Album Number | ||||||
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1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | ||
6th | 7th | 8th | 9th | 10th |
DiscographyIron Maiden。 NWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)の代表的バンドとして挙げられる、 British HM界でも老舗的バンドである。 バンドの歴史は1972年に溯る。 Steve Harris(B)が、「Gypsy's Kiss」と言うバンドを組んだのをきっかけに、 1975年にSteve(B/Vo)を中心として、Paul Day(Vo)、Dave Sullivan(G)、Terry Rance(G)、Ron Matthews(Dr)の 5人で結成される。 だが、この5人でレコーディングされる事は無く、Steve(B)、Paul Di'anno(Vo)、Dave Murray(G)、Dennis Stratton(G)、Clive Burr(Dr) というレコーディング メンバーのLine Upが固まるのは1980年の事である。 余談だが、デヴュー前に、さるレコード会社からデヴューのオファーがあり、喜んで出かけたSteveは、その髪を切る事が デヴューの条件だと言われた時、それを断固として断ったと言うエピソードがある。 Steve達5人は、1980に”Iron Maiden”名義で待望の1st Album 「Iron Maiden」を発表する。 だが、記念すべき1st Albumをリリース後、活動を開始した彼に、いきなり初のメンバーチェンジを強いられる。 GuitaristであるDenis Strattonが脱退したのである。 後任Guitaristを探していた彼らは、Adrian Smithと言う青年に出会う事になる。 そして、AdrianをDenisの後任として加入させた彼らは、2nd Album「Killers」を1981年に発表。 ここで、Adrianは、”Denisの後任Guitarist”と言う肩書きでは無く、”Iron MaidenのNew Guitarist”として、 2nd Albumに多大なインプットをし、彼の素晴らしい実力をファンに見せ付けたのである。 そのQuality高い2枚のAlbumで知名度が上がってきた彼らだったが、またしてもメンバーチェンジ問題がバンド内に発生。 今度は、バンドの顔とも言うべきVocalist、Paul D'iannoが脱退してしまったのである。 再び彼らは、後任メンバーの選出を行わねばならない立場に追い込まれた。 そして、そこに現れたのが、Bruce Dickinsonだった。 BruceをSingerとして迎えた彼らは、心機一転して、名作と名高い3rd Album、「The Number of The Beast」をリリース。 このAlbumは、今までにもましてQuality高い楽曲を掲げ、Bruceの幅広いVocal Style、”バンド”として円熟したIron Maidenを 存分に発揮したAlbumとなった。 だがしかし、ここでも彼らは不運に見舞われる。 Drummerである、Clive Burrの脱退である。 立て続けにメンバーが脱退してしまうMaidenを支え続け、後任としてNicko MacBrainを加入させたSteveは、1983年に4th Album、 「Piece of Mind」をリリース。 Iron Maidenの健在ぶりを世に示した。 その後は、あれだけSteveを悩ませたメンバーチェンジも起こらず、安定した実力を備えたメンバーのサポートを受け、 1984年に5th Album、「Powerslave」をリリース、1986年には6th 「Somewhere In Time」をリリース。 間に「Live After Death」のAlbum TitleでLive Albumもリリースし、全てのAlbumにおいて素晴らしい楽曲の数々を世に送り、 バンドは順調に活動していった。 だが1988年に名作、「Seventh Son of A Seventh Son」をリリースした彼らに、再び悪夢が襲い掛かった。 今まで、多大なインプットをMaidenのAlbumに行い、安定した実力を発揮していたGuitarist、Adrian Smithが、 Maidenとの音楽性の相違を理由に脱退してしまったのだ。 後任としてのGuitaristを探した彼らは、、元Ian Gillan Bandに在籍していたJanick Garsを加入させた。 だが、Adrianの抜けた穴をうめる為に多少の年月が必要だった彼らは、前作「Seventh Son of A Seventh Son」をリリースした後、 次作「No Prayer For The Dying」をリリースするのに、相当の期間を掛けなくてはならなかった。 そして、Janickもバンド内の雰囲気に馴れはじめた1992年には、9th Album「Fear of The Dark」をリリース。 このAlbumでは、Janickも多くの素晴らしいインプットをAlbumに加えている。 だが、再び歯車は狂い出し、またしても1人のメンバーがバンドを去る事になる。 そう、Paul D'iannoの後任としていままでバンドの顔となっていたBruce Dickinsonが、Adrianと同じ理由により、 バンドを去ったのだ。 そして、Steveは多くのVocalistのオーディションを行い、元WolfsbaneのBraze Bairyに白羽の矢を立て、記念すべき10作目に当たるAlbum、 「X-Factor」を1994年にリリースした。 そして、英国の新たな波は、新たな姿で世界を飲み込む。 〜 Iron Maiden Album Review 〜
