卿の逆襲 (KYO STRIKES BACK!!)


                      written by 狂極

第参話:凄惨!! 卿の逆襲 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5人は地下2階の『黒鉄の間』の探索を開始した。例によって二手に別れてここ の広間を探索し終わったあと、車座になって各々の探索結果を持ち寄った結果次 の事が判明したのであった;   1.1階と同じように入口を背にして左右及び前方に、3つのドアがある。   2.左のドアの壁には;         【スクロールの言葉を考えよ】   3.右のドアの壁には;         【装備を忠実に】   4.中央のドアの壁には;         【上昇か? 下降か?】 井戸検事:うーん、又分からなくなって来た。何でしょうね? これらの言葉      の意味は? ねー、署長。   何をするにも練田署長の意見を確認する井戸検事刑事であった... 山亀警部:...(どうもさっきから気にいらんなー、井戸検事の言葉は)... 練田署長:とにかく前のように二手に別れて探索してみよう。 愚羅市長:そうだな、私と署長は左を行こう。山亀警部と残りは右を頼む。   犬猿の仲とは云ってもいざとなると、市長は頼りになる練田署長と離れたくな   かった。探索を終えた5人は再び車座になって手にいれたアイテムを持ち寄っ   た。 山亀警部:へー、今回も色々なアイテムが集まりましたねー。 木戸判事:山亀警部、そんな暢気な事を云ってないで早く良吉の消息を追いましょ      うよ。私の忠実な部下だったんですから... 練田署長:うん、木戸判事の云うとおりだ。 愚羅市長:うんうん、早く良吉とカッパー.ドラゴンのあとを追おう。   少しは反省している...愚羅市長であった。各々が集めてきた物は;    1.新訳聖書     2.黒鉄の鍵     3.マップ2(黒鉄の間)     4.スクロール1     5.はがねの剣     6.はがねの鎧     7.はがねの盾     8.はがねの兜     9.ゲーム書2(アクション) の9つであった。 練田署長:装備や鍵類は1階と同じだが...このスクロールと云うのは一体何で      しょうね、市長。何か書いているようですが.... 愚羅市長:うーん、多分何かの言葉であろう。これは多分...スクロールと云う      事から判断して...多分...何かの作り方では...ないだろうか      !? ...ツクロールなんちゃって。 全 員: .............................   練田署長を始めとする残りの刑事達は、市長のあまりのアホさ加減に....   思った...(無事に帰ったら真っ先にこのアホ市長を首にしないと...) 山亀警部:ふーん、スクロールにはこの様に書いていますね;         【1−>2−>1−>2−>3 : 階層迷宮】         つまり...階層迷宮...なんですなー...はっはっは   練田著長は更に思った...こいつを警部にしたのは...やはり...一生   の不覚だった...かもしれない...) 井戸検事:とっ、とにかくアイテムや鍵は愚羅市長に持て貰うとして今度のはがね      の装備は一体...誰が...持ちます!? 練田署長:これはやはり...木戸判事に装備して貰う。判事!君の部下、良吉博      士の仇を討つ意味でも君が装備しなさい。いいね! 木戸判事:ははー、しょっ、署長!有難き幸せに存じます。   と云うや否や、木戸判事ははがねの装備を取り付けた。知らぬが仏とは...   この事を云うのであろう.....この装備の真の意味を、彼らが知るのはま   だまだ先の事であった。   ともあれ彼ら5人は【黒鉄の間】のマップを見ながらアイテムの取り残しが   無いかどうか確認した後、最後の中央のドアを開いて先に進んだのであった。 井戸検事:かなり長い通路ですね、この先はどうなっているんですか?署長! 練田署長:うん、この先は2又で、両方とも行き止まりになっているようだ。 