卒業に向けて頑張っている留学生の皆さんに共通した就職関連の問題について、 編集部に以下の質問がありましたので、行政書士の古谷先生に解説して頂きまし た。皆さんのご参考となるかと思いますので、以下に掲載いたします。
------------------------------------------------------------------------ ・質問 私は 自費留学生で、修士過程修了後博士過程に進み、現在3年生です。 来年3月に学位論文提出後学校を中退して4月に日本企業に就職する予定です。 今から留学ビザから就労ビザに変更しようとしていますが、手続きについて以 下のことを教えて頂きたく、よろしくお願いします。 質問一、修了見込み書でビザ変更申請できるが、修了証明書がおりるまでビザを 発行してくれないと聞いました。博士課程の場合、9月頃学位審査が完 了するまで学校から修了証明書が出ないため、入国管理局にどのように 説明すればよろしいでしょうか。 質問二、申請書類として、学歴、職歴を証明出来る書類は要求されますが、どの ような書類を出せば宜しいでしょうか。 質問三、申請書類として、履歴書(出身地、居住歴、学歴、職歴)を求められま すが、それは0歳から現在まで全てを書くという意味でしょうか、学歴 と職歴欄とは別に居住歴欄を設けて纏める必要ありますか、又、留学す る前に日本の会社に一年間実務研修したことがあります、それについて も職歴欄に纏めるかあるいは研修欄を設けて纏めた方が良いでしょうか。 ・回答 1.本件は、留学から就労関係の在留資格への変更許可申請にあたるが、本人の 専攻及び就職先での職務内容が不明なので、「人文知識・国際業務」への変更に なるか、「技術」等へのそれになるか、回答することは出来ない。 そこで、便宜を図るため、本件は、本人が理工系の技術者で、就職先では技術 系の職務に就くという、「技術」への変更許可申請のケースであると仮定して、 以下、回答していく。 本問の趣旨は、申請にあたっての博士課程修了見込証明書の取扱についてであ る。本人は来年3月に退して同4月から就職する予定であるが、中退してもなお、 同9月には修了証明書が発行されるという。この辺りの事情は把握しかねるが、 要は、申請時においては修了見込証明書しか発行されない、ということであろう。 そして、本人は、修了見込証明書を添付して申請を行ってから、修了証明書が発 行される同9月までの期間、如何に審査がなされるのか、との不安を抱いている ようで、その不安を解決するための回答を求めていると理解してよかろう。 本件のポイントは、学歴を「博士課程中退」として申請するのか、「博士課程 修了見込」として申請するのか、との点のある。仮に「修了見込」として申請す るのであれば、申請時において「見込証明書」の添付、許可時までにおける「修 了証明書」の提出は、当然求められよう。この場合、審査は博士課程修了証明書 を見込んでなされ、それによって修了の事実が確認できた段階で、はじめて許可 がなされる。これによって、審査から許可に至る真正が確保されることになる。 反対に、修了できなかった場合には、「見込み違い」の審査がなされたことのな るので、原則として許可は下り無いと見るべきであろう。しかし、実際は、この 場合でも、入管側の良心的名裁量行為によって審査の差し戻しがなされ、許可さ れることもないわけではない。 では、「博士課程中退」として申請した場合はどうか。この場合、最終学歴は 「博士課程中退」で固定され、審査がなされるので、修了したか否かの確認は不 要である。したがって、修了証明書の提出も求められないのが原則である。なら ば、この場合、申請時に修了見込証明書の添付で足りるのか。 結論から述べると、本人は大卒以上の学歴があるので、申請時現在での最終学 歴に関する証明書を添付すれば足りる。つまり、博士課程の修了見込証明書或い は中退証明書を添付して申請すれば足りる。 理由は、技術への在留資格変更許可申請においては、日本で専門学校を卒業し、 かつ「専門士」の称号を取得した者、又は本国或いは日本に大学(一部の短期大 学を含む。)卒業以上の学歴を有する者であれば、学歴面での申請者適格が得ら れるからである。就職希望の大学院中退(予定)者である本件本人の場合、申請 時すでに大卒以上の学歴を有しているので、申請者適格となっており、これを証 するために上記証明書を添付すればよいのである。 2. 本件の場合、学歴のみで申請者適格を有しているため、敢えて職歴証明書 に関しては添付の必要はない。しかし、関連業務の実務経験があるのであれば、 それを証する書類を積極的に添付することで、審査を有利にすることもあろう。 なお、学歴証明書に関しては、前記回答1.のとおり、最終のもののみで足り る。 3.履歴書の関しては、居住歴についての記載は不要である。これが必要なのは、 帰化申請においてである。 又、履歴書の書き方は原則として自由であるが、学歴、職歴については詳細の 記載するのが、常識的である。日本での実務研修の経歴もあるとのことであるが、 これ自体は本件申請においてマイナス要因とはならないので、積極的に記載すべ きである。 用紙の指定もないが、履歴事項の真正を証するため、本人の署名・押印は忘れ ずに。 以上
行政書士古谷武志事務所:古谷武志(03−3692−0778)