完成後の全体像(その後HDDをリムーバブルトレイに入れ、5インチベイ内蔵スピーカーを追加したもの)
○はじまり、はじまり
最近はやりの自作パソコンに、何とか挑戦できないかと97年の春頃から考えていました。過去に、自宅で使っている486-100MHzのパソコンをだまして使い続けるため、あれやこれやと拡張カードに手を出し、そこそこ自作のノウハウもわかっていたつもりでした。しかし、いくら安くあがるとは言え、まだまだパソコンは高価な買い物です。なかなかそのチャンスがありません。
学校に教員用のパソコンを1台導入することになり、だめもとでアキバの自作機セットの見積もりを取ったら、許可が出てしまいました。MMX
200HzにSCSIカードとイーサーネットカード(LANカード)をつけて20万円の品物です。「動かなかった時は責任取ります」と宣誓させられました。こうして、自分の金ではなく人の金で自作することになりました。
学校の場合、商品先渡し代金後日振り込みで購入するのが基本です。アキバのソフマップやツートップでは法人対象の営業部門があるにもかかわらず、面倒くさがって、見積もりを頼んでも無視したり、1週間もかけて作ってきたりします。ツートップに至っては、代金後払いのため通常価格の5%増し代金を請求します。今回はピーシーショップ、ピーテンという業者で、ここではすぐに見積もりも取ってくれて、親切にいろいろとアドバイスもしてくれました。ちょっと割高ですが、5%増しのツートップよりは安くあがります。
○今は自作パソコンの買い時か
今回自作パソコンをやってみようと思ったのは、ひょっとして今が買い時なのかな、と考えたからでした。現在最新マザーボード(MB)はインテルの440LXと呼ばれるチップセットを積んだものです。これは、大きく次の特徴を持っています。
1. E-IDEの約倍の速度を持つウルトラDMA/33のHDDに対応
2. USB (Universal Serial Bus: さまざまな周辺機器を外部に設定したハブから
一種類のケーブルで接続するもの。機能だけで対応商品はほとんどなし)
3. SDRAM (シンクロナスDRAM)と呼ばれるより高速なメモリーに対応 (168ピン
DIMMとも呼ばれる)
4. AGP (Accelerated Graphic Port: 高速な画像表示(ことに3次元画像)を可能に
するチップ)に対応
5. Pentium IIに対応
440LXは最新のMBだけあって価格も3万円程度します。さらにPentium IIというCPUが最低でも7, 8万円はします。
440LXより一世代前のチップセットは430TXです。このチップセットを搭載したMBは、2万円程度で購入できます。CPUも2万円程度で購入できます。この430TXと440LXで、何が違うかというと、430TXには上の4, 5の機能がないということです。
5はCPUの問題ですから解決できないとして、4についてはこの機能を十分生かしたソフトウェアはほとんどありません。つまりAGPは現状では、あっても十分に活用できないわけです。本格的な活用はWindows 98まで待たなければならない、とされています。
もちろん今から持っていれば、Windows 98が出てきた時にも対応できるでしょう。ですがWindows 98についても98年の上半期とだけ言われていて、本当のところいつになるのか分かりません。こいつが98年の5月くらいに出るのであれば、その時にはおそらくもっと高性能なMBが出てきていることでしょう。しかも、新しいOSが出始めの頃は、情報不足のためさまざまな問題がでるだろうし、新しいOSに対応したハードがそこそこ出そろい、価格が安定するのにも時間がかかります。「98年上半期」を信じても、実際に「買い時」となるのは98年の9月から10月でしょう。その時期に思い切って最新の機械を購入することを考えればよいのです。
だから今、あわててこの440LXを購入する必要はなく、今すぐ、個人用途でどうしても1台購入しなければならないのであれば現状のWindows 95をストレスなく動かせる430TXのMBで十分、ということになります。しかも、440LXの登場で、430TXのMB自体やCPUもだいぶ値下がりしてきました。430TX購入にあわせて、Ultra DMA/33のハードディスクやSDRAMを買っておけば、MBを440LXに交換した時にも流用できるでしょう。 Pentium IIは現在300MHzのものが出ていますが、ほとんどサーバーなど特殊な用途向きで、個人ユースでそこまで速くすることもありません。430TXはインテルのチップセットですが、インテル以外の会社から、AGPに対応したチップセットが最近商品化されたり、ソケット7と呼ばれる430TX系のCPUを300MHz近くで動作させる試みもなされているそうです。
おいらはPentiumが出始めのころに486-100MHzのパソコンを購入しました。SCSIカードはVL-BUSのものでPCIバスのPentiumでは動かないし、HDDは504MBまでしか使えないタイプでした。これをもう少し待って、PentiumでEnhanced IDEが使える機種にしておけば、拡張カードやHDDで苦労しなくて済んだことでしょう。今の430TX MBは「安くて拡張性がある」マザーボードなのです。
○いよいよ組立
自作パソコンのスペックです。
「初心者向けのトータルキット」ということで、問題なくさくさくと組立は終わりました。マザーボードのジャンパ設定も、デフォルトのままで何の変更もありませんでした。HDD, CD-ROMについても同様です。CD-ROMはデフォルトでIDE Slaveとなっているので、IDEケーブルにHDDに続けてつなげました。
ふつう、自作機の場合、CPUとともに冷却用ファンを購入するようですが、もとからCPUに取り付けられていました。Pentium MMX 200MHzのパッケージは、自作機用にあつらえたもので、簡単な日本語のマニュアルまでありました。静電気防止のビニール袋にはいってくるだけだと思っていたのでちょっと拍子抜けさえしました。CPUにはCD-ROMまでバンドルされていて、「何かな」と調べたところ、CPUとは無関係なCD-ROMアプリケーションのサンプラーでした。
MBを筐体に付ける際に使用するスペーサーがちょっと見たことないものだったのでとまどいましたが、何とかわかりました。拡張カードをいろいろと挿すので、スペーサーは結局穴に合うだけすべて使用しました。LED関係のコネクターは字が小さくてよくわかりませんでしたが、結局のところ、筐体から出ているコネクターのラベル表示がMBの外側にすべて向きました。
