野呂理
時々、我々は不思議に思うことがあります。これだけ相手のことを
考えて、相手のために言ってあげているのに、行動してあげている
のに、何故、相手は理解してくれないのだろうかと。人には、それ
ぞれ親切を受容できる量に限度というものがあり、その人の中の常
識や、疑いの心がその量を制限しているのです。たとえそれが最も
効率的で無駄の無いやり方であったとしても、その人のレベルでは
それが理解できないか、または、プライドがそれを許さないかなの
です。そして、すべての人が親切をそのまま受け入れることができ
るほど素直ではないのです。相手の親切を受け入れることのできる
量に従って、我々は行動を変える必要があるのだと思います。
あなたはいま、幸せですか?何かが手に入れば?誰かがずっと側に
いれば?幸せになれると思いますか?独身なら素敵な人と結婚して
幸せになりたいですか?そう思うなら、少し考えてみてください。
あなたは、その物、人に依存しているかも知れません。それは自立
していないことを意味します。幸せとは、自立したもの同士がお互
いに影響を与え合う中に生まれるものだと思います。人は何かを得
ることによって幸せになるわけではないのです。幸せとは心の状態
です。自分を幸せにできるのは常に自分自身なのです。
人は話しをするとき、あるいは人の話しを聞くとき、相手の声を聞
いているつもりでいますが、多くの場合、聞いているのは自分の声
です。「また、つまらないことを言っているなぁ」「もう、その話
しは聞き飽きたよ」「まぁ、適当に聞き流しておけばいいや」「ど
うして、この人はこんなレベルの低い話しかできないんだろう」「
こんなことを言うのは、いったい何を企んでいるのだろう?」「次
には何を言い返してやろう?」「ここで何を言えば、自分にうまく
話しが進むだろうか?」そんな、自分の声を聞いている間は、相手
の言いたいことは理解できないのかも知れません。自分の気持ちを
空にして、相手の波長に同調すること、ただ純粋に感じること、そ
んなことも大切だと思うのです。