( October 1st' 99) 目が見えない。

  コンタクトを付け始めて3年。もうすっかり慣れているはずなのに、眼球に傷ができてしまうという結果になってしまった。>< 毎晩はずさなくてはいけないコンタクトを、はずさない日々が続いたからである。

  でもちゃんと私にだっていいわけがあった。 私は夜行性だから夜テスト勉強するため、コンタクトをはずしちゃうと、寝ちゃうおそれがあるからなるべくつけたままの状態でキープしておく。それに、このまえのキャンプにいったときは野宿状態だったからコンタクトをきれいにはずして洗うなんて環境がなかった。だから仕方ない。・・・でもこんないいわけ一体誰にしてるんだろう・・・私の目は私のものだし、結局困るのも大切いしなくちゃいけないもの自分。ほんとこれからは気をつけなきゃ。

  こんな出来事があって、皮肉でもあるかのように新たなる”Cas”のためのボランテイアを見つけた。盲目の人が住む家にいってボランテイアをすることだ。目が見えないつらさをつい最近味わったから彼らの気持ちをすっかりわかる気分でいた。

  お昼の11時、提案した友達五人で盲目の人達が住む家に向かった。外からみたら一見なんでもない家で、あ、ここなんだって感じだった。でも近くに行ってみると・・・別に奇麗事を書くために私はこの文を書いているわけじゃないのではっきり言うけど、すごく怖かった。背筋がぞっとした。なぜなら目が見えない人達数人が、どこを見るわけでもなくスーっと前を通りすぎていくからである。もちろん声を出さない私達の存在なんて気づかず、ただ無言でみんないろんなところを向きながら歩いてた。「Bom Dia・・・ (こんにちは)」って言うつもりだったのに声出せなかった。声を出したあとの周りの人の反応が怖かったからである。びっくりされるのか、みんないっせいにぱっとこっちを向いたりしたら・・・とかいろんなことが頭の中をよぎった。知り合いの人がいる友達の一人が、中まで案内してくれた。彼女はどうどうとしていてすごいなと思った。私は何をしにきたんだろう。

  とりあえず、そこの家のリーダーと管理をしている人に、今後私達がどうお手伝いできるかを話し合って決めることにした。リーダーの人も盲人だったので自己紹介をしてから話合いだけで決めた。時間がたつにつれて盲人の人と話すことにも慣れていった。リーダーのひとはとっても温かくていい方だった。

  結局、まず、私達の自己紹介ということもあって、子供の日をかねてパーテイーをすることにした。内容は私達の間で決めるをいうことでその日の話し合いを終えた。 それにしても何をしてあげれば一番喜ばれて、彼らにとって、とっても助けになるのかを考えるのがとっても難しかった。子供が15人くらいいるんだから簡単なゲームをすればいいかも。という提案もあった。でも最終的には、どれも「でもみんな見えないんだよ・・・。」っということで却下された。目が見えないということでどれだけいろんなことが制限されてしまうか、改めてわかった。お金の面でも決してめぐまれていない彼らに何か手ごろなプレゼントをしてあげようと考えても、何をあげていいのか、それすらわからなかった。ちいさなおもちゃのロボット、ぬりえ、絵本、目が見えなければ彼らはどうやって遊ぶのだろう・・・小さい子たちのことを思い浮かべると、いたたまれない気持ちになった。きっと中には、見えるっということすら分からない子供もいるだろう。

  でも、生まれたときから目が見えないのなら、もしかしたら、そんなに不自由でもないのかも知れない。人間にあともうひとつ機能があるんだよってある日突然いわれても、私は今のままで不自由していないし、あまり深く思い悩まない方がいいのかもしれない。彼らにだって、不自由なりの楽しみ方もきっとある。   最終的に、子供達には絵本を読んで聞かせてあげたり、音楽を流して、踊りを教えてあげたり、楽器をつかって遊んだりすることがいいのでは、っということになった。これがうまくいくか分からないし、これから先どんな壁にぶつかるのかわからないけど、できるかぎり、彼らの役に立つように何かしてあげたい。