山亀警部:それじゃー、また二手に別れますか? どうします? 愚羅市長:いいや、この前のようにこの先『卿』が何を考えているのか油断は禁物      だ。出来るだけ全員で行動しよう。      ...(アホ警部めが...襲われた時には一人でも多い方がわしが逃      げられ易いのだ。余計な事を云うな!) 練田署長:そうだな、やはり此処は装備の十分な木戸判事を先頭にして全員で探索      した方がいいだろう。先ずは右から行こう。   そうして5人は先に右の通路を進んでいった..... 木戸判事:なっ、何だ!? 署長!今度は上りの階段ですよ。一体全体どうなって      いるんだ!? 此処の迷宮は..... 愚羅市長:登ってもしょうがない、此処は地下迷宮なんだからな。卿は地下にいる      はずなんだ。     愚羅市長の一言で全員元来た道を引き返して左の道を進んで行った。案の定ド   アがあり、そこを開けてみると下り階段があった... 木戸判事:あった、有りました、下り階段です。さあ、先を進みましょう。   階段を下ると再びドアがあった.....5人は恐る恐る中に入った... 井戸検事:...うん!? 何もない....ただの広間じゃないか。うん!?       中央の壁に何か書いていますよ。読んでみよう。          【ふふふ、愚か者め! スクロールを読め!!】 山亀警部:ふーん、どうやら此処は行き止まりですね。署長。もう一度スクロール      の内容を見てみましょうよ。 練田署長:どうやら『卿』に一杯食ったようだ。何となく不吉な予感がする急いで      引き返そう!!   5人は直ちに引き返して部屋を出てドアを閉めた...と同時にゴオオウゥー   ーと云う音がしたかと思うと...閉めたドアから水が洩れてきた... 練田署長:やばい!グズグズしていると、全員水に飲まれてしまうぞ!さっきの上      り階段まで急ぐんだ! 井戸検事:ひぇー、なむさん! 俺はまだ死にたくねぇよ。 全員我先にと引き返して先ほどの上り階段を上がって行った。階段の先には1   階と同じ銅色の壁に囲まれた長い通路が続いていた。 愚羅市長:ひいひい...ぜいぜい...こっ、これでひと先ずは大丈夫だ。ひー      、疲れた。一時はどうなるかと..... 練田署長:うーん、此処は当然1階だな...市長、マップを見せて下さい...      やはりそうか!1階はここ...2階は...うーん、そうか! 分か      ったぞ、諸君。多分、この先に再び2階への下り階段があるはずだ。そ      してその先に恐らく3階への下り階段がある。成る程、スクロールの      【1−>2−>1−>2−>3】は、地下3階へ向かう順路の事だ。 井戸検事:そうか、これが【階層迷宮】の意味だったんだ。地下3階に行く為には      一度1階に戻ってからでないと、行けないわけか。ふん、『卿』の奴め      、なかなか味な事をやるなー。 山亀警部:井戸検事!感心していてもしょーがない、行こうぜ。(ううっ、井戸検      事に先を越されてしまった...畜生、面白くない) ともあれ5人は進んだ。一通り進むと練田署長の予想通り下り階段が見えた。   その階段を下ると更に下り階段が見えた。下って行くとその行き止まりに今度   は『銀色のドア』があった。その壁には;        【地下3階  : 地獄の2丁目!】 【白銀の間  : 次に死にたい奴は誰だ!】   と書かれていた........ 木戸判事:げげ! 地獄の2丁目ですって、いきなり2丁目とは何だ! 愚羅市長:多分...2階の入口が1丁目なんだろう。 練田署長:気をつけろ!みんな!! 何が出て来るかわからんぞ!!! 山亀警部:すっ、木戸君、君が先頭だ! そっと、ドアを開けてみなさい。 井戸検事:警部、警部、あんたが近いんだからさっさと開けてみたら... 山亀警部:なっ、何だと! 井戸検事、だったらお前が開けろ!! 井戸検事:いえ、いえ、滅相もない...ここはやはり、装備の十分な木戸判事に      開けて貰いやしょう。   木戸判事は恐る恐る愚羅市長から手渡された黒鉄の鍵でドアを開けた。