KOSHI MIHARU INTERVIEW
Part 2
![]() Koshi Miharu@Europe Tour |
−越さんのテクノについての考え方をもっとくわしく聞かせて下さい。 K私はメロディーを強調した音楽に飽きちゃったんです。メロディーがあまりに感情むき出しに強調されてるものはイヤです。辟易します。むりやりに共通の言語を作ろうとする方法がイヤなんです。そうじゃない部分をたいせつにしたい。テクノはそういう意味で、今の音楽界の防腐剤なんじゃないですか。 −いちばん防ぎたい音楽は? Kそんなこと言っていいのかしら(笑)。でも、ニュー・ミュージックだけはやめたほうがいい、ほんとに。 −(笑)でも、越さんの声ってすごく乾いた感じがしますね。ウラにある生々しさを隠してるっていうか。 K全部隠しちゃうのが好きなんです。レースかなんかで包んじゃって。隠すことによって生まれてくるエロティシズムにとても心動かされます。エロティックにしたいからって見せちゃうものには興味ない。そういう意味で、テクノって作り方がすごく禁欲的でしょ? なるべく情感が入らないように作る。だからエロティックな人が作るとすぐにわかります。YMOってすごくエロティックなバンドだったと思う。 −エロティックじゃない人がテクノを単に方法論としてやってしまうと.... K悲惨ですね、ハイ。ニュー・ウェーブになってしまいます、と言うと怒られますけど。もちろん、ニュ・ウェーブにもいい人たちがいっぱいいるから。 −自宅で多重録音に熱中するきっかけはどんな感じ? K最初からおもしろくてしょうがなかったんです。RCAでデビューしたあとぐらいに始めたんですけど。機械についても、最初の1つがわかれば全部わかっちゃった。自分に向いてたみたいですね。 −多重録音の方法は? Kまっ白な状態でリズムを考えるのが好きなんです。先に曲を書いちゃうと、自分の中にあるリズムのデータだけで書いてしまうことになるので。大きく分けると、8、16、4ビートって感じになってしまう。そういう作り方っておもしろくないでしょ。 まず、とにかくいろいろな感じのリズムを作ってみるんです。コードやメロディーは全部その後です。 −ピアノなんかは使わないんですか? Kピアノで曲を作ることに飽きてしまいました。今はシンセとリズム・マシーンで全部作っています。 (越美晴さんは、現在ギタリストのRAといっしょに、オランダ、ベルギーをツアー中。帰国後のツアーが楽しみです。) |
テクノポップの耽美派宣言 「キーボードスペシャル」創刊号掲載 |
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