SKID ROW


Album Number
1st 2nd 3rd Mini

Discography



Skid-Row。 Bon Joviによって見出されたまったくの新人バンドだった。
メンバーはSebastian Bach(Vo)、Dave ”The Snake” Sabo(G)、Scotti Hill(G)、Rachel Bolan(B)、Rob Affuso(Dr)の5人。
彼らは、1989年、彼らの初のAlbum「Skid Row」をBon Jovi経営する「Underground Music」よりデヴューする。(AlbumはAtlanticよりリリース)
捨て曲が1曲も無い、その高いQualityの楽曲に支えられた1st Albumは、何といきなりプラチナムに輝くセールスを上げた。
Bon JoviのGuitarist、Ritchie Samboraは彼らSkidsを指してこう言ってる「Aerosmithのロックンロールに、Judas Priestのへヴィさを足したバンド」と。

この後彼らは、Bon Joviとマネージメントの件で揉めに揉めて「Underground Music」を離れる。
その後、彼らは満を持して2nd Album「Slave To The Grind」を発表。 ツアーも精力的に行ってきた。
だが、1STの出来が良すぎたのか、決して駄作ではないが、本作は1st程のセールスを上げる事は出来なかった。

ここから3rdまでの間、SebastianとDaveの不仲説及び解散説が、ファンの間でまことしやかに囁やかれてきた。
実際、彼らは解散の危機に直面していたらしいが、2人の話し合いの結果、解散は免れている。
そして、Sebastianの口から3rdについて「俺達の自信作だ!」と言う言葉が飛び出した時、 長い沈黙を守ってきた彼らに、ファンは新たなる素晴らしい作品を期待した。

そして1995年、彼らは3rd Album「Subhuman Race」を発表。
だが、ガラリと作風が変わったそのAlbumは、ファンの間で賛否両論を巻き起こした。
楽曲はどちらかと言うとQualityの高い楽曲に支えられた1stと一線を画し、粗削りながらもスピードに乗った重いリフを主体とした楽曲となっていた。

現在、SkidsはSebastianがバンドから外れていると某誌にコメントを寄せ、サイド プロジェクトの「The Last Hard Men」に打ち込んでいる。
愛すべき不良共の集団は、もはや限界に来ているのだろうか?
そのパワーと熱気は、まだ完全に語り尽くされてはいない……。


〜 Skid Row Album Review 〜



「Skid Row」


発表後、いきなりプラチナムのセールスを上げた、彼らの記念すべきデヴュー作。 全ての練り込まれた楽曲の数々は、そのセールスにも全くうなずける。
「Sweet Little Sister」や「Youth Gone Wild」などパワー溢れる疾走感のあるナンバーから、「I Remember You」のような珠玉のバラードまで、捨て曲は全くない。
全体的に、まさに「パワーと熱気」が伝わってきそうなAlbumだ。
特に「Sweet Little Sister」は、私がショックを受けた曲なので、特に思い入れが深い。
この疾走感、Sebastianの豪快なVocal。 DaveとScottiのストレートなリフ、RachelとRobの太いリズム セクション。
まさに「素晴らしい!」の一言に尽きるだろう。
1stでの、Skidsの曲で好きなのを1曲挙げろと言われると、たいていの方々は「Youth Gone Wild」を挙げられるが、 私としては、やはりこちらの方を挙げたい所だ。

次に、Skidsの代表曲「Youth Gone Wild」だが、これは「Sweet Little Sister」と比べて疾走感こそ劣るものの、 楽曲の構成にかけては、やはり代表曲だけあって素晴らしいものがある。
展開が良い、と言うのだろうか。 それはサビ、コーラスの部分等に如実に表れていると思う。
ストレートで、変にヒネり過ぎてないのがこの曲の良い所ではないだろうか? いかにも「Youth Gone Wild!」な彼ららしい曲である。
また、次には疾走感が十分なイントロの「Here I Am」を持ってくる辺りにも、この曲の疾走感の無い所を十分にカヴァーしてる。
この辺りは、構成的に優れている所を見せ付けてくれる所である。

主にDaveとRachelが作曲を担当しているが、Sebastianのセンスも随所に光り、良い意味での粗さを身に付けている。
更に、ライナーにも書かれているように、曲の随所にBon JoviやRitchie Samboraがアドヴァイスした点が見られ、それが楽曲を良い方向に導いている。
素晴らしいQualityの高さと、押し込むような粗さと強さを全体的に撒き散らしている素晴らしいAlbumと言えるだろう。
Skidsの全ては、この1stに凝縮されていると言っても、決して過言ではない。



「Slave To The Grind」


満を持して発表された2nd Album。 楽曲のQualityは前作に比べてやや落ちる感があるが、これは致し方ないだろう。むしろ、1stの出来が良すぎたのだ。
だが、決して駄作ではない。 1曲目の「Monkey Business」こそ、何故この曲が1番目なのか良く解らないが、続く「Slave To The Grind」は、ゴリゴリと押す 骨っぽさを持っていて、ヘヴィで良い曲だ。
荒いソロは、「これでもか!」ってくらいに押してくる。 疾走感も十分だろう。 Studio Takeよりも、むしろLiveで栄える曲であると、個人的には思っている。
前作よりQualityは落ちたかもしれないが、この強さでAlbumはまだ十分に支えられている。
まだSkidsのワルガキ振りは健在だ!