ドアの   先には真っ黒な鉄格子が..その先には..... 木戸判事:ぎぇー...また...いたぁーーー。逃げろ!!!   再び...真っ黒な鈍い肌を持った...『アイアン.ドラゴン』がいた。 練田署長:おっ、落ちつけ! 木戸判事!! 奴は鉄格子の先だ。馬鹿者。 愚羅市長:でっ、でもどうするんだ!?署長! 奴が居たら先に進めんぞ。 山亀警部:木戸判事! 俺達が銃で後ろから援護するから隙を見て、剣で奴の急所      を突くんだ!!いいな!!!   木戸判事を先頭にして残った4人はドラゴン目指してパイソン357をぶっ放   した!!! ドラゴンがたまりかねて一瞬怯んだ隙に、突進した木戸判事の剣   がドラゴンの心臓部分にブスリ!と突き刺さった。 井戸検事:やった! 見事、木戸判事。早く離れるんだ。 木戸判事:ひっ、ひぇー...てっ、手が滑って奴の手に捕まった...だっ、誰      か助けて...くれーーーーー。   4人は一瞬何が起こったのか分からず、呆然としている間に、木戸判事の体は   ...メリメリ...と音を立てて...鉄格子の間から引き込まれていった   。木戸判事の断末魔の叫びが迷宮中に響きわたった.....     『ぎっ、ぎっ、ぎょえぇーーー、うぎゃあぁぁぁぁーーーー』   木戸判事を引きずりながら、アイアン.ドラゴンの体は鉄格子の暗闇の先に消   えて行ったのであった.....   『卿』の迷宮...2人目の犠牲者であった......      茫然自失した4人は、唖黙ったまま何時までも鉄格子の先の闇を見つめていた −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−          卿の逆襲 第参話:凄惨!! 卿の逆襲     − 完 − 第四話:死闘! 恐怖の地下ダンジョン −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   最初に気を取り戻したのは練田署長であった。 練田署長:おい!みんなしっかりしろ! 市長も気を取り戻して下さい!! 愚羅市長:ああ、すっ、すまん、署長。私とした事が..... 山亀警部:木戸判事...助平で...ロリコンで...テレクラ魔王等とと呼ば      れていたが善い奴だった。『卿』の野郎、いくら裏切り野郎とは云え、      血も涙も無い奴... 練田署長:奴はもう人間ではない! WH−ビールスに感染した魔物だ!! これ      から先も何が起こるか分からない。みんなくれぐれも油断するな!! もう何が起ころうと『卿』を倒さない限り此処からは決して脱出出来な      いんだからな!!!   こう云う練田署長は、いつものロリコン署長等と呼ばれるふざけの署長の姿は   見られない、シリアスな一人のプロフェッショナルに変わっているのであった   ともあれ気を取り尚した4人は鉄格子を開けて中の広間の探検を開始した。中   は白銀色の大広間であった。例によって探索を終了した4人は情報を持ち寄っ   た; 井戸検事:此処も1/2階と全く同じ構造ですね。以外に単純な構造ですね。      『卿』も迷宮の造りに関してはトーシローですね。ははははは。   次の災難が当の自分に降り掛かる事も知らず、暢気な男であった...。 山亀警部:やはり正面のドアが次に続く通路だと思います。此処で手に入れたアイ      テムは次の通りでした;    1.コーラン     2.銀の鍵     3.マップ3(白銀の間)     4.スクロール2     5.シルバー.アックス     6.シルバー.アーマー     7.シルバー.シールド     8.シルバー.ヘルム     9.シルバー.グローブ    10.ゲーム書3(SLG)    11.王水の入った瓶x2 井戸検事:しかし、ここでも変てこな物が有りますねー。一体、ゲーム書とかコー      ランとか王水の瓶なんて云うのは何に使うんでしょーか。さっぱり分か      らない。でもシルバーの武具はいいですねぇー。今度はグローブまであ      りました。防具としてはこれで完璧ですなぁー、はっはっは。   