(約5000の語彙を比較)も編集・出版する計画だ。

「泳大(ぺ・ヨンデ)記者 < balance@joongang.co.kr >


中央日報 2004.09.02 17:09 より

 地理的に近いので韓国語と日本語が同じ起源を持つ可能性はあると思うが、その本のタイトルがなぜ『あなたは韓国人』になるのだろう。
「韓国語と日本語が同じ起源を持つ」と言わずに「日本語の起源は韓国語だ!」 と言うのか。
韓国の、韓民族至上主義の腐臭が感じられる記事。

 内容的には、トンデモ本のようである。
日本語とヘブライ語、日本語と英語、日本語とレプチャ語など語呂合わせで関連性を「発見」して、日本人の起源を「証明」するという、過去に多く用いられた伝統的なトンデモ本の手法を踏襲している。

 なぜ、韓国語の「ナッ」(nac、顔)と日本語の「懐(なつ)く」(nat−u−ku)を対応させるのか?
「ナッ」(nac、顔)に対しては、「カオ」だろう。

 実際のところ、Wikipediaによると日本語の起源は

日本語の起源は明らかでない。朝鮮語は、文法的近似性は認められるが、語彙が大きく異なるため、祖語とは看做されていない。音韻体系や語彙はむしろ、南方系のオーストロネシア語族との近似が認められる。イロイロ、ダンダン、といった重ね言葉、肉体の部分を表す言葉、日常生活の言葉などに顕著である。

となっている。
少なくとも、語彙の比較という手段で、日本語と韓国語が同一の祖語を持つということを証明するのは無理みたい。