「Quicksand Jesus」も、珠玉とまでは言えないにしろ、中々良く出来た曲で、Albumにメリハリを与えている。
Bonus Truckである「Mudkicker」も、Qualityこそ、そこそこかも知れないが、荒っぽさがまた良い味を出している。
ヘヴィなサウンド自体を楽しむつもりで聴いてみるのが良いだろう。
個人的には、歌詞は悪いが楽曲のざらっとした粗さの「Get The Fxxk Out」が好みだ。飽くまで、”楽曲として”ではあるが……。

他にも「Psycho Love」は、RachelのBassが前面に来ていて、疾走感こそはないが、結構良いQualityを保ってる曲だろう。
これのビデオクリップなんかは、映画「ジョーズ」等で使われた3D映像のエフェクトが使われている点が興味深い。
Sebastianも伸び伸びとパフォーマンスしていて、思わず「ぞくっ!」と来るカッコ良さがある。
ソロのヴァースは、次作の「Subhuman Race」に続く雰囲気があって面白い。



「Subhuman Race」


ファンの間に賛否両論を巻き起こした3rd。
良く言えば、よりへヴィな方向に、悪く言えば粗過ぎる楽曲だ。
だが、練られているとは言えないかもしれないが、その粗さの中にはキラリと輝くフレーズが盛り込まれており、本作品も決して駄作ではない。
私自身も、最初に聴いた時には、「何だぁ?」と思ったが、それに馴れてくると、この粗さがたまらなくなってくる。
個人的には、2曲目の「Firesign」の荒さはたまらない! イントロの辺りで、1曲目の雰囲気をそのまま引きずっている点が気になら無いでもないが、曲としては、 Sebastianの唄い方がうまく、それによって十分にカヴァーされている。
結構、Sebastianの本領が発揮されている曲ではないかと思う。
サビでの良い意味でのタルさは、この曲をおいしいものに仕上げてる。 シェフ、Sebastianの本領発揮と私が思っている所以だ。

そして、前回は”珠玉”と言えるバラードが無かったが、今回は少々粗いながらも「Eileen」は今作での珠玉のバラードではないかと思う。
楽曲内での変化が非常に面白い曲だ。 更に、この曲と前出の「Firesign」とを比べれば、Sebastianは楽曲ごとに声の表情を変えて唄っている事にお気づきになるだろう。
これは、間違いなくSebastianがVocalistとして成熟した事を意味すると思う。
ただ、あえて欠点を言うならば、ソロのヴァース辺りは、少々ヒネり過ぎのきらいが無くもない。
しかし、そんな事も吹き飛ばしてしまうくらい、全体的には良く出来てる曲だと思う。

全体としては、Skidsのワル振りには変化はない。 むしろ、これはあらゆるバンドの言う所の「前進」なのではないだろうか?
確かに、”前に進む”と言う事は、良くも悪くもバンドに変化を与えるものだ。 そして、それぞれ1人1人のファンにとって、 そのバンドの「前進」が自らの肌に合うか合わないかの話だ。 私個人としては、SkidsのイメージとむしろマッチするAlbumなのではないかと思う。
今回の作品は、確かに前2作と違う面を出している。 私としては、歓迎まではしないまでも、この前進は自身の肌に合わないものではないから、 十分に受け入れられる「前進」の仕方だ。



「B-Side Ourselves」


Skidsの5人がそれぞれ好きな曲を持ちよった、5曲入りのMini Album的なカヴァー集。
まずは、Rachelが好きなRamonesの曲「Psycho Therapy」から始まる。この曲のVocalを取るのは、BassのRachelである。
ストレートな原曲の持ち味そのままに生かした曲だ。 伸び伸びと唄うRachelの、歌のうまさを見せ付けてくれる曲である。

次は、なかなか渋い所を持ってきてKissの「C'mon And Love Me」だ。
原曲の持ち味に、Skidsっぽいアレンジが見事に加味されている曲だと思う。
しかし、逆に言えばマイルドな感じに仕上がっていて、Skids独特の粗っぽさが薄くなってるのが残念な所はあるが。

次は個人的には一番好きな曲、Judas Priestの「Delivering The Goods」である。
この曲は、Guest Vocalistとして、JudasのRob本人が呼ばれ、Sebastianと掛け合いで唄ってる点が非常に興味深い。
Video、「Roadkill」での、彼らのパフォーマンスは、「お見事!」の一言に尽きるのではないであろうか?
Skidsっぽいヒネりはあまり加えられていないが、それはRobとSebastianの掛け合いVocalが素晴らしいので、十分だ。

全体的には、なかなかに広範囲に及ぶ彼らの趣味が出ていて、面白いAlbumなのではないかと思われる。
しかし、逆に言えば、Albumとして少々まとまりの無さが気になる所か? だが、カヴァー集なんてモノは、結局まとまりが無くなる事を考えれば、 個人的には十分良いカヴァー集であると思っている。
たった5曲だけの収録なのに少々高い事を除けば、買って損はないAlbumだ。





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