看護婦として採用した記録が従軍慰安婦の証拠

朝鮮日報  2005/01/11 20:23

元日本軍慰安婦・金福童さんの実名記録が発見

 生存する日本軍従軍慰安婦被害者の実名記録が初めて発見された。

 韓国挺身隊研究所のカン・ジョンスク研究員は国家記録院の軍人軍属資料を調査途中、従軍慰安婦被害者の金福童(キム・ボクドン)さん(79)の実名記録を発見したと11日、明らかにした。

 名簿に記載されている金さんの本籍や生年月日などの内容が挺身隊研究所が1997年に発行した『強制連行された朝鮮人軍慰安婦たちの証言2集』に収録された金さんの証言と一致するという。

 今回発見された軍属名簿は、1947年9月に作成されたもので、「第16軍司令部同直轄部隊朝鮮人留守名簿第4課南方班」と書かれている。

 この記録によれば、1945年8月31日、当時19歳だった金さんが南方軍第10陸軍病院の軍属の中で最も低い職級にあたる「傭人」として採用されたとされている。金さんは97年の「証言集」で「15歳で連れて行かれ中国の広東、マレーシア、インドネシア、シンガポールで日本軍の慰安婦として生活した」と明らかにしている。

 カン研究員は「戦争が終わった時点で朝鮮人女性を看護婦として雇ったことは日本軍の慰安婦制度を隠蔽、または最後まで朝鮮の女性労動力を収奪しようとした日帝の意図と解釈することができる」と主張した。

 同研究員はまた「軍属名簿には金さん以外にも299人の朝鮮人女性の名前が残っており、国に慰安婦被害者として登録していない実際の被害女性がかなり多数いるものと見られる」と推定した。

 同研究所のイ・ソンスク所長は「新年に入っただけでもキム・サンヒさん、キム・ブンソンさんが亡くなるなど、日本軍の慰安婦被害女性が相次いでこの世を去っており、この資料の持つ価値はそれだけに大きい」と話した。

 韓国政府に登録されている日本軍の慰安婦被害女性は合計215人で、これまでに88人が亡くなった。

 韓国挺身隊問題対策協議会などが日本軍慰安婦に対する日本政府の公式謝罪と賠償を要求している中、この記録は日本軍の慰安婦制度を否認する日本右翼の主張を反駁し、日本政府の責任と賠償の義務を問う重要な根拠になると見られる。

キム・ユンドク記者 sion@chosun.com