このグローブも『卿』の仕掛けた2重のワナとは知らず、暢気な井戸検事であ   った.... 愚羅市長:段々袋も一杯になって来たし、余計な物は捨てるかね!? 署長。 練田署長:まあ、『卿』の愛敬と云うことも考えられるが、将来役に立つ事も有る      でしょうから、もう少しそのまま市長に預かって貰いましょう。      さて、マップ1−3を見るとこの迷宮のつながり方も大体掴めてきたか      ら、そろそろ正面ドアから先に進んで見ましょう。   練田署長の賢明な判断であった...最もこれらのアイテムの幾つかは当の   『卿』も思い知らぬ重要な物であった事は、練田署長自身にも気がつくはずの   ものでは無かったが、これは後の話しである.......   しかし、さすがの練田署長もスクロール2に認められた「王水は..を..   する」の謎にだけは注意が行き届かなかった...   その後も4人は数々の上りや下りの階段の迷路に手こずったが、練田署長の判   断や山亀警部や/井戸検事の突飛な感性で、何とか地下4階の入口に辿り着い   た.....彼らの目の前には白銀色に輝く『銀のドア』が分厚く行く手を妨   げていた... 愚羅市長:ふぇーーー、井戸検事よ、何が単純な迷宮だよ、本当に。登ったり、下      ったり、とにかくよく歩いたなー。 井戸検事:やはり流石に『卿』の迷宮、練田署長じゃないけど油断は出来ませんね      甘かった。さて、そろそろドアを開けて先に進みましょうか!皆さん。      愚羅市長、例の銀の鍵を下さい。 練田署長:井戸検事、決して油断をするなよ!いくらお前が銀の装備で固めていて      も何が出て来るかわからんのだからな!! 井戸検事:やだなー署長、私と前の2人を比べるなんて。私はあんなドラゴンにな      んてやられませんよー。   と云いつつも井戸検事は慎重に銀のドアを開けて中を見回した。そこは『黄銅   色』の壁と通路の変哲の無い4角形の広間であった。左右両側と中央前方にド   アが有るのは全く同じであるが、広間の中央にきらびやかな豪華な黄金のドア   があった。その回りは黄銅色に塗ったコンクリートの壁で囲まれた部屋の様で   あった。4人は先ず左右の部屋を探索してその後相談に入った: 山亀警部:どうやらドラゴンは居ないようですね。今回もアイテムや装備がこんな      に有りました:    1.仏教書(般若経)     2.黄金の鍵     3.マップ4(黄金の間)     4.スクロール3     5.王水の瓶     6.ゴールド.アーマー     7.ゴールド.シールド     8.ゴールド.ヘルム     9.ゴールド.ソード    10.ゴールド.グローブ    11.ゲーム書4(ADV)    12.プラチナの鍵 13.スクロール4    14.スクロール5 練田署長:ゴールドの装備は山亀警部に着けて貰おう。後はマップ4とスクロール      はこれから私が見よう。残りは愚羅市長が持っていて下さい。 愚羅市長:げげっ、また私が持つのか? 重いなー...ぶつぶつぶつ...  練田署長は愚羅市長の愚痴を無視して、スクロールとマップの内容を調べた。     スクロール3 : 地下4階/黄金の間     スクロール4 : 武器だけでは...**ない...     スクロール5 : 4−>3−>2−>3−>4−>5 練田署長:ふーむ、次の地下5階は今までよりも更に難解な迷路と階層だがマップ      とのつながりが単純だから何とか成るな。 問題は、スクロール4の      『武器だけでは...**ない』の暗号だが一体どういう意味だろうか      ...しかもスクロール2の謎もいまいち不明だし.... 井戸検事:まあ、署長、次の場所が分かっただけでも十分ですよ。後はあそこの黄      金のドアを調べて早く先に行きましょうよ。多分、あのドアはこの黄金      の鍵で開くでしょうから。   まだじっと考え込んでいる練田署長と疲れてひいひい云っている愚羅市長をそ   のままにして、山亀警部と井戸検事はさっさと黄金のドアを開けてしまった。   