反米感情

【噴水台】反米感情

中央日報 2004.10.06 20:43

 ドルが引き潮のように流出した1997年の11月と12月。最悪のシナリオが現実に迫っていた。年末の予想ドル保有高はマイナス6億〜9億ドル。四面楚歌、お手上げ状態だった。手を出して金品を要求できる国は米国と日本だけだった。金泳三(キム・ヨンサム)大統領と金大中(キム・デジュン)次期大統領は、米国の処置のみ望むという苦しい立場だった。

姜慶植(カン・キョンシック)経済副総理は、11月16日にカムドゥシュ総裁と国際通貨基金の信託統治を受けることで合意した後にも、日本の大蔵大臣(18日)→米国財務長官(19日)との相次ぐ電話接触で、「大韓民国を助けてほしい」と哀願した。

クリスマスイブにプレゼントとして受けた「100億ドル支援早期執行」約束も、その2日前に金大中次期大統領がソウルに来た米財務次官の面接試験を通過して可能になった。毎日満期が到来する国内銀行の外債期限の延長は、国家不渡りと直結する厳しいものだった。米国が先進7カ国の政府に協調を依頼した。これら政府が自国銀行に「不渡りを出さないこと」を窓口指導したことで、韓国の経済生命は一日単位で延命できた。

そして歳月が流れ、今日に至った。

中央日報の調査で、革命の時代を生きたという386世代(36〜45歳)と感覚の世代というポスト386世代(20〜35歳)が、周辺5カ国のうち米国と日本を最も嫌う国に選んだのは残念だ。386世代の場合、米国が過去、韓国の独裁政権を庇護したという幼い頃の思い込みが、反米感情の出発点であるはずだ。ポスト386世代は、女子中学生死亡事件からイラク戦争に続く米国の帝国主義的指向が嫌なのかもしれない。

しかし世事に単色はない。国同士の関係も矛盾するが、どうしようもなくいろいろな要素が絡まっているモザイクのようだ。米国は韓国に嫌悪を与えることもしたが、有り難いことも数多くしている。386とポスト386世代の記憶に新しい通貨危機克服過程がその事例だ。有り難く思う必要があるかという見解もあるだろうが、米国の支援で国家不渡りという最悪の状況を免れた事実は否認できない。

一つの憎いことに執着し、他の良い面まで認めない態度は非現実的だ。一貫性が少し欠けてもいいのではないか。複雑な世の中に対する透徹な現実認識こそが、不確実性の世界をかき分けて進む美徳ではないかと思う。

全栄基(チョン・ヨンギ)政治部次長 < chunyg@joongang.co.kr >