March16th’2000      National Honor Society

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    中学2年の途中でメキシコに引越し、そして現在はブラジルにいる。今日この日、National Honor Society のメンバーになった。インターナショナルスクールに通ってたくさん苦労したその頑張りが、形になってあらわせた自分にとって特別な日だった。NHSは成績、リーダーシップとあらゆる面で優秀な生徒に送られる賞で、そのメンバーは良い成績を継続し、学校の模範生ととして生活するようにというもの。

   メキシコに引っ越してインターの学校に通いはじめたのは中2の頃。初めは本当につらかった。日本で生活していた時は海外の学校なんて憧れだったし、英語なんてすぐぺらぺらに話せるようになるよなんて言われてすごく期待してたけど、実際はそんなに甘くなかった。学校の授業はもちろん全教科英語で、日本で習っていたはずの英語も通じなかった。宿題も毎晩遅くまでかかったし、生物や地理の教科書も、全部辞書で調べて理解しようと頑張って・・・。1ページに何十個もある新しい単語があるのに、その文章の内容を理解していくなんて不可能だった。テストだって答えがわからないより先に、問題の意味がわからなかったし、周りより時間をかけて勉強しても、努力しても、実らない成果がすごく苦しくて悩んだ時期があった。日本語だったらできるのに、とかそんなことを考えはじめたらすごく悔しくてやるせなかった。テストの読解間違えで解かっていた問題の点を引かれるときほど悔しいときはない。小さい頃から英語教育を受けているなら別だけど、中2になって初期レベルの英語を勉強するのってすごく大変だった。

    友達だって初めはうまく思うようにできなかった。友達をいっぱい作るなんて自分の特技だと思ってたけど、言葉が通じないとそれも簡単じゃない。冗談も言えないし、言ってもらっても解からなくて笑えない。話しかけられても話を続けられないし、向うからしてみれば日本人の子っていう扱いで、心が打ち解けるなんて感じじゃなかった。文化の壁も大きかったし、どうしてここにいるんだろうなんて思ったことはしょっちゅうで、日本にいた大切なたくさんの友達のことを考えると、毎晩こっそり泣いてた。手紙も毎日のように書いたし、日本の暮らしが恋しくてしかたがなかった。友達できたよ、なんて手紙で書いても、どの程度の付き合いの友達かなんて教えられない。はっきりいって、大人しいくてあまり話さないアジアの子って、マイナーなイメージがある。海外に出て初めてそれに気づかされた。ちょっと話せないってところでどこか馬鹿されてるところがあるし、みんななんだかんだいって、文句を言わない、いい人で終っちゃうっていうか、言葉のせいもあって本当の自分を出せないのがすごくつらかった。私だって本当はもっとって・・・・言えない。あの頃は、ちょと後ろ向きだったり、過去ばっかり振り返って弱気になってた気がする。一人とかすごく寂しく感じて、みんなが一緒っていうのがすっごく必要で、メキシコで知り合った日本人の友達も私にとってはとってもかけがえのない、安らぎの場所だった。

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    それでも頑張れたのはいつでも支えてくれた友達と、私の家族と、自分の負けず嫌いな性格のおかげだと思う。アジア、っていうだけで、日本人っていうだけで、英語が話せないっていうだけで、まわりに負けちゃう自分が許せなかったし、悔しかったから。いつかみんなと同じように笑って話せてたらいいなって思いでいっぱいだった。背伸びして、それがいつか癖になってた。疲れてるんじゃないかなって思う時があるけど、それが逆に気持ちいい気がする。頑張ってる時の自分って好きでいられるから。あのときつらいと思って逃げ出してたら、きっと今すごく後悔していたと思う。今いる学校の友達ともきっとこんなに良い関係で巡り合えていなかったと思う。日本を離れてやっとようやく今、自分が素のまま出せている気がする。何でも挑戦して、手を抜く所は抜いて(笑) プライベートな話しだってなんでもできる、心の底から信頼できる友達もいっぱいできた。そこで気づいたのは、みんな話す言葉が違っても国が違っても、思うことも感じることも同じだってこと。 海外で生活している子だったら表に出さなくてもきっと私と同じようなつらい経験をして乗り越えたり、乗り越えようとしていると思う。そんな子達に教えてあげたい。

Don't worry, be yourself...

Everybody is waiting for you to open up! *^-^*

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