ただ、RS-232CやプリンタポートなどのコネクタカバーがMBに対応していませんでした。電話でショップに問い合わせたところ、すぐに新しいものを送ってくれました。なかなかサービスがいい会社です。こういう対応はトータルキットならではのものです。初心者には安心です。
ところがこのコネクタカバーが曲者で、新しいカバーはMBをはずさなければ装填できません。結局、MBのスペーサーをすべてはずし、MBを装着し直しました。
いよいよ電源の投入です。電源をONにすると...、HDDのランプはつくものの、HDDが回転しません。一瞬ドキッとしましたが、P-10の作成した組立マニュアルに「電源のボルト数が合っていないのでは?」とあり、よく見ると確かに、筐体の電源が230Vと表示されています。こいつを115Vにしたところ、ピッと音がしてHDDが回転しはじめました。このあたりの電源の設定についてはあまり解説書で触れられていないところですね。
ディスプレイに接続したところ、Award Biosが立ち上がりました。思わず拍手。パチパチ。
Biosの設定項目は自宅で使用している486マシンの数倍もありそうです。どこをどう変更したらよいのか、何のための項目なのか、いつも迷うところです。ここでも、P-10が用意してくれた独自の組立マニュアルが役立ちました。今回のキットには十分対応していないものの、Biosの設定について具体的な指示があります。ものの本では「2, 3ヶ所修正すればよい」とあったりしますが、そのままではWindowsの終了とともに電源すら落ちませんでした。以下は確認した項目です。中にはデフォルト値のままのものもありました。
Standard CMOS Setup
Hard DiskのPrimary MasterのTypeとModeをAuto 残りをNoneに
Bios Features Setup
Quick Power On Self Test: Enable
Boot up Floppy Seek: Disable
IDE HDD Block Mode Sectors: On
Chipset Features Setup
Auto Configuration: 60ns DRAM
Passive Release: Enable
16-bit I/O Recovery Time: 1 Busclk
8-bit I/O Recovery Time: 1 Busclk
Parallel Port Code: ECP+EPP
Power Magaement Setup
Power Management: Min Saving
DNP and PCI Setup
PCI Letency Timer: 32PCI Clock
完成後の本体内部
○MS-DOSの起動ディスク
ここまで約2時間の作業でした。次はOSのインストールです。
おいらはこんなときのために、最小限のデバイスドライバを組み込んだMS-DOSの起動ディスクを作成しています。以下はその内容です。
CONFIG.SYS
DEVICE=A:\SETVER.EXE DOSのバージョンチェックによる不具合を回避する
DEVICE=A:\BILING.SYS 日本語と英語の両方で使用する
DEVICE=A:\HIMEM.SYS メモリーを広く使うドライバ
DOS=HIGH
DEVICE=A:\EMM386.EXE
DEVICE=A:\JFONT.SYS 日本語のフォント
DEVICE=A:\JDISP.SYS
DEVICE=A:\JKEYB.SYS /106 A:\JKEYBRD.SYS 日本語キーボード
DEVICE=A:\KKCFUNC.SYS
FILES=30
DEVICE=A:\SBCD.SYS /P:220 /S:A0 /D:MSCD001 CD-ROMのドライバ
AUTOEXEC.BAT
@ECHO OFF
PROMPT $p$g
A:\NLSFUNC.EXE A:\COUNTRY.SYS 日本語モードにする
A:\CHEV.COM JP
A:\MSCDEX /E /V /D:MSCD001 /M:15 CD-ROMを利用する
ファイルリスト
COMMAND COM 58,886 93-12-06 6:20 COMMAND.COM
BILING SYS 12,459 93-12-06 6:20 BILING.SYS
JDISP SYS 21,600 93-12-06 6:20 JDISP.SYS
JFONT SYS 22,322 93-12-06 6:20 JFONT.SYS
JKEYB SYS 17,865 93-12-06 6:20 JKEYB.SYS
JKEYBRD SYS 1,377 93-12-06 6:20 JKEYBRD.SYS
NLSFUNC EXE 7,372 93-12-06 6:20 NLSFUNC.EXE
COUNTRY SYS 19,525 93-12-06 6:20 COUNTRY.SYS
ANK16 FNT 4,096 93-12-06 6:20 ANK16.FNT
ANK19 FNT 4,864 93-12-06 6:20 ANK19.FNT
ANSI SYS 9,677 93-12-06 6:20 ANSI.SYS
CHEV COM 9,687 93-12-06 6:20 CHEV.COM
EMM386 EXE 126,046 93-12-06 6:20 EMM386.EXE
FDISK COM 1,606 93-12-06 6:20 FDISK.COM
FDISK EXE 29,853 93-12-06 6:20 FDISK.EXE
FDISK2 EXE 29,833 93-12-06 6:20 FDISK2.EXE
FORMAT COM 26,236 93-12-06 6:20 FORMAT.COM
GAIJI16 FNT 6,144 93-12-06 6:20 GAIJI16.FNT
GAIJI24 FNT 6,144 93-12-06 6:20 GAIJI24.FNT
HIMEM SYS 29,136 93-12-06 6:20 HIMEM.SYS
KANJI16 FNT 260,576 93-12-06 6:20 KANJI16.FNT
KANJI24 FNT 41,336 93-12-06 6:20 KANJI24.FNT
KKCFUNC SYS 4,667 93-12-06 6:20 KKCFUNC.SYS
