国外逃亡準備企画
台北耐乏生活
怒涛編

- 8月某日
- 今日は午前中台湾大学へ行き、歴史系主任の李教授とお話。この教授は以前私が選読生(一年留学生:交換学生のようなもの)として台湾大学に在学していた時にお世話になった先生で、この先生の授業に出したレポートが台湾大学歴史学会紀要「史釈」に載せられてしまった事もある。本来は台湾大学に外国人学生が入学する時は(台湾の学生と共に「連考」を受けて入ったのではない限り)選読生として一年過ごさなければならないのだが、この教授が私が既に選読生をしていたのを知っていたので今回はストレートで正式生になれた訳だ。
- そんなこんなでいろいろお世話になってはいるのだが、今回日本からのお土産を持っていったらものすごい勢いで拒否された。「学科主任」としての立場上仕方が無いのだろう。特に先に書いたように私の入学に有利な発言をした以上、何かもらうのはおかしな噂を立てられるかもしれない。お礼とはいえ安易に贈り物を持っていった事を反省。
- (学科主任ではなく、また私の入学に関して何も影響力が無いのなら贈り物をしてもかまわないのだろうが。実際林老師はしっかりお土産を受け取っていたし。いつか「個人同士のお付き合い」が出来るようになってから、改めてお礼を申し上げなければ。)
- 実を言うとこのレポートをアップしている時点ではまだ台湾大学への進学は固まっていない。就学ビザは取ったのだが、ただ就職試験の結果如何によっては働きに出る方が自分では望ましいと思っている。父が今年付けで退職したので、もう二年も脛を齧るのははっきり言って後ろめたいのだ。(数えならもう26歳なんだし)この教授には推薦書も書いてもらったため、入学しないと面子をつぶすような事にならないかと心配なので一応相談に伺った。「確定してからまた来い」といわれ家からの連絡を待つが、後から判明した事だが結果発表の日を間違えていた(9月10日前後なのに8月末と勘違い)ので、この時点で連絡があるはずも無かった。
- 午後は例によって貸し漫画屋。やはり香港武侠漫画はアツい。「Gガン2」を作るなら、ぜひ香港人に作って欲しい!(ただ香港漫画はストーリーが長くなる傾向がある上「ド○ゴンボール」や「聖☆士星矢」のような強引な終わり方個人的には「男坂」の「未完」がヒットもないため、本当に作ったら何クール分になるのか見当もつかない)
- 8月某日
- X君は香港へ行き、H君は日本へ帰ったので政治大学宿舎の部屋に独りで取り残される事になった。「外部の人間」である私が宿舎に泊まった時点で既に規則違反なのに、その上このように一つの部屋を占拠するに至っては下手したら違法行為ではあるが誰もお咎め無し。H君の友人が遊びに来る事もあるが、誰も私がここにいる事を不思議に思わないらしい。(この友人(ブラジル人)はついこの間鍵を持たずに外出して締め出され、私が錠をこじ開けてヲイようやく部屋に入れたという過去があるため文句を言えないのかもしれないが)
- とりあえず光華商場へ(……)。光華商場内ではなくその近所の行き付けの店で、香港製らしいゲーム「風雲」を見つけ即刻ゲット。これは原作が馬栄成の漫画で、そのストーリーのアツさは「覇刀」と同じく日本人が失って久しいものがある。(中に出てくる「どこかとてつもなく勘違いした日本人風悪役」は御愛敬)映画も近く公開されるらしくバスの横腹にでっかい広告が載っていたが、このキャストを一目見てぶっ飛んだ。主役の歩驚雲・聶風の二人はまあ予想通り香港の人気俳優(鄭伊健あたりだったかな?)だが、悪役の「雄覇」がなんと
日本が世界に誇るアクション俳優サニ・チバこと「千葉真一」!
- うおおお、これは見逃せん!で、このゲームの「風雲」は漫画、映画と共にメディアミックス戦略の一環として売り出すのだろうが、実は結構面白い。RPG(対戦車ミサイルにあらず誰も知らんわい)としては操作性に少し難があるが、ストーリーは漫画そのままのアツさを保っているしゲームバランスも悪くない。でも体力回復アイテムが「包子(肉まん)」というのは何とも。
- 「風雲」を買ったついでに(そう、あくまでもついでである。疑いの目をむけないように)巫女さんゲーム「十六夜」を購入。日本の18禁ゲームは大体ひとつ300元(日本円にして約1200円)なので、合法かどうかはともかくとして大分安い。もっと安いものとしては光華商場の周りにいるお兄ちゃん達から買うというものがあるが、これは明らかに違法で信用できない上、ウィルスをもらう可能性もあるのでお勧めできない。店頭で売られている300元のものならバッタ物をつかまされる恐れはないが、しかし税関を通れるかどうかは不明。
- 8月某日
- Uさんと食事。実は前の日に誘ったのだが、その日は「『黒名単(台湾公安による独立派のブラックリスト)』に載っている方々と呑み会がある」というので日をずらした。思想云々の問題ではなくて、中国・台湾関係の話が出るとすぐ頭に血が上って穏健的な独立派にも食って掛かるような人たちだから、初対面の人には危険だという事らしい。統一派にしろ独立派にしろ、他人の言う事を聞かなくなってしまってはカルト宗教と同じである。私の周りには民進党系とか独立派とかの人間が多い(というよりこういった人たちの方が日本人に親近感を持っているので、自然日本人の私とよく付き合うようになる)からそのうちそうしたエキセントリックな方々と会い見える事になるかもしれないが、その時のために失言の言い逃れ方でも修行しておこう。
- 8月某日
- ニュースでNWのストライキについて報じている。この間のフライトディレイがあったため「ざまあみろ」としか思わなかったが、実際にはとんでもない影響があった。この事に着いては「帰国編」で。

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