記念すべき彼らのデヴュー作。 その楽曲群は、当時にして斬新なヘヴィさに溢れ、Iron Maidenと言うバンドの素晴らしき将来を感じさせる出来となっている。 ただ、流石に若干楽曲には粗さが目立ち、多少雑多な感覚を覚えるのは致し方有るまい。 だが、発売当時にしてこのQualityは素晴らしいのでは無いだろうか。 Steveが中心になっていただけあって、このAlbumより数枚のAlbumはOpeningとEndingはHarrisのペンによる楽曲が配置されている。 勿論、このAlbumのバンド名を冠したLast Song、「Iron Maiden」もHarrisのペンによるものである。 Harrisの独作の楽曲が多く、まだまだ”バンド”としての成熟味は薄く、キャッチーさにもやや欠けるが、 聴けば聴くほど味が出てくるその楽曲群は、中々止められないような魅力を醸し出している。 Maidenの昔からのファンは、まずこのAlbumをベストと言う人が多いのも解る。 それは正に、この聴けば聴くほど味が出るAlbum内容による物ではないかと、筆者は感じている。
Paul Di'anno在籍、最後のAlbumであり、Adrian Smithが参加しての初のAlbum。 こういったメンバーチェンジによる波紋のせいか、やや纏まりに欠けるAlbumと言う感じがするのは否めないが、 1曲1曲は中々優れた曲が入っている。 しかし、あえて言わせて頂けるのならば、1stの延長線上にあるAlbumと言えるので、1stで見られた斬新さは、さすがに薄れてしまっている。 Albumの感じとすれば、楽曲自体はキャッチーでは無いが構成的に優れた曲が多く、「Album全体」として聴くよりは、1曲1曲、単曲として聴くのが良いのではないだろうか? 締まった感じのする曲調の楽曲が多く、緩急と言う点については乏しいかもしれないが、逆に雰囲気的には安定してるとも言える。 メンバーについては、Adrianは加入したての為か、まだ楽曲自体への貢献度こそ低いものの、そのPlayにおいては実力を発揮しつつある。 やはり1stと同じようにHarrisのペンによる楽曲が多く、他メンバーの楽曲が少ないと言う理由において、「バンド」としてもまだ未成熟さを窺わせるが、その分、押し切るようなパワーがある。 昔からのMaiden Fanには結構受けが良いAlbumで、「古きMaiden」を感じさせてくれる。 しかしそれは、逆に言えば新しいAlbumから入ったMaiden Fanには受けが悪いAlbumと言える。 その理由としては、キャッチーさに欠けるAlbumと言う事では無いかと、個人的には思う。 だがそれは、決して駄作なAlbumと言うわけでは無く、最初はとっつき憎いが、じわじわと良さが分かってくるAlbumと言う事だ。 もう1つの理由としては、BruceのVocalに馴れたFanにとっては、Bruceに比べて荒いVocal StyleのPaulに違和感を感じると言うのがあるのではないかと想像する。 以上の理由において、後期Maidenから入ったFanには、最初は受け入れにくいAlbumかもしれない。 しかし、馴れればこれは中々に素晴らしいAlbumだと思うので、 私としては、後期Maidenを征服した後にでも、是非聴いて欲しいAlbumだと思う。
Iron Maidenの名を、イギリス、いや、全世界に轟かせた3rd Album。 そのQualityは、NWOBHMの名の恥じない素晴らしいものとなっている。 このAlbumの素晴らしい点は、個々の楽曲のQualityと、AlbumとしてのQualityが一体になっている点にある。 Album最初の曲である「Invader」から、Iron Maiden”らしさ”全開、と言った感じがある。 だが、何と言っても単曲のQualityでNo.1だと思うのは、Album Tuneにもなった「The Number of The Beast」であろう。 曲の構成、スリリングさ、疾走感、どれを取っても、文句無くこのAlbum No.1のQualityだろうと思われる。 Steve以外のメンバーからのインプットも多く、バンドが「バンド」として固まってきた事を、このAlbum全体が如実に物語っている。 作曲面でのインプットのみならず、演奏面でも個々の個性が十分に発揮されていて、聴いていて非常に面白い。 だが、このAlbumにも欠点とは無縁では無いのが、個人的には残念に思う。 それは、Albumの曲の多くに、イントロにナレーションが入る事だ。 「The Number of The Beast」にしても、イントロに思々しいナレーションが入る。 ナレーションと言うのは、確かにある意味、曲にとって効果的ではあるが、それは単曲としては最も効果的である。 が、Albumの多くの曲にこれが入ってしまうと、全体の疾走感が著しく減殺されてしまう。 この辺が、このAlbumの唯一最大の欠点だと思われる。 |