SETVER EXE 15,027 93-12-06 6:20 SETVER.EXE
CONFIG SYS 257 97-10-15 1:09 CONFIG.SYS
AUTOEXEC BAT 105 97-10-15 1:11 AUTOEXEC.BAT
MSCDEX EXE 25,767 93-12-06 6:20 MSCDEX.EXE
当然、指定したSYSやEXEファイルはフロッピーにコピーしています。CONFIG.SYSのCD-ROMドライバの部分を、それぞれのメーカーが供給するものに置き換えます。起動後は日本語で表示されますが、chev us とすることで英語モードにもなります。
とりあえずCD-ROMさえ認識してくれればあとはWindows 95のCD-ROMを入れれば、HDDはFDISKすらしていなくても、Windowsのインストールはできます。Win 95のCD-ROM中にFDISKとFORMATのプログラムがあるからです。しかし、Windowsをインストールする前に、MS-DOS 6.3もシステムディスクからインストールするのが良いでしょう。Windowsだけではなかなかうまくいかない命令があったり、Windowsが立ち上がらなくなっても、MS DOSがあれば、復活できることがあるからです。例えば、Windowsでゴミ箱から削除してしまったファイルはふつう復活できません。その際に、MS-DOSのコマンド、UNDELETEを実行すれば、復活できることがあります。ところが、このコマンドはMS-DOSモードでマシンが立ち上がらないと実行できません。
○やはり大変だったソフトのインストール
組立は順調に終わり、Biosも表示されたものの、やはり地獄が待ち受けていました。
○MITSUMI製24倍速CD-ROMをWindows 95が認識しない
マザーボードのプライマリIDEインターフェースから、HDDをマスター、CD-ROMをスレーブとしてそれぞれを接続し、CD-ROMからWindows 95のインストールを開始しました。
まず、上で解説したDOSの起動ディスクから、MITSUMI製CD-ROMに付属のドライバディスクを用いて、CD-ROMドライブのドライバをコピーし、CONFIG.SYSに設定します。起動後、CD-ROMはBiosで認識された後、CONFIG.SYS, MSCDEX.EXEによってDドライブとして認識されました。ここで、Windows 95のCD-ROMを入れ、SETUP.EXEを実行しました。インストールが進み、再起動がかかった時点で次のメッセージが表示されました。
マルチファンクションデバイス(スタンダード PCI IDEコントローラ)には32ビ
ットドライバを使っている子デバイスと互換モードドライバを使っているデバ
イスがあります。この設定はサポートされていませんので、エラー回避のため、
コンピュータは停止されています。
コンピュータを再起動した後で、Windowsはこのマルチファンクションデバイス
についている子デバイスの互換モードドライバを使います。32ビットドライバ
を使用する場合は、製造元に連絡して問題の起きたデバイス用の新しいドライ
バを入手するか、またはデバイスを使用不可にしてください。
これ以降、Windowsは再び立ち上がったものの、CD-ROMは一切認識されなくなりました。コントロールパネルの「システム−デバイスマネージャ」と選択しても、CD-ROMドライブは現れません。同じくコントロールパネルから「ハードウェア」を選択し、新しいハードウェアを探索しても、新たにCD-ROMは見つかりませんでした。
さらに、デバイスマネージャの項目において、「その他のデバイス」として PCI Bridge と PCI Card という項目が「?」マーク付きで表示されていました。この項目を削除して再起動したところ、デバイスドライバの要求がなされましたが、どのフロッピーに保存されたドライバであるかが分かりません。
また、ハードディスクコントローラとして「スタンダードIDEコントローラ」が機能していますが、この項目の下に「プライマリIDEコントローラ」「セカンダリIDEコントローラ」の2つが表示され、それぞれ「?」がつけられています。それぞれを削除しようとしたところ「削除できません」と表示されました。
その後、CD-ROMドライブに付属のドライバのはいったフロッピーディスクからSETUPD.EXEを起動し、CドライブのCONFIG.SYSにドライバを追加したところ、CD-ROMが認識されるようになりました。
上の状況は以下のことがらから発生したものと考えられます。
マザーボードのIDE インターフェースにWindows 95のIDEコントローラが対応し
ておらず、Windows95が「マルチファンクションデバイスについている子デバイ
スの互換モードドライバ」を使った結果、「互換モードドライバを使っている
デバイス」(すなわち、IDEハードディスク)は生き残ったものの、「32ビットド
ライバを使っている子デバイス」(すなわち、CD-ROMドライブ)が切り捨てられ
た。
MITSUM社のドライバディスクには次のような記述があります。
------------------------------------------
| MTMCDAI.386について |
------------------------------------------
Windowsで32-Bit Disk Access機能を使用する場合、MTMCDAI.386をインス
トールする必要があります。
(ハードディスクと同一ポートを使用している場合のみ)
導入プログラムを使用すれば、自動的にインストールされますが、もし
導入プログラムを使用しないでインストールする場合は、SYSTEM.INIの
[386enh]セクションに次の行を付け加えて下さい。
DEVICE=[ドライブ名:][パス名]MTMCDAI.386
注意:このドライバは、以下の環境で正常動作しません。
* Windows for Workgroups 3.11
32-bit Disk Access ON
32-bit File Access ON
* 圧縮されたハードディスクを使用(DBLSPACE,STACKER...)
この場合、32-bit Disk Access または 32-bit File Access の
どちらか一方の機能を使用しないで下さい。
○バスマスタドライバ?
