Day7.Sep8

8:30にキャンプサイトを出発して、Indians Reservationへ。景色は一変してあたり一面赤土の世界。Monument Valleyは素晴らしいの一言に尽きる。地球の大自然が創造した偉大なモニュメントを目の当たりにして、私は感嘆するばかりだった。私たちは早速Navajo(ナバホ)族の人の運転するジープに乗り込んで、その赤土の世界に入って行った。 赤い土煙を立てながらジープに揺られていくと、私たちをじっと見下ろすように毅然と聳え立つ赤いモニュメントが、その壮大さを増してきた。自然の不思議な力で創造されたこれらの芸術は、Navajoの人々の想像によって一つ一つに名前がつけられていた。まさにそれらの名の通り、どのモニュメントも私たちの想像力をかきたてるような深みをその壁面に刻んでいた。ここに来て私は、人間の力など大自然の中では足元にも及ばないということを感じると共に、何か偉大で神聖な強い力がこの大地に存在するような気がして、不思議と興奮せずにはいられなかった。 数々のモニュメントを見上げ、Navajoの住居にも入った。そこでは、美しい伝統の品を紹介してもらい、また80歳近くの女性がEnglidとMerryの髪の毛を結ってみせてくれた。

その後、Navajoの人の案内で今夜泊まる岩陰に行った。夕食には、Navajo Tacoというピザのようなものをご馳走になった。辺りがすっかり暗くなると、パーティーが始まり、民族衣装を身にまとった人々が歌やダンスを披露してくれた。彼らの声が辺りにこだまするのを聞いて、私はまさに彼らの世界にいるのだと感じ、タイムスリップしたような不思議な感覚を覚えた。私もみんなと一緒になって彼らのダンスにまざってとても楽しい一時を過ごした。

パーティーが終わってから、日本が大好きというNavajo族のTonyという大くて優しいおじさんと仲良くなり、Tonyと私とJulieで日本のことを話したり、Navajoの言葉や歌を教えてもらった。私はここに来てから、不思議と彼等に自分と何か同じものを感じ、心が落ち着くような親しみを感じていた。そのことを話すと、Tonyが日本語とNavajo語には色々な共通点や似た言葉があることを教えてくれて、私はとても驚いた。Navajoの人々にとっての神は何か?と尋ねると、「自然の中のあらゆるもの、木々・動物・大地・風…すべてに神が宿っていて、皆それぞれの神を信じているんだ。母なる大地、父なる太陽、そしてその間にある雲や雨は私たちを守り恵みをもたらしてくれるものなんだよ。」と言っていた。そうしてTonyは子守り歌を歌ってくれた。そのメロディーは、どこか寂しげで、私たちの奥底にある琴線に触れるような、何とも言えず清らかで心地よいものだった。

その晩、私はテントの外で寝た。満天の星空を仰ぎながら、私は赤い大地に横たわった。その時、本当に私はこの大自然の中でちっぽけな存在なのだと実感した。明かりも何もついていないのに、辺りは満月の光で不思議なほどに明るかった。遠くでナバホ・フルートの音色が流れ、美しい星空はどこまでも広がり、本当に清らかで美しい夜だった。私は生まれてから、こんなに清らかで平和な時を過ごしたことはなかった。自然と心が澄んでいくようで、不思議と涙が出てきた。星空に吸い込まれてしまったのか、私は素晴らしく美しい星の世界にいる夢を見た。私はこの夜のことを一生忘れない。


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