三鷹がインターネットにHPを持とうと思い立ったそもそもの動機は「脱パソコ
ン通信」、ハッキリ言えば「脱PC−VAN」です。三鷹はもうかれこれ十年以上
、VANを中心にSIGやらサークルやらでアレコレやってきましたが、最近とみ
に窮屈さを実感するようになってきました。このへんのいきさつについて書くと際
限なく長くなりそうなのでカットいたします。(ちなみに、某SIGのOP引き受
けたことと直接は関係ないスよ。誤解なきように)
1.プロバイダとの契約
インターネットに参戦する決心を固めた三鷹が最初にやったのは、誰もが普通に
やるように、プロバイダと契約し、自宅のパソをインターネット環境に対応させる
こと。キカイはNECのバリュースターです。
サークルで相談したところ、複数の方から「お薦めプロバイダ」として紹介され
たのがIIJ4Uでした。他に「BIGLOBEもいいよ」と薦めて下さった方もいたのですが
、「VANとは距離をおきたい」というのがインターネット参入の動機でしたので
、やめにしました。
三鷹の生息エリア内の某所には、専用線でインターネットに直結しているパソが
ありますので、それを使ってIIJ4UのHPにアクセス。「IIJ4U新規加入方法のご案
内」と「Windows95でサインアップするための設定」をプリントアウトしました。
それに従って自宅パソをセットアップ。「コントロールパネルの中の『ネットワ
ーク』で『TCP/IP』の『DNS設定』の設定内にある、『DNSサーバの検索順』に上記
の『プライマリDNS』と『セカンダリDNS』を追加してください」などという記述の
、意味などほとんど分からないまま(笑)、言われた通りにやってアクセス。すで
に28Kモデムがパソに繋がっていたので、比較的簡単な作業でしたが、それでも1時
間以上かかりました。モデムの接続からやらなきゃならなかったとしたら、ギブア
ップしたかもしれません。
とまれ、IIJ4Uにアクセスし、クレジットカード決済でオンラインサインアップ。
手持ちのクレジットカードの中で、一番使用限度額の少ない奴にしました。だって
ホラ、いろんな本や雑誌を読むに、インターネットはセキュリティがダメダメで、
うかつにカード番号流すとハックされるとか何とか、怖い話があるからさ。
ここで最初のトラブル。PPPログイン名、パスワード、Mailアカウントなどの一覧
が画面に出て、それを書き写すなりプリントアウトするなりして、いったん接続を
切り、そのログイン名で再アクセスするのですが、その際にPPPパスワードとは別にM
ailパスワードがあったのを見落したらしく、メールとHP関係のメンテができませ
ん。後日マニュアルと一緒に郵送されてくる「登録完了のお知らせ」を待つことに
なりました。
2.HP制作
「登録完了のおしらせ」が届いて、Mailパスワードを入手し、いよいよHP制作
に。三鷹が使った最初の参考書は「いっきにわかるホームページの作り方」(別冊
宝島332)。「ワープロが打てればたった1時間でマスターできる完全イラスト
図解ホームページ作成法大公開!」と表紙でアオってます。この本を読んでも出来
ないようなら諦めた方がいい、というMSGとも読めます(笑)
まず、自宅のパソ上にHPのメインページを作ります。「たった1時間でできる
」という能書きはウソじゃありませんでした。宝島流のコツは「すでにある他人様
のHPのソースファイルをコピーして改造する」ということ。恥ずかしながら三鷹
はそれまでIEのメニューにある「ソース表示」がどういう意味なのか知りません
でした。なるほど、こうした文書をワープロで作成、編集してIEで表示すれば良
いのか、と。スタートはそんなレベルからです。
三鷹が参考にしたのはVANでも活躍している某氏のHPです。そのソースファ
イルをベースに見よう見真似でHTML文書を書き、素材提供HPで拾ってきた背景を
貼り込んで、IEを立ち上げてローカル表示をした瞬間は「やったあ」でした。ネ
ットサーフィンで見慣れた他人様のHPの「ようなもの」が、見事に画面に出現し
てるではないですか。
翌日、書店で「HTML3.2スーパーリファレンス」(ソーテック社)と「Internetホ
ームページ用素材集 和風コレクション」(インプレス)を買ってきて、背景やバ
ナーを作成して簡単な装飾をほどこしました。HPのコンセプトを「食堂」とする
ことはHP制作を思い立った時から考えていましたので、それらしいビジュアルを
選んで貼りつけていきます。メニュー画面から子ページ孫ページへの相互リンクを
張り、クリック一つで表示が切り替わるのを確認し、9割方完成した気でいたんで
すね。あとはプロバイダにアップロードするだけ、簡単簡単、と。・・・それが大
きな間違いでした。
3.アップロード
さて、出来上がったHPを公開するには、アップロード作業を行なわなければな
りません。そこで必要なソフトがFTPクライアントです。「いっきにわかる」で
推薦しているのはCuteFTPという米国製のシェアウェア。それをゲットするために「
インターネットマガジン」(インプレス)を買ってきました。付録CDーROMから
パソにインストールし、デフォルトで入っていたアメリカのプロバイダのデータをII
J4U用に書き換えて、いざアクセス。