以上のことからいくつかの解決方法を思いつきました。
1. Mitsumiの上の文章からわかる通り、「ハードディスクと同一ポート
を使用している場合」なので、もう一つIDEケーブルを用意してCD-ROMを
マスターにしてプライマリIDE インターフェースに接続する。
2. 今回はULTRA DMA/33という、速いIDE HDDに対応した430TXのチップセ
ットなので、Windows 95のオリジナルドライバでは対応しきれない。マザ
ーボードに付属のCD-ROM中でドライバを探す。
まず、1についてやってみました。Biosの設定が悪いのか、Biosで認識すらされなくなってしまいました。これではDOSレベルで利用すらできません。結局もとの通り、HDDのスレーブに戻しました。
2についてはやっかいでした。ASUSのMBには日本語と英語のマニュアルがあります。この内、日本語版は複数のマザーボードの内容をまとめたもので「最新の情報については英語版もしくはWWWサイトを見るように」と指示があります。英語版は購入したMBにのみ対応したもので、くわしく書かれています。日本語版マニュアルにはどこを探しても、ドライバのインストールについて記述がありません。英語版のマニュアルで付属CD-ROMのコーナーに、わずか1行、次の項目がありました。
BusBaster: Installs Intel BusMaster IDE drivers
CD-ROMドライブを認識させるためのドライバがCD-ROMに入っている、というのもおかしな話ですが、まあやってみることにしましょう。
Windows 95を立ち上げ、MB付属のCD-ROMからバスマスターに関するドライバをインストールするプログラムを走らせました。ハードディスクにいくつかのファイルがコピーされた後、「途中、リアルモードのCD-ROMドライバがあるので必ず後で削除するように」と英語のメッセージがでました。メッセージの確認ボタンを押したところ、ハングアップしてしまいました。
DOSで立ち上げ、エディターを用いてHDDのCONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATから関連するCD-ROMの記述を削除しました。(こういう時のためにやっぱりMS-DOSはきちんとインストールしておく方がよい)
Windows 95が立ち上がりましたが、当然、途中でハングアップしたのでCD-ROMは認識しません。バスマスター関連のディレクトリを見ると、いくつかのデバイスドライブがコピーされていました。デバイスマネージャからIDEコントローラを削除し、このディレクトリ中のドライバを指定してやると次の表示がなされ、ドライバが組みこまれました。
Intel 82371AB PCI Bus Master IDE Controllers
ここで再起動をかけたところ、あっけなくCD-ROMを認識しました。今度は「システム」の中にきちんと表示されています。「セカンダリIDEコントローラ」の項目は「!」でしたが「プライマリIDEコントローラ」の「?」は消えていました。セカンダリについてはBiosで「使用する」と指定しているから当然でしょう。
PCI BridgeとPCI Cardについてもバス関連のドライバと思われますが、未解決のままとりあえずソフトのインストールを始めました。さすがに24倍速のCD-ROMは速く、Office 97も約10分程度でインストールが完了しました。
○頼みの綱の雑誌記事
ひとまず、CD-ROMが動くようになったので、ちょっと落ち着いて過去の『PC自作派』をもう一度見直してみました。
○97年7月号の『PC 自作派』から
この号の特集の一つは ULTRA DMA/33のハードディスクです。そこには、次の記述がありました。
「マザーボードに付属しているドライバでインターフェースをインストール
し、無事認識すればウルトラATAの性能を享受できる」(p. 11)
さらにこのp. 11にはデバイスマネージャでこのバスドライバを選択している画面表示があり、この画面には今回の場合と同様に PCI BridgeとPCI Cardの項目が 「?」 となっています。どうもこの2つのデバイスについては、訳がありそうです。
○97年10月号の『PC 自作派』から
また、97年10月号の同誌には、自作機のソフトをインストールする際に生じるトラブルへの対処法として、Web上から次のような情報を入手していました。
1. MBメーカーのホームページから最新のBios
2. インテルの最新のバスマスタドライバ
3. Yahoo!から関連する情報
1. MBメーカーのホームページから最新のBios
今回のMBはASUS社のTX-90XEです。同社のホームページ(http://www.asus.com.tw/)に行って来ました。comの後のtwは「台湾」です。
MB別にさまざまなBiosがアップグレードされていました。今回のTX-90Eは、97年4月にリリースされた商品ですが、既に2回ほどアップグレードが行われていました。以下は最新版のBiosに与えられていたリリースノートです。
TX97-XE BIOS ver. 0107
1. Release I/O ports 290h-297h if LM78 is not supported.
2. Fix unexpectedly power-up occurred in case where the system is
put
into an off state by a 'power-button > 4 sec' event and the system
was
in a standby state when this power-button event generated.
3. Support IOMEG ZIP 100 boot.
4. Fix CDROM boot fail if system is SCO and emulate to floppy
5. Fix DOS6.22 fdisk.exe size not match with WIN95 OS-R2
6. Fix Quantum 12GB drive detect as 8GB.
7. Fix SCO OS bootable CDROM for install error
8. Add USB keyboard 102-Key support.
9. Fix can't format 120MB diskette in WIN95-OSR2 when insert 720KB
or 1.
44MB diskette in drive before WIN95 boot
10. Fix can't format 120MB diskette in WIN95-OSR2 when dirve A is
1.
44MB standard Floppy and drive B is LS120 drive
11. Change FAN speed display to match LDCM FAN speed value. LDCM
reported 1/2 of the 'actual' RPM value.
12. Remove Boot Up Speed item.
13. Fix IRQ12 not reserved when setting PS/2 Mouse Function Control
to
Enabled.
英文ですが、要はこれほどのバグを修正してできたものである、ということです。これではちょっと恐ろしくて発売したばかりのMBやサポートに熱心ではないメーカーのMBはとても買う気になれません。自作機のMBでは必ず、最新のBiosをWeb上からダウンロードしなければならないようです。
○Asus社のホームページ
Asus社のページを探しているとUtilityの項目に次のソフトを見つけました。
http://www.asus.com.tw/Products/DRIVERS/drv-util.html
TX97 series M/B patch file for win95
txpatch.zip
Solve Windows 95 can't recognize PIIX4 and TX chip
Solve unknow device such as "PCI card" and "PCI bridge"
Because Windows95,Windows 95A, and Windows 95B can't detect Intel430TX
chip,
it causes system to appear question mark "PCI card","PCI bridge".
This
utility will fix these problems and only use for ASUSTeK's motherboard.
