食事が済むと、船場の社長はまた別の商談があるとかで早々に帰社。関空に行くまでにはまだ時間があるので、台湾の社長はまだ買うものがあると言う。
「ここからなら高島屋がすぐだし、何でも揃いますよ。」
「そうか。いや、実は納豆を買いたいんだけどね。」
大阪くんだりまで来て選りに選って納豆か。いくら天下の御台所でも、と言うより天下の御台所だからこそそいつは見つかりますまい。高島屋難波店の地下食材売り場をいくら探しても、「納豆」と言ったら甘納豆しか見つからなかった。近くにスーパーでもあれば・・・と思うも高島屋と競合するのを嫌ってかスーパーらしいスーパーはどこにも無い。
「あそこはどうかな?」
と社長が指したのがハードロックカフェ隣のコンビニだった。「高島屋にも無いのに、まさかコンビニには・・・。」とは思いつつも覗いてみたら、きちんとありやんの。納豆のような下品なものは高島屋には置かない、とでも言うのだろうか?謎だ。
首尾良く納豆も手に入り、経費+バイト代も手に入った所でそろそろ時間となり、社長を押し込んだ南海ラピートが難波駅を出た所で今回のバイトはおしまい。さて、これからは100%フリーだ。関八州に戻るにはまだ早いし、第一観光らしい観光なんて全くしていない。まずはどこに行こうかな、と南海電鉄の路線図を見ると絶好のスポットが・・・。住吉大社。ガイドブックの紹介記事には目にも艶やかな緋袴の巫女さんがしかもダブルで載っている。これは行くしかない!
しかし住吉の巫女さんは残念ながら社務所の中に御篭りのまま。無念ながらも参拝を済ませ、社務所へ赴く。・・・感じの良い巫女さんなんだが、頭の上の飾りがちょっと派手過ぎるような・・・。絵馬を奉納して奥の楠君社へ(「君」は本当は玉偏付き)。名前からすると大楠公関係かな?と思ったらただの(と言っちゃ何だが)御神木の楠を祭った社で、商売の神様らしい。ポスターにはしっかり巫女様が写っているのに、社務所にはどうして恰幅の良いおっちゃんだけなのかしらん(涙)。
次にお参りしたのは今宮のえべっさん。有名な割に規模は小さく、巫女さんもいない。これなら大阪護国神社の方に行けば良かったか?いやいや、そんなことでは御利益も望めない・・・って、私が商売の神様にお祈りしてもしょうがないんだけどね。いっそのことそこから新世界にでも行こうかと思ったが、まだ日が高い。この時間から通天閣の下でカップ酒あおっていれば親近感の湧く人々とお近付きになれそうだが、時間的にまだ巫女さんが帰宅するのに間に合いそうだったので大阪天満宮へ。
・・・結局天満駅と天満宮前駅とをを間違えて間に合わなかった。仕方ないのでばっちり下見だけしておいて梅田に戻る。この夜は前から約束しておいた友人と一杯やって、カプセルホテルで一泊。やはり自腹を切るとなるとついケチってしまう。我ながらこの貧乏性は何とかならないのだろうか・・・。
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