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〜MoonEffection一部抜粋〜

「今日のご飯何?」

 猫にちょっかいを出しながら、さきほどから気になっていた匂いのモトを訊ねた。
 八神は手が離せないらしく、顎で流し台の上にあるスーパーの袋を指す。
 袋の中にはかまぼこやうどん玉が、神経質なまでにきちんと詰められていた。
「うどんは安上がりで美味しいからな」
 一人暮しのときもこんな風にしていたのだろうか、思わず想像してしまい、微笑ましさに顔がにやけてしまう。
 まだ同棲二日目なので、こういうちょっとしたことが何だかくすぐったい。まるで幼い頃友人の家に初めて泊りに行ったときのように、一々感動してしまったりするのだ。