2004年4月21日
「別れ」

去年の8月からアパートで3人暮らしをしています。自分以外の2人は両方カナダ人。北米の人間でもアメリカ人とは生活習慣や考え方が少し違っていて一緒に暮らしていて面白いしいろいろと助かっています。

そのうちの一人、ジョンは博士号をとるためにトロントからやってきました。しかし、彼のスーパーバイザーとなる教授が彼が渡米する前に突然Resign(辞めること)。この教授はATのスタッフでもあったため、私達ATメジャーの学生達も多大なるとばっちりを食らうことになったのですが…。それはさておき、スパーバイザーなき今、ジョンは代わりのスーパーバイザーを見つけることが出来ずに、学業を断念。2日前にこの春学期が終わるのを待たずにカナダに帰国しました。

仲のいいアメリカ人は多くいますが、ジョンの私に対する接し方はまた別のものでした。どんなに仲良くなってもアメリカ人との関係は「アメリカ人と日本人(もしくはアジア人)」という風になってしまいますが、ジョンやその他のカナダ人とは国柄関係なく誰でも同じように接しているようでした。それはアメリカとカナダの人種の違いもあるでしょう。アメリカは白人が多数人種とされていますが、カナダでは白人はむしろマイノリティーの部類に入るそうです。人種の坩堝(るつぼ)とはいえ、白人は白人、黒人は黒人、外国人は外国人と別れているのが現状です。

だからジョンと話しているときはまさに「Buddy=だち」という感じでした。まあ私よりも1歳年上という点も見逃せないのかもしれませんが、それでもばかばかしい話からまじめな話までちゃんとできる奴でした。同じ外国人としてアメリカの嫌なところなども言い合いながら、「やっぱり女滋養に感じている人はいるんだな」とほっとしたり、そういうことは普段言えないのでちょっとしたストレス解消にもなっていました。

彼のステータスは本当に気の毒でしょうがありませんでした。とくにこの春学期はやることが特になく、いつもくすぶっていてそのせいか夜もぐっすり寝れていないようでした。だから彼がカナダに帰って職をさがすと決めたときはよかったなぁと思いました。が、そんないいルームメイトを失うのもなんだか寂しいなぁと複雑でもあったんです。

帰る前日は次の日が期末テストということで飲みにはいけませんでしたが、せめて出て行くときに見送ろうと思ってテストに行くぎりぎりまで家にいました。すると突然部屋に入ってきて「じゃあ行くから!」と、さもあさってぐらいには帰ってくるぐらいの勢いで行ってきました。こっちはセンチになる余裕もなくがっちりと握手だけして、ジョンは嵐のように去っていきました。いつも思うのですが、こっちの人たちは別れを惜しむとかセンチメンタルになるとかそんなことが全然ないんです。

あまりにもさくっと出て行ってしまったので名残惜しむ間もありませんでしたが、すっからかんになった彼の部屋を見るとやっぱり寂しいものです。家にいないだけでもなんだか落ち着かない感じ。やっぱり別れってのはいいものではないですね。日本では3月が別れの季節なんていわれてますが、こっちでは5月が卒業シーズンなのでこれからいよいよ別れの季節到来ということです。GA仲間も夏には散らばっていくことになり、どんどん寂しくなります。が別れあれば出会いあり(逆か?)。人は常に前を向いて歩いていかなければいけませんね。