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1ST CALL


「はい…」

「あ、○○さんのお宅ですか?」

「いや、違うが」

「うっわ、間違えちまった」

「……」

「いやぁ、スイマセン」

「…もしや、草薙か?」

「へ?」

「草薙京だろう」

「…八神?」

「いい度胸だ、俺の家に間違い電話など」

「だけど電話だから殺せないよな」

「フン」

「んじゃあかけ直すわ」

「…」



2ND CALL

「もしも〜し」

「また貴様か…」

「げ、また間違えたのか」

「それはこちらの台詞だ」

「俺のダチと番号似てんのかな…八神、何番だ?」

「待っていろ」

「………………」

「○○○−△△△だ」

「八神ん家って、音楽"月の光"なんだな」

「…」

「だからほら、待ってる時のヤツ」

「違う。ダブりの割に知っているな、と思っただけだ」

「馬鹿にすんなよ…って言っても結構好みだったから覚えてただけだけどな」

「…」

「あ、今わざと聞こえるように溜息吐いたろ」

「間違い電話なら早く切れ」

「ちぇー、別にタダだし文句言うなよ」

「気分は害されるがな」

「へいへい、じゃあな」

「…」



3RD CALL

「もしもし…」

「ありゃ」

「…貴様」

「壊れてっのかな」

「今直ぐ買い換えろ」

「無茶言うなよ」

「切るぞ」

「まあまあ、顔合わせては喧嘩してんだから、顔合わせてないときぐらいいいじゃんか」

「いいか、貴様と俺は…」

「敵同士!わかってる」

「ならば…」

「こんな喋り方も出来るんだなって」

「?」

「そう、思った」

「…」

「…じゃあな」



4TH CALL

「またか」

「…俺でなかったらどうすんだよ」

「近頃は貴様だけだ」

「他の間違い電話だったら…」

「直さなかったのか」

「…面倒臭い」

「しかしよく電話ばかりする奴だ…ヒマなのか?」

「…別に、俺のことはどうだっていいんだろ?」

「…」

「プライベートなこと聞いたの、初めてだよな」

「早く直せ」

「電話、どこも壊れてないぜ」

「ならば何故…」

「○○○−△△△」

「何だ」

「覚えちまった」

「…」

「じゃあな、また明日」

「明日…?」

ガチャン


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