読書感想文

下へ行くほど古いです。

地雷震/高橋ツトム/アフターヌーンコミックス
 絵、かなりシックでうまいです。白黒の比率がすっごく微妙でイイ。
 3巻くらいまで、主人公の刑事飯田に全然魅力を感じなくて、”何こいつ?クールにカッコつけやがって。ただ冷徹なだけじゃん”と思っていたのですが、4巻のfile9の長編。これで、飯田にハマりました。ハマりだすと、あとは何やっても格好よく見えるもので、もう”どこまでもついて行きますー”状態です。
 どうでもいいけど、飯田のパートナーのハチマキさん、海江田に似てるや。顔が(笑)(分かる人だけ分かってください…)
 話、難しいですが、深くて心地いいです。
 いや、後味のイイ話じゃないんですけどね。どの事件とっても。 ―1999.9.20


N.Y.小町/大和和紀/講談社漫画文庫
 北海道開拓に来たお雇い外国人ダニーと16才まで男として育てられたおてんば娘(死後?)志乃の明治時代ラブストーリー。
 全体的にコメディー調なんですが、泣けます。
 今の時代、人とお別れって言ってもその気になれば、いつでも会えますよね。通信手段も発達してますし。このお話では明治時代開国したてならではの、別れの重みが味わえます。
 あと、昔の男の人ならではの一本気な性格。もう、出てくる男の人(ダニーも三郎も朱鷺夫も)みんな、イイ男すぎーーーー!!ダンナにしたいような男の人ばっかりです。皆、根っこの所が誠実なの。こういう殿方に出会ってみたいものです(オイオイ)
 もうみんな、好き好きーーー。 ―1999.9.14


スケバン刑事/和田慎二/白泉社コミック文庫
 昔TVでドキドキしながら見ていた記憶があって、つい買ってしまった。TVの方のストーリーなど、ほとんど忘れてしまっていた。主人公サキとその母親のエグイ関係や、恭一郎との関係という根本的なことさえも、覚えてなかったですね…。
 TVドラマで”恭四郎が兄だった!”ってシーンと彼の墓だけよく覚えてるのですが、マンガでは恭四郎なんて出てこないし、恭一郎が兄という設定もなかった…。
 私の記憶がおかしい?誰か知っている方がいらっしゃったら、教えてください。
 マンガの内容について、ですが、なんかこの時代のマンガの登場人物は一所懸命生きてるなー、と思った。一生懸命さがまわりに見えても恥ずかしくないのね。それって、この時代の人々の考え方そのものなんだろうなぁ、と思う。今の時代、ちょっとナナメにかまえてるのがカッコイイって風潮ありますもんね。
 やっぱり、大編マンガは感動があるね。 ―1999.9.14


魔軍〔キラー・ウィルス〕/落合信彦/光文社文庫
 ハードカバーで出た「ザ・プリティー・ボーイ」を改題したもの。
 今回の落合さんの小説は、登場人物が比較的少なく各国情報機関もそれ程複雑に絡み合っていなかったので他の作品に比べて、読みやすかった。
 落合さんの小説は、まるで彼がその場にいて登場人物を観察していたかのようにリアルに出来ているので、自分が歴史的瞬間を目撃できたような気になる。
 どこまでが現実でどこまでが虚構なのだろうか? ―1999.5.31