「賄賂はこう受け取るんだ」

朝鮮日報 2004/02/25 20:09

「賄賂はこう受け取るんだ」

 慶尚(キョンサン)北道・尚州(サンジュ)市のある局長が部下との会食の席で建設業者から1000万ウォン台の現金の入ったショッピングバックを堂々と受け取り拘束された。賄賂(わいろ)を渡した人物が「こんなところを見せていいのか」と当惑すると、その局長は「うちの職員は大丈夫」と平然としていたという。

 上司が堂々と賄賂を受け取る見本を見せているようでは、その部下を見るまでもない。係長1人が賄賂の入ったショッピングバックを運ぶと名乗り出ただけでなく、ほかの職員も当然それぞれ賄賂を受け取ろうと動き出した。

 このような公務員らが行っている市の行政がどのように進められているかは聞く方が間抜けというものだ。監督者に賄賂を渡した建設業者が橋を建設するとすれば、規定通りの鉄筋とコンクリートを使用するはずはなく、このような橋が夏の洪水で崩壊するのは時間の問題だ。公務員が賄賂と交換したのは市民の貴重な生命と財産なのだ。

 これは何も尚州市の公務員だけに限られたことではない。数カ月前は蔚山(ウルサン)の6級公務員が3年間ほとんど毎日「日収」を得るように業者から賄賂を受け取り拘束されている。公務員と業者が結託し、賄賂を受け取った公務員は上納構造によって賄賂の一部を上司に渡し、団体長は団体長で更に大きな“自分の取り分”を確保しているのがこれまで我々が見てきた実情だ。

 もし「きれいな社会にしたい」という覚悟が本当にあるならば、その出発は我々が生きるこの社会をありのまま受け止めることから始めなければならない。それが韓国の水準、公務員の水準、国民の水準だという切々たる認識の上で、壊すものは壊し、再建の新しいシャベルを取るほかない。

 中央では数百億、数千億ウォン規模の不法資金が取り引きされ、中央舞台の裏では大小の日常的な不正と不法が繰り返されているとすれば、そのような国がいつか音もなく崩れ落ちたとしても誰も不思議に思わないだろう。