すると.....            『グウアォー!!!』   と云う動物の雄叫びと共に、2人の叫び声が聞こえた: 山亀警部:出たー、ドラゴンだ!! 黄金のドラゴンだぁー。 井戸検事:ついに出たか。ゴールド.ドラゴンめ。けっ、警部、逃げちゃ駄目です      よ。練田署長! 援護射撃をお願いします!!!   井戸検事はゴールド.ドラゴンの前に対置して、シルバー.アックスを身構え   た。一方、山亀警部もライバル井戸検事に負けてはならじと、やはり同じよう   にゴールド.ソードを正面に据えて身構えたのであった。今回はグローブでが   っちり武器を握れるせいか、2人とも自身満々の構えであった。   練田署長と愚羅市長の援護射撃の合間に何度か2人の攻撃が命中したが、黄金   色の堅い鱗に包まれたドラゴンには全く刃が立たない。4人は徐々に後ろの壁   に追いつめられていた。その時である、練田署長の張り裂けんばかりの声が聞   こえたのは: 練田署長:山亀警部! 井戸検事! これを使うんだ。今分かったぞ!愚羅市長、      早くあれを、あの『王水の瓶』を2個彼らに渡してやって下さい。      早く! 早くぅ。ゴールドは王水で解けるんだ! 畜生、これがあのス      クロールの意味だったんだ。間に合うか!!   愚羅市長は訳も分からず、急いで2個の瓶を2人に手渡した。2人はすぐさま   瓶をゴールド.ドラゴンに叩き付けた。すると.....:   『ギャオォォォーーーーン』と云う悲鳴とも叫びともつかない、声を出しなが   らゴールド.ドラゴンが後ずさりし始めた。 山亀警部:見ろ! 井戸検事、奴の固い衣が少しずつ溶けていくぞ! 井戸検事:ぬぬぬ、本当だ! よーし、警部今がチャンスだ! 一気に叩き殺しま      しょう。   と云うが早いか、2人はゴールド.ドラゴンめがけてシルバー.アックスと   ゴールド.ソードを叩き込んだのであった。      『ガツン! グサッ! ズボリ! グジャッ!』   攻撃は完璧に決まり、2人の武器はドラゴンの堅い皮膚の中に深々とめり込ん   でいた...かの様に見えた..その時である...練田署長の叫びが再び聞   こえたのは: 練田署長:やっ、止めろ! 2人とも! すぐに離れるんだぁぁぁ!! 愚羅市長:一体、どうしたんだ!? 署長! どうして止めるのだ? 今がチャン      スだと云うのに... 練田署長:ああ、もう...遅い...畜生...『卿』め...こっ、これがお      前の張った2重3重の罠だったのか!!!   練田署長の危惧は正しかった...ゴールド.ドラゴンに打ち込んだ2人の武   器は...そして...2人のグローブと鎧は.... 山亀警部:げっげ、ぬっ、抜けないぞ! 剣が...抜けない。ギャァっ、剣が溶      けていく... 井戸検事:てっ、手が取れない!? 手も身体も熱い! アックスも溶けている。      グッ、グローブが、手が...張り付いて取れない...全然...だ      めだぁぁぁぁーーーーー   練田署長の云う様に最早手遅れであった...王水で溶けたドラゴンの粘液が   接着剤の様に、彼らのグローブを完全に彼らの武器諸共に....2人の体は   同じように溶け始めた鎧と共に、徐々に徐々にドラゴンの体の中に取り込まれ   てしまった。そしてドラゴンは、再び黄金のドアの中に入ってドアを閉めてし   まった...山亀警部と井戸検事の断末魔の声が木霊する...:     『ひいぃぃぃーーー、たっ、助けてーーー、タスケテーーー ****** 』   愚羅市長と練田署長は、徐々に消えて行く2人の悲痛な助けの声をただ茫然と   して、聞いているだけであった........... −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−         卿の逆襲 第四話:死闘! 恐怖の地下ダンジョン − 完 − 次回、最終回 「新たなる強敵」と「宿命の対決 卿vs練田署長」をお楽しみに

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