Breaking the Waves |
近年まれに見る、素晴らしい作品。1996年の、デンマークの映画。出演俳優は、英国人が多い。邦題は“奇跡の海”という、ヘボなタイトル。・・・というより、この映画に”奇跡”という言葉は、ストレート過ぎるという気が少しした。 小説みたいに、いくつかの章に分かれていて、その章ごとにファンタジックな風景の静止画と、70年代(?)らしき音楽の間奏が入る。そのお陰で、最後まで自分が映画で描かれている、ある意味狂気な世界を傍観する、只の観客という事を忘れずにすんだ。 小さな田舎の港町が舞台となる物語。新婚早々、事故で不髄となった夫を持つベスは、夫の心遣いで他の男と寝る事を勧められる。閉鎖的な小さな港町で育ったベスにとって、夫以外の男と寝るという事は、自分を傷つける事に他ならない。しかし、べスは自分が傷つく事によって、夫の体が良くなると妄想するようになる・・・。 好き嫌いのはっきり別れる作品だと思うけれど、この映画ではじめて、ベスを演じるエミリー・ワトソンという女優さんを見る事になった。今現在は、有名になってしまったが、当時は全くの無名だったらしい。中年女にも、あどけない少女にも見える、複雑な表情をもっている。極個人的意見だが、ゲイリー・オールドマン的なスリルも持っていると思う。彼女を見るだけでも、一見の価値あり。 |
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