■駆け出しATCの奮闘記@UF■

#2: Expectation

2002年8月からフロリダ大学のGraduate Assistantのアスレティックトレーナーとして働くことになった私は7月中旬に日本を出国。一回故郷ともいえるアラバマ州タスカルーサに立ち寄り、預けておいた荷物を新しく買った車(96年シボレーコルシカ)に詰め込んでフロリダ州ゲインズビルに乗り込みました。新しい大学に行くのはこれで3回目。やはりどんなときでも新しい環境に飛び込むときは思った以上のエネルギーを消費するので、最初は相当緊張していました。

日本から来るということでフロリダのプログラムのみんなはかなり私に対して興味深々だったようです。近年では何処のATプログラムに行っても大抵一人は日本人が在籍しているようなご時世なのに、ここ大御所のフロリダ大学には今まで一人も日本人ATがいたことがありませんでした。つまり、私がプログラム初の日本人だったわけです。

フロリダ大学自体はスポーツが非常に盛ん。また学業の方でもフロリダ州内では一番の質を誇る大学です。規模で言えば生徒数は4万5千人。アラバマが2万人だったのでその倍以上を抱えるマンモス大学。フットボールは近年でいえばそれこそ全米でもトップレベル。2001年にそのフットボール部を支えたヘッドコーチ、Steve Spurrierが辞めてしまいましたが、それでも全米の注目の目を常に集める常勝チームです。またバスケットボールも現コーチのBilly Donovanが就任してからは急速に成長。2000年には全米チャンピオンシップ決勝まで駒を進めたこともあるチームです。そのような非常にCompetitiveな大学に幸運にも入ることが出来、その傘下でATとして働くことが出来るのは私にとっては非常に大きなことでした。

ただ、アラバマや多くの一部リーグの大学とちがい、フロリダ大学のアスレティクス(体育局)は完全に独立しており、私は上にあげたような大学付属のチームで働くことはありません。大学院のATプログラムとして雇用された我々の配属先は主に地元の高校でした。日本と違って、高校のスポーツレベルは大学レベルと遜色違わぬ盛り上がりぶり。大きな高校ならばその殆どが最低1人はATを高校においています。私達は大学付属の病院から派遣されるという形で高校へ出向き、その代わり大学病院がアシスタントシップ、つまり授業料や給料を払ってくれるというシステムです。

8月上旬に行われた初ミーティングまで私は何処に配属されるのかわかりませんでした。結局配属先は高校ではなく、キャンパス内にあるAthletic Training Sports Medicine Center(通称ATSMC)でした。このクリニックは大学内のヘルスセンター(Infirmary)に訪れた患者がその治療を受けるためにある場所です。またクリニック後にはキャンパス内で行われているインターミューラルスポーツを現場でカバーするという仕組み。更には週末に行われるクラブスポーツもカバーします。インターミューラルとは大学内で行われているスポーツ催し物で、バスケット、サッカー、ソフトボール、フラッグフットボール、バレーボールなどのリーグが存在します。フロリダ大のインターミューラルが全米でも3本の指に入るというほど盛んなので、これらのスポーツは想像以上に激しく、選手達も本気です。ゆえに怪我の発生率も多く、それらをケアするのが私達の仕事です。またクラブスポーツは更に真剣。彼らは全米レベルで試合を行いますので、組織や試合内容は大学の部活並です。

GA(Graduate Assistant)の仕事はそれだけではありません。私達のサイトには8人から10人の学生ATが配属され、彼らは我々GAの監視の下現場実習を行います。つまり私達GAが彼らのボスとなり仕切ったり教えたりするわけですね。そういった学生トレーナーのときとは違い、GAとはより責任を課せられたポジションであるということです。これから数回にわたってフロリダでのGAとしての奮闘記を載せて生きたいと思います。

(09/01/03)