MBをWindows 95で正しく動作させるためのパッチソフトです。ここには、「Windows 95では今回のIntelのTXチップを認識せず、それによって"PCI card"と"PCI bridge"が「不明なデバイス」として表示される」と記述されています。これでデバイスマネージャの謎が解けました。
2. インテルの最新のバスマスタドライバ
このドライバについて『PC 自作派』10月号は以下のサイトからダウンロードした、とあります。
http://web2.airmail.net/ksmm/software.htm
さっそくダウンロードしました。確かに、こちらのドライバの方が、インテルやAsus社のWebサイトのものよりより新しいものとなっていました。インテルより新しい、というのはどういうことなのでしょうか。
3. Yahoo!から関連する情報
分類として computer から hardwareを選択し、PCI Bridgeをキーワードとして検索を行いました。Yahoo!にはWebサイトの他、ニューズグループの関連情報も蓄積されているようで、関連した記事がぞろぞろと出てきました。
その中の一つがMicrosoftがサポート用にQ&Aを蓄積したMicrosoft Knowledge Baseでした。
http://premium.microsoft.com/support/
Device Manager Reports a PCI-to-ISA Bridge Conflict
Last reviewed: April 3, 1996
Article ID: Q135180 The information in this article applies to:
SYMPTOMS (症状)
Device Manager displays a PCI-to-ISA bridge with an exclamation point
in a yellow circle, indicating that there is a resource conflict.
(PCI bridgeに「!」がつく)
CAUSE (原因)
This behavior is typically caused by a Plug and Play BIOS that reports
both a PCI and an ISA bus. There is no actual conflict.
(Plug and Play BiosがPCIとISAの2つのバスについて同時に報告を行ってしま
うために生じる。実際には衝突はない)
RESOLUTION (解決法)
You may want to contact your hardware manufacturer to inquire about
obtaining an updated Plug and Play BIOS that reports only a PCI bus,
which in turn reports the ISA bus.
(ハードウェアメーカーからPCI busのみ報告を行い、引き続いてISAバスを報告
する最新のPlug and Play Biosを入手する)
さらにこのYahoo!の検索から次のIntelページに行き当たりました。このページは『PC 自作派』10月号, p. 28のものと同じもののようです。
http://developer.intel.com/design/motherbd/ideinfup.htm
Intel Motherboards Using 82371SB PIIX3 or 82371AB PIIX4 Component
Updated: Thursday, June 26, 1997
Description (症状)
Some versions of Microsoft Windows* 95 may not recognize the IDE
controller on Intel motherboards using the 82371SB PIIX3 or 82371AB
PIIX4 component. This can cause the BIOS to disable the secondary
IDE
channel, resulting in IDE devices (such as CD-ROM drives) not being
detected or disappearing after the system is rebooted.
(Windows 95がIntel製のチップセットを使用したMBの、IDEコントローラを認識
しないことがある。これによってセカンダリのIDEチャンネルが使用不可となり、
CD-ROMなどのIDEデバイスが認識されなくなる)
セカンダリIDEチャンネルにつないだCD-ROMがBiosで認識されなかったのはこのためでした。
Root Cause (原因)
The PIIX3 and PIIX4 components are not included in the list of IDE
controllers in the MSHDC.INF file shipped with some versions of
Windows 95. During installation, these versions of Windows 95 see
the
IDE functionality but can't identify the exact controller type.
Windows 95 enables the primary IDE channel of the 82371SB or 82371AB,
but assumes that the secondary IDE channel belongs to a non-plug and
play ISA IDE controller. Windows 95 then adds this information to
the
plug and play configuration area. When the system is rebooted, the
motherboard BIOS interprets this information as indicating an ISA
IDE
expansion card has been installed, and disables the onboard secondary
IDE channel -- rendering any devices on this channel inaccessible.
The
most common symptom is that the CD-ROM drive will not be recognized
by
Windows 95 after rebooting the system.
(Windows 95がこのIntelのチップセットに対応したIDEコントローラの情報を持
っていないのが原因。Windows 95はプライマリのIDEチャンネルを動作可能とす
るが、セカンダリIDEチャンネルはplug and playに対応していない ISA IDE
コ
ントローラであると認識する。これによってISA IDE の拡張カードがインストー
ルされていると認識し、MB上のセカンダリIDEチャンネルを動作不可とする。そ
の結果、セカンダリIDEチャンネル上のデバイスはすべて利用できなくなる。こ
とにCD-ROMが利用できなくなることが一般的な兆候)
○ようやく完動か?
MB付属のバスマスタドライバによってとりあえずCD-ROMが認識されるようになりましたが、依然 PCI BridgeやPCI Cardの部分が ? となっているので、問題が解決されずに残っています。
対応策として次のことがらが考えられます。
1. 最新のバスマスタドライバをインストールする
2. MBのBiosを最新のものとする
3. Asus社のWebにアップされていたパッチユーティリティを実行する
さっそく本体を起動して上記項目をチェックしてみました。すると次のことが判明しました。
1. MBのBiosはver. 0104という初期バージョンである
2. バスマスタドライバは96年1月に作成されたものである
この2点はともにMBメーカーが責任を負うべきことがらです。今回のMB TX97-XEは97年3月のリリースですから、ことバスマスタドライバに関しては、当然、それまでに公開された最新のドライバがCD-ROM中に同梱できるはずです。しかし、実際にはWebで情報を公開しているためなのか、ユーザー自身が最新の情報を確認しなければなりません。
Biosの書き換えは、MB上のジャンパーを一時的に「Bios書き換え可」としてから、CD-ROM中のユーティリティpflash.exeを実行して行います。実行はMS-DOSの起動ディスクからCONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATを一切ロードしない状態でMSDOSを立ち上げて行います。書き換えの終了後、直ちにジャンパを「Bios書き換え不可」に戻します。Biosのファイルは130KBにも及ぶ大きなものでした。「Biosの書き換えはMBそのものを破壊することもあるので慎重に」とMBのマニュアルにありましたが比較的スムーズにできました。
引き続き、バスマスタドライバを更新し、PCI Bridgeに関するパッチユーティリティを実行したところ、PCI Bridge, PCI Cardの部分に見られた 「?」 は消え、この項に他のさまざまなデバイスが認識されるようになりました。これらのデバイスはMB上のバス関連のものと考えられますが、詳細は不明です。
CD-ROMが無事起動し、バスの問題も解決され、ようやくパソコンとして「組み立った」状態となりました。
☆拡張カードのインストール
その後、各種拡張カードを1枚ずつ挿し、その度ごとにパソコンに再起動をかけ、要求されるドライバを組み込みます。1枚ずつ挿していくことで、どのカードでエラーが生じたかがわかるからです。今回、はじめに挿したグラッフィックカード以外に利用したのは以下のカードです。
1. サウンドカード(Sound Blaster 16, ISA PnP)
2. Ultra Wide Scsi インターフェイスカード (Tekram社, PCI PnP)
3. イーサーネットカード (3com社, ISA PnP)
これらのカードはいずれもPnP対応です。
イーサーネットカードを挿した段階でエラーがでました。「正常に動作していない」と出るのです。Windows 95のデバイスマネージャで確認したところ、IRQやIOアドレスの衝突はありません。MS-DOSを立ち上げて、カードに付属のユーティリティを起動し、カードの診断を行ったところ「割り当てるIOアドレスがありません」と表示されます。「サウンドカードのPnPにはいろいろな問題がある」と聞いていたので、サウンドカードをはずしてWindowsを再起動したところ、これぞPnPと思わせるように、あっさりと正常起動しました。学校内での使用ですから、音が出てはうるさいばかりです。学内LANに接続できなければ、学校で使用する意義すらありません。ここはとりあえずサウンドカードを捨ててネットワークカードを取ることにしました。
○自作機 いまだ動かず
ところが...
