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PLASTICS IN EUROPE 3


Plastics@The Centre Georges Pompidou
Plastics@The Centre Georges Pompidou
反応さまざまのヨーロッパ各国

 ハンブルグは、ロック・ファンの間では、ドイツのミュージシャンによってではなく、ビートルズが下積み時代を過ごした都市として知られている。ハンブルクの盛り場リーバーバーンでは、かつてビートルズが出演していたトップ・テン・クラブが、今なお営業を続けていて、当時の様子をしのぶことができる。しかし、若い音楽ファンの間では、最近ハンブルクは、ドイツの中でも最もパンク/ニュー・ウェーブ系の音楽が盛んな都市という評判を呼んでいる。

 ハンブルクでマイナー・レーベルを設立し、アベベルツという有望なバンドを育てるかたわら、小さなレコード店を運営している若者たちの話によれば、'77年にロンドンでパンク・ロックの爆発が起こって以来、その影響を受けて、ドイツ各地でもマイナー・レーベルでレコードを制作する新しいバンドが次々に出てくるようになったという。クラフトワークやタンジェリン・ドリームのように、ドイツ国内だけでなく外国でも知られているグループはごくわずかだが、それでも先ごろ日本でも紹介されたテクノ/ニュー・ウェーブ・バンド、DAF(ドイチェ・アメリカニッシュ・フロイントシャフト)などの新しいグループが次第に注目を集め始めている。アメリカやイギリスのロックの圧倒的な影響を受けながら、自国流のロックを作り出そうとして苦労しているところは、日本のロック界と共通する点も多いようだ。

off shot@Paris
Chica & Toshi
 ハンブルグでプラスチックス出演したのはマルクトハレ(直訳すると”市場の建物”)というハンブルグ中央駅のすぐ近くのコンサート会場。同じ建物の中にゲームセンターやレストランもある娯楽センターっぽいところで、昼間からパンク・ファッションに身をかためた少年たちがたむろしている。このホールでは、去年YMOもやっているが、他にはアイアン・メイデン、999、ホリー&ジ・イタリアンズ、スリッツ、フォールなど、イギリスの新しいバンドがよく出演している。入口を入ったところがバーで、正面奥がステージ、中央がダンス・フロア、残り三方が階段状の座席。おそらく千人くらいは入るだろう。

 中央駅のスタンドで、名物のソーセージとフライド・ポテトを立ち食いした後、9時になっても空がうす明るい道を歩いて会場へ。集まった聴衆は500人くらい。入口にたくさんいたパンク少年たちは、15マルク(1500円)の入場料のせいか会場内にはほとんどいない。かなり年齢の高い客層で、熱心に耳を傾けている人が多かった。アンコールも、この会場だけ2回もやっている。メンバーは、パンク少年たちのつばが飛んでこないので、拍子ぬけしたような気分だったそうだ。

 北国のドイツからパリに出ると、その華やかさ、にぎやかさに圧倒される。世界一の観光都市、花の都といわれるだけあって、ダウン・タウンはどこもかしこも京都と原宿を混ぜ合わせたような雰囲気だ。カフェは、朝早くから夜中まで人々で混雑し、いたるところに大道芸人やストリート・ミュージシャンが出て、街をいろどっているパリでは休みが数日あり、メンバーは買い物やフランス料理を大いに楽しんだ。6日のパリ公演は、かつての公衆浴場を改造したディスコのベンドゥーシュで行なわれた。ツー・トーン模様のタイルを床に敷いたこのディスコは、昼間見ると、荒れ果ててホコリだらけだが、いったんディスコ・タイムが始まると、照明の魔術で、見ちがえるほどナウい雰囲気になる。週に一回程度の割合でライブをやっており、やはりニュー・ウェーブやレゲエ・バンドの出演が多いようだ。フロアが小さくて、300人ほどの観客で満員。ぼくが見たコンサートの中では、最もおとなしいクールな客だった。お店のスタッフの話では、踊らないのはパリのファンの特徴だから気にすることはない。とのことだが、アメリカの踊るファンに慣れているメンバーは、なんだか不満そう。


To be continued.....


Original sourse of this page was kindly provided
by
Ochiai-san

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