【記者手帳】中・日前に崩れ去った「韓国みそ」の夢
8日、西帰浦(ソギポ)ロッテホテルで、韓国政府が提案したコチュジャン(辛しみそ)とテンジャン(韓国みそ)の国際規格案をめぐり、国際食品規格委員会(Codex)の第14回アジア地域調整委員会議が行われた。
その他の国際会議同様、会議場は自国の利益を貫こうとする外交合戦と化していた。
第1犠牲者はテンジャン。予想通り、中国代表は「韓国がまとめた規格案は範囲が狭過ぎる。中国にも大豆を発酵させる食品はたくさんあり、これら全てを含む規格案としてまとめるべきだ」と先手を切った。
その後のテンジャンはまるで袋だたき。ミャンマー、マレーシア、インドネシアなど予想外の国までが「そういうたぐいの食べ物ならうちにもある」と相次いで中国に同調した。
結局、「テンジャン(Doenjang)」という名前では国際的公認は受けられないことを悟らされた韓国政府は、引き下がるほかなかった。
コチュジャンはその他の国に似た食品が少ないという点で出発は順調だった。「コチュジャン」の見慣れないネパールやラオスの代表は「見たことのない食べ物」とし、不思議そうにしていた。
昼食で韓定食(李王朝時代の宮廷料理をルーツとする定食風)とともに出されたコチュジャンを味見してからは、会議を通じ、これといった反論は出なかった。
しかし、日本は違った。自国のコチュジャン製造業者が生産する製品を「コチュジャン(Gochujang)」という名前で販売できるよう、規格を緩和してほしいと粘り強く要求してきた。
一時場外に持ち越しとなった韓日会談は3時間の論争の末、コチュジャンという規格に対する劇的な合意案が持ち上がり、韓国代表は「ついに、コチュジャンがアジアで公認された」と喜んだ。
しかし、しばらく後、委員会事務局は「コチュジャンの規格案には分析方法が掲載されていない」とし、話し合いを2年後に持ち越すことに決めた。
韓国政府代表団は「われわれのミスは認めるが、これまで書類検討を何度も行ってきた事務局が今になってそれを問題視するのはなぜか」と反論した。しかし、委員会の規定を掲げる日本人事務局長の論理には、かなわなかった。
テンジャンとコチュジャンの公認案は中国の力と日本の緻密さを前に、もろくも崩れ去ったのだ。
西帰浦=カン・フン社会部記者
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朝鮮日報 2004/09/10 14:18 より |