動いたと思ったLAN Cardでしたが、数日後再起動したところやはり同様のメッセージが出て、動作しません。SCSIカードも外してみましたが同じです。カードが壊れたかと思い、他のパソコンから3COM社製の同一カードを挿してみましたが同じ結果がでます。
3COM社のマニュアルにCONFIG.SYS, AUTOEXEC.BATを実行させずにDOSの起動ディスクからDOSを起動し、ユーティリティを起動せよ、とあります。CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを適当な名前にリネームして実行しました。
EitherLink IIIと名付けられたディスクから、INSTALL.EXEを実行します。auto configurationの項目を選択したところ、 unable to locate I/Oaddress (I/O アドレスを割り当てられない)と例のメッセージがでます。
Biosの設定で、2つのcomポートと、1つのプリンタポートをDisable (使用不可)としてWindowsを起動しましたが、やはり「正常に動作していません」とエラーがでます。
3COM社のホームページ(www.3com.com)にアクセスして掲載されているFAQから、PnP機能をはずすことによって動作する場合があることを知りました。
再び、DOSモードのEitherLink IIIに戻りConfigureの項目から、カードの手動設定を選択しました。ここの画面、ちょっとわかりにくいのですが、[Alt]キーとdキーを押すことによって、I/OアドレスやIRQの番号、PnP機能の実行/停止を変更できます。PnPに対してDisableを選択し[OK]を押しました。すると例のunable to locate ...のエラーメッセージが出ますが、それでも変更する、を選択しプログラムを終了しました。これでカードがPnPを使わない、IRQ 10, I/O アドレス 300のカードとなりました。
PnPの機能をはずした場合、Biosの設定でカードに指定されたIRQが他のPnPカードで使用されないよう、設定しなければなりません。
「PC 自作派」によりますと、拡張カードはPnPに関連して次のように分類できるそうです。
PnP カード: すべてのPCIバスを利用するカード
PnPに対応したISAバスカード
非PnPカード (Legacy ISAカードという): PnPに対応していないISAカード
非PnPカードはカード上にジャンパでIRQやI/Oアドレスを指定するようにできています。
今回はPnP ISAカードの設定を変更してLegacy ISAカードとして使用するわけです。
Biosの設定は PnPの項目から変更します。今回は IRQの10番をPnPで使用しないようにするので、「IRQ 10 used by NO/ICU」 の項目を 「IRQ 10 used by ISA」とします。
再び、Windows 95を実行、... やはりだめでした。
ここに来て、やはりこれは「MBの相性の問題」なので、別のネットワークカードを購入した方が良い、と結論が出ました。「MBの相性の問題」、なんだかあいまいな言い方ですね。そう言えば何でも済ませることができる。要は「メーカーのバグ」です。
ただ、せっかくここまでやってきたので、問い合わせのメールをAsusと3COMのサポートに出しました。また、Asus社のMBに関連したニューズグループがあることもわかり (alt.comp.periphs.mainboard.asus)、同一の内容の記事を投稿しておきました。以下はその内容です。
To those who may concern,
(関係各位)
I have recently bought Asus's TX97-XE mother board (MB) and 3com's
3c509b-TP network interface card. I have done the followings:
(TX97-XEと3c509b-TPを買い、次のことを行いました)
1. upgraded Award Bios to 0107
2. upgraded Intel Bus Master Drive (time stamp: 97/06/20)
3. patched Asus's utility, TXPATCH.EXE (time stamp: 97/04/18)
(1. Biosのアップグレード
2. バスマスタドライバのアップグレード
3. TXPATCH.EXEの実行)
Windows 95 reports malfunctioning of 3c509b, although there's not
conflict in IRQs and I/O addresses.
(IRQやI/O アドレスに衝突はないものの「正常に動作していない」と表示されます)
In the minimum DOS mode, I executed "install.exe" bundled with the
EitherLink III disk. I selected the option, "auto configuration".
The programs reports, "Error: there's no I/O address to locate."
(install.exeをDOSで実行したところ、「余分なI/Oアドレスがない」と
エラーがでます)
Then I disabled the two com ports and one parallel port for acquiring
supplementary I/O addresses. However, the diagnosis again reports
the
same error message.
(I/Oアドレス確保のため、comポートを2つ、パラレルポートを1つdisableにし
ましたが、改善されません)
I also disabled the PnP on the NIC, but Windows 95 reports the same
error message.