ここで2番目のトラブル。自宅パソ(ローカル)のフォルダ名、ファイル名が化
け化けで読めません。三鷹はデスクトップに「食堂」という名前のフォルダを作り、階
層化してHP関係のファイルを全部入れていたのですが、Windows標準装備の「デスクト
ップ」というフォルダ名からして読めない。
よく考えてみれば当たり前なんですねえ、米国製のソフトだから日本語表示には
対応していない、と(怒) とりあえず「デスクトップ」に相当すると思われる暗号(
?)を紙にメモした上で、ローカルのフォルダ名、ファイル名をすべて半角英数字
に書き直しました。これはまあ、大した手間じゃありませんでした。せいぜい20個
ほどでしたから(怒)
トップページに必要なファイルをアップロードして、インターネット上でHPを
表示してみました。ここで3番目のトラブル。バナーや背景データなどの一部のフ
ァイルが開けません。ローカルではまったく問題無く表示できるのに。アップロー
ドミスかと思いましたが、プロバイダ側を確認すると、当該ファイルは指定通りの
フォルダ内にキチンと転送されているんです。2時間あれこれ調べて、ようやっと
原因が判明。ホストがUNIXのせいでした。DOSやWindowsは大文字小文字の区別をし
ないのに、UNIXはするんですねえ。知らない三鷹が馬鹿でした(怒怒) ファイル
名とHTML文書内表記の大文字小文字を統一して、一見落着、と思いきや・・・
4番目にして最大のトラブルが発生。あるフォルダに入れようとしていた70個の
ファイルが、アップロードしてもプロバイダ側にコピー出来ません。他のファイル
は問題無く転送できるのに、なぜこれらのファイルだけ、プロバイダ側にはじかれ
てしまうのでしょう? CuteFTPの設定をあれこれ変えながら、何度やってもダメ。
プロバイダ側のトラブルに違いない、と確信して、その夜は泣き寝入りしました。
さて翌日、IIJ4Uに直電して問い合せたところ、特に障害などないとのこと。おっ
かしいなあ、と思いつつ、さらに2時間あれこれ調べて、ようやっと原因が判明し
ました。これまたホストがUNIXゆえのトラブル。ファイル名の中に半角「&」を使っ
ていたためだったんですねえ。例えて言うならDOSのファイル名に半角「*」や「?」
を使うようなモンです。分かってみれば何てことはありません。70個のファイル名
と、各ファイル内にHTMLで記述した相互リンクの宛て先名を全部直しました。3時
間ほどかかったかな(怒怒怒)
夏風邪でも引いたのか、ちょと熱が出て頭が痛くなり、半日休みました。
4.運営開始
何とか必要なファイルをすべてアップロードし、9月1日付けで三鷹板吉のホー
ムページ「三鷹食堂」を一般公開いたしました。といっても単に知り合いに「HP
作ったよ」とURLを教えただけですが。サークルなどいくつかの場所では公開前にお
知らせしてましたから、三鷹の悪戦苦闘のプロセスを目撃した方もいらっしゃった
かもしれません。
その後も掲示板やメール関係のトラブルが続き、世間様に多大なご迷惑をおかけ
しつつ、何とか無事に1ヶ月を経過しました。
「三鷹食堂」は総容量わずか2メガバイトなので画像は置けません。もっぱら文
字情報のみを発信しております。興味をお持ちの方は、ぜひ一度http://www.ss.iij4u.or.jp.~mitaka/
にお寄りください。あったかいお茶を用意してお待ちしております。
5.プロバイダ評価
さて、そんなこんなで使いはじめたIIJ4Uの印象は「かなり良い」です。三鷹はそ
れまで専用線でぜーたくしていたので、28Kじゃ遅くて辛抱たまらんかもと懸念して
おったのですが、アクセスの速さは意外なほどでした。回線数にも余裕があり昼で
も夜でも一発で繋がります。
もう1年以上前に自宅からVAN経由でインターネットにアクセスした時は、何
度かけても電話は繋がらなかったり、やっと繋がったと思ったら28Kでは同調できず
に9600dpsでかろうじて繋がったりと、釈然としないことが多くありました。三鷹が
自宅のパソからのインターネット接続に躊躇していた原因でもあります。そうした
経験とは比べものにならないほどの快適さです。
他のプロバイダと比較するとIIJ4Uは使用料金が高価め(初期費用8000円、月額固
定4900円)で、個人HPの容量が2メガバイトぽっきりというのも見劣りするので
すが、接続環境の良さは相当レベルなのではないかと思います。
IIJ4Uはユーザーへの電話窓口がキチンとしているというのも好印象でした。そも
そもパソ関係のユーザー窓口は何回かけても「話中」だというのが常識(?)です
よね。それが一発で繋がって、逆にこっちがあわててしまいました。対応も丁寧か
つ的確です。
以上、読み返してみて我ながら何ともトーシロくさくて嫌になる苦労話でした。
「俺もHPを作ってみよう」という方のために、恥を忍んで開陳いたします。参考
になるとは思いませんが、「三鷹がやれたんなら自分も絶対やれる」という自信を
つけるのには役立つかもしれません。がんばってちょ!
Copyright (C) 1997 by 三鷹板吉 mitaka@ss.iij4u.or.jp
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