”親日”教授 学問の自由を侵す圧力によって辞職

朝鮮日報 2005/03/07 07:12

韓昇助氏が高麗大学名誉教授職を辞任

 日本の月刊誌『正論』に「日本の韓国支配は不幸中の幸い」と寄稿した韓昇助(ハン・スンジョ/75)教授が6日、本社に電子メールを送り、「寄稿した文に適切でない単語と表現を使い、社会的物議をかもしたことを心から謝罪する」と明らかにした。

 韓教授は「これに対する責任を深く痛感し、高麗大学名誉教授職を辞任し、今後すべての対外活動を慎む」とした。

 韓教授の側近は「韓教授が数日間悩んだあげく、高麗大学名誉教授職の辞任と自由市民連帯共同代表職の辞任を決心した」と述べた。

 これに対し、高麗大学関係者は「学教側も韓教授の辞任意向を受け入れることにしたと聞いている」とした。

キム・ジョンフン記者 runto@chosun.com
申知恩(シン・ジウン)記者 ifyouare@chosun.com

朝鮮日報 2005/03/06 19:13

韓昇助氏の「親日寄稿」波紋が際限なく拡大

 日本の月刊誌『正論』に「日本の韓国支配は不幸中の幸い」と寄稿した韓昇助(ハン・スンジョ/75)高麗(コリョ)大学名誉教授が自由市民連隊の共同代表職を辞任した。

 しかし青年会員で構成された自由市民連隊・非常対策委員会が6日、韓教授の会員資格の剥奪と指導部の共同辞任を求め、波紋が広がっている。

 自由市民連隊は2000年、憲法を考える弁護士の集い、大韓参戦団体連合会、建国会など、43の市民・社会団体が集まって結成した市民団体だ。

 趙南鉉(チョ・ナムヒョン)自由市民連隊スポークスマンをはじめとした非常対策委員会の委員らはこの日記者会見を開き、「いくら自由民主国家といえども、国と民族を抑圧した日本の植民地支配を美化する自由まで保障することはできない」とし、「微温的な態度に一貫した指導部は共に辞任し、韓教授の共同代表職はもちろん、会員資格も剥奪すべき」と主張した。

 また、「今回の事態を機に、これまで共産主義ないしは左派の対抗勢力にとどまっていた右派陣営の主要団体の中から世代交代が行われるべき」と主張した。

 非常対策委員会が共に辞任を要求した指導部は、??圭(イム・クァンギュ)弁護士、金漢應(キム・ハンウン)元韓国金融研修院・副院長、宋貞淑(ソン・ジョンスク)元保健社会部長官、韓洸コ(ハン・クァンドク)予備役少将の4人。

 しかし、??圭代表は、「韓教授が不適切な意見を不適切な時期に不適切な方法で表明したことを知り激憤したが、保守陣営全体の負担になるという理由で韓教授の罪を裁くべきだという後輩らの主張は過激で卑怯」と主張した。

 韓教授が名誉教授をしている高麗大学も大学のホームページにポップアップ告知を出し、「寄稿内容は大学側の立場とは違う」と釈明した。また、韓教授の名誉教授としての今後の立場に関する見当作業を始めた。

 韓教授波紋が拡大するにつれ、高麗大学のインターネット掲示板には「韓教授のせいで、これまで高麗大学が積み重ねてきた“民族大学”のイメージが壊れてしまうかもしれない」、「大学は韓教授の名誉教授職を即刻剥奪すべき」という卒業生の書き込みが相次いでいる。

キム・ジョンフン記者 シン・ジウン記者>runto@chosun.com
シン・ジウン記者 >ifyouare@chosun.com

朝鮮日報 2005/03/04 19:19

「日本の植民支配は不幸中の幸い」 韓国教授の論文が論議に

 韓昇助(ハン・スンジョ/75)高麗(コリョ)大学名誉教授が日本の雑誌に寄稿した原稿で「日本による韓国支配は不幸中の幸い」と主張し、議論を呼んでいる。

 韓名誉教授は右寄りの産経新聞が発行する月刊「正論」4月号に「共産主義・左派思想に根差す親日派断罪の愚 韓日合併を再評価せよ」と題した論文を掲載した。

 韓教授はこの論文で、「大韓帝国の滅亡と韓日合併はあまりにも韓国民には不幸なことだったが、不幸中の幸いだった」とし、1930年代、韓国人をシベリアと中央アジアの辺境に移住させ、農民虐殺に走ったロシアに合併されていたら、3.1独立運動といった事件の際、遥かに大きな被害が出たはずと主張した。