(LANカードのPnPを解除しましたが、改善されません)
Do you have any suggestion?
(どうしたらよいでしょうか)
Thanks in advance.
****************************************************************
/ Masahito Watanabe /
/ e-Mail: TBB14330@biglobe.ne.JP (^_^)/~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ /
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
○配信されたe-mail
一番早く返信メールが届いたのはAsus社でした。もっともこれは自動返信プログラムによるものです。
ASUS Automated Response
Thank you for contacting ASUS email technical support. Your message
will be answered in the order it was recieved. While you are waiting
for a response there are two things you can do that may solve your
issue.
1) Check http://www.asus.com/support/faq.asp
Here you will find all of our frequently asked questions. We have
found that over 90% of all questions we recieve can be answered here.
2) Make sure that your motherboard is using the most current BIOS
revision. To find your bios revision number look for line
#401A0-XXXX. The "XXXX" will be a series of numbers like 0202.
That means you bios version is 0202. To get the latest bios go
to the ASUS website at
http://www.asus.com/downloads.asp#BIOS
3) If you are looking for information on how to order ASUS accessories
Please resend your message with the phrase "ACCESSORIES%" in the
subject heading. Our machine here will automatically send you the
document.
We at ASUS technical support are committed to serving your needs.
Please feel free to write to us here and let us know if there is
anything we can do to improve our service.
ASUS Technical Support Staff
(本文要旨)
レスポンスを待ってくれ。
待っている間に次のことを確認してください。
1. http://www.asus.com/support/faq.aspからFAQを確認する
2. Biosを最新のものとする
3. ACCESSORIES%とタイトルに書いてくれればアクセサリ機器の注文
のしかたについてe-mailを送る
残念ながら、いまだにAsusからの返信はありません。
alt.comp.periphs.mainboard.asusのニューズグループに投稿した記事に、1通、e-mailで返信してくれた人がいました。
Hello!
To install a 3C509 with Windows 95, you don't need to use the
installation disk provided with the board AT ALL.
This disk installs real-mode drivers required for DOS or Windows 3.x,
but not for Windows 95.
Normally, you just need to install the card, boot up the system and
all
the rest is automatic. Windows95 includes all the necessary drivers
and no
diskette is needed.
If you used the diskette to install your 3C509, you should remove
all
the stuff and drivers that the diskette installed in AUTOEXEC.BAT,
check
that the board is PnP-enabled, then reboot...
If this doesn't work, try deleting the 3C509 device from Windows "device
manager", then reboot again.
Hope this helps!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Michel Bouissou e-mail: Michel_Bouissou@msn.com
(My views are strictly on my own...!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
\\\\|//// /~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\
\ _ _ / \\\|/// / |
) @ | @ ( \ _ _ / / Support Free Internet Speech! |
\ ^ / ) | ( __/ |
\~~~/ \ ~ / \ Support Electronic Privacy! /
--oOOo-----oOOo--^^^-----^^^---\_____________________________/
################################################################
## 80DBBD8F: B89E 1753 6425 0041D922 8664 7870 5246 80DBBD8F ##
## 46D56E39: 43 A1 94 4A B0 49 BF 5A 70 CA 54 CC D4 F3 65 A8 ##
################################################################
Michel Bouissouさん、どうもありがとうございました。「Windows 95ではDOS用のインストールプログラムは不要である。CONFIG.SYSにデバイスが登録されていたら削除せよ」という内容です。もちろんもとからそんなことはしていません。
それにしてもこのalt.comp.periphs.mainboard.asusというニューズグループ、ものすごい投稿数です。だいたい1日に100メッセージくらい集まります。数日の間、レスポンスを待っていましたが、来そうにないので、次の別の記事を投稿しました。
From: Masahito Watanabe <wata@msf.biglobe.ne.jp>
Newsgroups: alt.comp.periphs.mainboard.asus
Subject: Recommendable LAN Cards with TX97-XE
Date: Saturday, October 25, 1997 12:14 PM
I have a trouble using 3COM's LAN Card with TX97-XE. Does anyone
know any correctly-working LAN cards with TX97-XE? Any cards will
do.
「TX97-XEで利用できるLANカードを教えてくれ」という内容です。これにも1通、e-mailが届きました。
#29917120 97/10/27 13:07:15
発信者:INET#rreeds@san.rr.com "Reeds"
受信者:INET#wata@msf.biglobe.ne.jp "Masahito Watanabe"
文書名:Re: Recommendable LAN Cards with TX97-XE
Message-Id: <199710270406.UAA18914@mail.san.rr.com>
Date: Sun Oct 26 20:06:30 1997
Reply-To: <INET#@san.rr.com@mail-gw.biglobe.ne.jp>
Content-Type: text/plain; charset=ISO-8859-1
MIME-Version: 1.0
Content-Transfer-Encoding: 7bit
Am currently using Linksys Ether16 with TX97E, works great.
Linksysというのは聞いたことのないメーカーですね。3COM以外でうまく動いているカードは確かにあるようです。
そうこうするうちに3COM社からe-mailが届きました。
#30048103 97/10/28 00:42:04
発信者:INET#Elissa_Pleasant@3com.com
受信者:TBB14330 M.Watanabe
文書名:Re: 3c5x9b-Tp with Asus TX97-XE
Message-Id: <8825653D.0055C7ED.00@hqoutbound.ops.3com.com>
Date: Mon Oct 27 07:38:44 1997
Content-Type: text/plain; charset=us-ascii
Mime-Version: 1.0
Hello,
Thank you for your e-mail and for your interest in 3Com. I have escalated
your request to our technical support team. An engineer will be in
contact
with you within the next 48 hours. Please let me know if I may be
of any
further assistance.
Regards,
Elissa Pleasant
3Com Internet Liaison
「テクニカルサポートへe-mailを転送した、48時間内に返事がある」というものです。
○3COM社からの回答
「48時間以内に回答する」という約束通り、3COM社からメールが来ました。
Hello,
Herewith the information you required (see below).
