朝鮮戦争は日本が起こした?

朝鮮日報 社説 2003.06.24(火) 20:01

「6.25」その当時と今日のわれわれ

 韓国戦争の勃発から53周年となる。いくら悲惨な歴史であっても歳月に色あせ風に削られ、最後は忘却の世界へ消え去るというが、韓国戦争だけは決して忘れられてはならない。

 今、韓国社会は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発という絶体絶命の危機に瀕していながらも、漠然とした「平和論」から目覚めていない。戦争防止のため断固たる措置を取り上げること自体を「民族対決」だの「冷戦的思考」だのと批判する風潮さえ蔓延している。

 的確な状況把握もせず、もっぱら平和だけを叫ぶことで戦争を防ぐことができるなら、53年前の戦争は最初から起きなかったはずだ。

 このような社会風潮の中、小学生の10%以上が「韓国戦争は日本が起こした戦争」と答えたという、ある現職教師の調査結果は、われわれが次の世代に歴史の真実を教える努力をどれほど怠ったかを見せ付ける証拠にほかならない。

 歴史を忘れた民族に、歴史は悲劇の繰り返しという罰を下す。

 韓国戦争に対する認識と教訓がこのように色あせていくことが、自然な風化現象なのかも疑問だ。

 一時、戦争勃発の責任が米国と韓国にあるといった「修正主義」が流行ったが、歴史的な実証資料により光を失った。しかし、当時それを主張した人々の「告解」は今だ聞こえてこない。

 北朝鮮に関する認識を現実的なものにするのは時代的な要求である。戦争の「怨恨」として北朝鮮を見てはならない。

 しかし民族和解という名のもと、北朝鮮政権への批判を無条件タブー視したり、いわゆる「内在的アプローチ」という名で北朝鮮を「北朝鮮式」に考える観点ばかりを固執するのは、決して真の和解に向かう道とは言えない。

 何より大統領をはじめとする政治指導者が国と民族の正当性に対する確固たる信念を持って冷徹な現実認識で南北関係を扱うのが、韓国戦争の教訓を生かすことになるだろう。