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SIA、半導体市場が2000年まで2桁成長を続けると予測
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 米国半導体工業会(SIA)は29日(米国時間)に発表した年次予測で、半
導体売上高が向こう3年間堅調に成長し、2000年までに2,320億ドルを超
えるとの見通しを示した。
 世界の半導体売上高は97年、前年比5.5%増の1,391億ドルにとどまる
見通し。だが、SIAは、98年には前年比16.8%増の1,626億ドルに拡大し
、99年および2000年も2桁成長が続くと予想している。
 98年の世界の半導体売上高の増加額は、234億ドルの見通し。99年の
半導体売上高は前年比19%増の1,930億ドル、2000年は前年比20%増の
2,320億ドルと予想されている。なお、90年の半導体売上高は505億ドル
だった。
 SIAによると、為替変動要因(特に、ヨーロッパや日本の通貨に対する
ドルの急激な高騰)を除くと、97年の成長率も10.4%と2桁に達する見込
み。
 SIAの年間予測は、DRAMチップ市場が98年に、96年以来の価格低迷か
ら回復するという見通しに基づいている。
 DRAM市場は、95年に408億ドルとピークに達した後、96年に251億ドル
にまで落ち込んだ。DRAMの価格低下と供給超過は97年も続き、売上高は
さらに208億ドルに減少する見通しだ。しかし、SIAは、98年のDRAM市場
の成長率を20%と予想。99年は28.5%、2000年は29.7%と高い成長率が続
くとみている。
 また、SIAは年次レポートの中で、インターネットの利用拡大とPCや
家電用ソフトの進化も、半導体の販売を押し上げると予想している。
 SIAの予測は、WSTS (World Semiconductor Trade Statistics)に属す
る半導体メーカーのアナリスト70人以上による調査結果をまとめたもの
。
 SIAによると、97年、アジア太平洋市場の半導体売上高はヨーロッパ
を超え、米国は引き続きマイクロプロセッサの最大の市場となった。ヨ
ーロッパのマイクロプロセッサ市場は第2位の規模だった。
 また、97年にマイクロプロセッサの売上高はDRAMの売上高を超え、半
導体市場の最大のセグメントとなった。だが、2000年の時点では、DRAM
が最大のセグメントに返り咲く見通しという。
 29日夜にサンノゼで開かれるSIAの年次予測発表記念ディナーで、ル
ーセント・テクノロジーズのマイクロエレクトロニクス・グループ担当
社長、カーティス・クロフォード氏がスピーチを行う。同氏は、半導体
産業が1つのチップ上にすべてのシステムを統合しようと動くなか、チ
ップ売り上げを追跡するための新しいカテゴリーが必要になっているこ
とに注意を喚起する予定だ。
 「今後5年間に、システムレベルのIC (集積回路)が半導体売り上げ全
体の10%以上を占めるようになると予想される。この大きな変化をとら
えるため、我々は新しい製品カテゴリーを必要としている」(クロフォ
ード氏のスピーチ原稿より)
 さらに、クロフォード氏の原稿は、半導体産業がますます細分化して
いくとも指摘している。
 「今後、1つのチップの上に極めて多くの異なる機能が集積されるよ
うになる。このため、1社がすべての要素でトップに立つのは、今より
はるかに難しくなるだろう」
 SIAは77年に設立され、米国の半導体メーカー65社以上が参加してい
る。
 29日に、AMDの会長兼CEO、ジェリー・サンダース氏がSIAの会長に就
任する予定。
(IDG News Service)

Oct. 30, 1997