 また、「韓国の民族文化が日程植民当地の時期を通してより成長しており、韓国の歴史や語学、文学など韓国学研究の基礎を打ち立ててくれたのは、むしろ日本人学者と彼らの韓国人弟子だった」とし、「韓国でハングル教育を廃止したのは37年からであり、太平洋戦争が終わった後、韓国語文学が大きな損失を被ることはなかった」と主張した。

 韓教授は「韓国人は日本人に対し、負けまいとする競争意識をもっている。このため日本の植民地支配が韓国人の成長、発展意欲を大きく刺激した」と付け加えた。

 韓名誉教授は高麗大学・政治外交学科教授として在職し、引退しており、現在「自由市民連帯」という団体の共同代表を務めている。

 一方、「日帝の手先並みの寄稿」などというネチズンの非難が殺到すると、韓名誉教授が共同代表を務めている自由市民連帯は、同日ホームページに謝罪文を掲載し、「日帝の植民地支配が正当で、慰安婦強制動員が大したものではないという韓氏の主張に憤りを覚える」と述べた。

 韓名誉教授は物議にもかかわらず、「日本が支配しなければ、ロシアが支配していただろうし、日本の植民支配は返って民族意識を強化させる機になった」とし、主張を曲げなかった。

東京=崔洽(チェ・フプ)記者 >pot@chosun.com

中央日報 2005.03.04 20:55

<インタビュー>韓昇助氏「所信を書いた、後悔は全くない」

 韓昇助(ハン・スンジョ)高麗(コリョ)大名誉教授は4日、「日本の植民支配はむしろ民族意識が強化されるきっかけになった」と述べ、寄稿は所信を書いたものだと明らかにした。

 −−「正論」寄稿のきっかけは。

 「最近、真相究明などと言いながら親日行為をした人たちを反民族行為だと責めたてているが、それは当時の状況に対する無知から出てきたものだ。 親日を無条件に反民族行為とすることに意見を表明すべきだという考えで寄稿した。 崔南善(チェ・ナムソン)先生、李光洙(イ・クァンス)先生のように民族文化のために努力した方をもっと理解しなければならないという意味だ」

 −−日本の植民地支配は幸いだったと書いているが。

 「当時、日本が朝鮮を併呑していなければ、ロシアが併呑していた。 この場合、むしろ共産化され、スターリンの民族分散政策で韓民族はばらばらに散らばったはずだ。 したがって日本の植民支配は悪かったのではなく、民族意識を強化するきっかけになったと考えた」

 −−とはいえ、国民感情を考慮していないのでは。

 「冷静に、公正に、客観的に評価しよう。 帝国主義時代は生存競争と弱肉強食の時代だ。 当時の日本も‘弱肉’よりも‘強食’を望んだ」

 −−「反民族行為真相究明に関する特別法」を左派の論理が入った悪法だと評価しているが。

 「最近の左派の行動はとうてい理解できない。 寄稿文を書いたのもこれに反対したためだ。 過去をただすのをやめようというのではなく、ただしてもそれを通じて反省することに意味を置かなければならない。 世論集め式の人民裁判は国を滅ぼす亡国の道だ」

 −−寄稿に後悔はないか。

 「少しも恥ずべきことはない。 ハングルで送った文が日本語に翻訳されたはずだが、ハングルの全文を読んでほしい。 所信に基づいて書いたものであり、むしろこの問題が公論化されることを望む」

朝鮮日報 2005/03/11 10:30

高麗大総学生会、「親日教授リスト」を今月末に公開へ
韓昇助名誉教授
 

 高麗(コリョ)大学総学生会は11日、同大学の韓昇助(ハン・スンジョ)名誉教授の日本による植民地時代を合理化する寄稿文騒動と関連し、民族問題研究所などの団体と合同で親日行跡が明らかな前・現職教授リストを今月末に公開する予定だと述べた。

 同大学総学生会が計画通り「親日教授」リストを公開すれば、同大学はもちろん、学界にも大きな波紋を引き起こす見通しだ。

 同大学生会は14日から高麗大学内の前・現職教授をはじめ、教職員など親日人物に対する告発を受け付け、親日教授たちの行跡を調査後、今月28日頃に親日人士リストとその親日活動内容を発表する計画だ。

 同学生会の関係者は、「私たちが親日残滓生産に乗り出したのは、韓名誉教授の波紋があったにもかかわらず、大学側が『個人の所信に関する問題で、大学が介入する問題ではない』という立場を明かしたことに大きく失望したため」と説明している。

 同学生会側は、「韓名誉教授の波紋をきっかけに大学内の日帝残滓を綿密に暴き、歪曲された過去の歴史を正そうという意味」とし、「大学の歴史を正しく建て直し、『第2の韓昇助』が出ないようにしたい」としている。


 国民・マスコミが自発的に、表現の自由、学問の自由を圧殺している。
韓国は、ファシズム国家か?