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 まるで手折った花だ

  何時か散るのか
  何時か萎れるのか
  何時か消えてしまうのか

「逃げちまおうぜ」

 縛るためなら何でもする

 何であっても構わない

  伝えられる哀惜の涙
  彷徨い続ける怨恨の声
  渇望する血脈
  淀んだ狂気

「全部棄ててさ」

 優しさと痛みの境界なんて知らない
 奪い尽くしたその後の
 虚空に一人立ち尽くすだけ

  守り抜ける強さ
  泣かせずに済む剛さ
  共に歩み続けられる毅さ

 遠く聞く瓦解の音

 耳を塞ぎ目を閉じる

「関係ねえだろ」

 言葉にすれば嘘になる
 言葉にしなくても嘘になる

「庵」

 誰を追う名か

 誰を負う名か 

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