Reconfigure the BIOS for PCI peripherals:-
IRQ's 14 & 15 = PCI / ISA PnP (and any other IRQ's that you know
are
assigned to PCI devices)
All other IRQ's to Legacy ISA
If this does not help you then you should take the card back to your
supplier and get them to return the card under our normal lifetime
warranty
policy. I would suggest that you contact our office in Japan and ask
them
what procedures are in place for the warranty replacement of this
sort of
card (unfortunately I only know how this works in Australia). You
will, of
course, need to show proof of purchase.
Our Japan office number is +81 3 3345-7251.
I hope this helps.
Please Phone / EMail me any further requests that you have in regard
to
this case.
If you wish to log any further cases with us (in the Asia Pacific
region)
on other issues related to 3Com products, please forward EMails to:-
APR_Technical_support@3mail.3com.com
If I have not heard from you by Friday evening 31/10/97, I will close
the
case.
Regards
Alex
ポイントはここの部分です:
Reconfigure the BIOS for PCI peripherals:-
IRQ's 14 & 15 = PCI / ISA PnP (and any other IRQ's that you know
are
assigned to PCI devices)
All other IRQ's to Legacy ISA
(PCIバスを使った周辺機器に対して、次のようにBiosを設定せよ:
IRQの14と15番およびその他PCIバスを使った周辺機器に対して割り当てられ
るIRQをPCI/ISA PnPに設定し、それ以外のIRQをLegacy ISA (PnP非対応のISA
拡張機器)として設定する)
ということです。PCIバスを使った周辺機器は、グラッフィックカードしかありません。これはIRQの11番を使います。IRQの14番は空いていましたが、15番はBiosに出てきませんでした。IRQ 14をPCI/ISA PnPに設定しました。指示通りその他のIRQをLegacy ISAに設定しました。
この指示が何を意味するのかよくわかりません。おそらく、拡張カードに正しくIRQを割り当て、使用していないものをLegacy ISAとしてPnPに受け渡さないようにすれば、正しくLANカードがIRQ 14を持つようになる、ということなのでしょう。
設定を完了し、再起動。ジャーン!!マウスもキーボードも反応しなくなりました。やはりだめなものはだめでした。
○ロビン電子へ
当初の計画通り、3COM社のLANカードはあきらめることにしました。アキバに行き、ロビン電子でPCIのLANカードを8,800円で購入しました。メーカーはCeLANという国内メーカーです。
一縷の望みを託してこのカードを本体に装填。再起動!!じゃじゃーん。PnPよろしく、あっさりと認識し、正しく起動しました。早くカードを変えればよかった。
その後、SCSIカード、サウンドカードも順調に動作し、Netwareも無事走るようになりました。
ほぼ、2週間にわたって、悩まされ続けた自作機でしたが、ようやく人に「できた」と言える段階まで来ました。
完成後の背面
組み立った状態での「システムのプロパティ」
○SCSIカードの失敗
今回、SCSIカードとしてTEKRAM社のULTRA Wide SCSI対応のカードを購入しました。ULTRA Wide SCSIの場合、これまでのSCSI IIに比べて格段の転送速度がある、と言われています。また、TEKRAMは別名Adaptekキラーと呼ばれるSCSIカードメーカーで、ものによってはAdaptek社の半額近くでカードを発売しています。
ところが、...
現実問題としてULTRA Wide SCSI対応の商品は、内蔵HDDを除いてはほとんど発表されていません。しかもこのHDDがふつうは4〜6GBの要領を持ち、価格も10万円近くします。おまけに、ケーブルのコネクタが68ピンのSCSI IIIと呼ばれる規格のものを利用しています。これを通常のハーフピッチやフルピッチ50ピンのSCSI機器と接続するためには、当然、変換コネクタが必要となります。
アキバの駅を出てすぐ右の電脳屋台ではこの変換コネクタを7,000円で販売していました。「ちょっと高いな」と感じたので、ロビン電子で調べたところ、4,000円弱で販売していました。SCSI IIIはその他の規格のものに比べて、コネクタの対応商品は少ないものの、何とか用途に適するものがありほっとしました。
○まとめ
今回は「初心者向け自作キット」ということでしたが、ここまで到達するには、ある程度のハードに対する知識と英文マニュアルを読みこなす英語力がなければ、とても初心者には無理でしょう。いろんな雑誌で「女の子にもできる」みたいな記事とともに自作が紹介されていますが、紹介記事とまったく同一のキットを購入する場合でもなければ、ちょっと手を出さない方が良いようです。
今回の自作を通じて得られた教訓をまとめてみます。
1. ハードの組み立てよりソフトの組み込みの方がトラブルが多い。
2. トラブルが生じる前に、Mother Boardや拡張機器については、Web上の
情報を確認しておく。
3. 安いからと言って初心者が簡単に手を出すべきものではない。手を出す
のであればそこそこのサービスが期待できるショップの「組み立てキッ
ト」を利用する。部品を買い回らなくてすみ、ショップ作成のマニュア
ルが付属し、全体として1年間程度の保証がある。
4. Mother BoardのマニュアルやWeb上の情報を理解するのに、ある程度の慣
れとそこそこの英語力が必要。
5. e-mailやWebによるアフターサービスが期待できる会社の商品を選ぶ。今
回はうまくいかなかったものの、e-mailできちんと質問に答えてくれた
3COM社、NewsgroupまであるAsus社などは確かに安心です。
6. 新しいものに惑わされず、「一つ前のものだがこなれていて無理なく使え
る」ものをねらうと価格の上でも、機能の上でも満足できる。
7. 「パソコン自作派」のような雑誌の情報をまめにファイルしておくとよい。
一時はどうしてよいものか途方に暮れていましたが、振り返ってみるとなかなか楽しい体験でした。Biosやハードについてもある程度理解が深まりました。バスに関してさんざんな目にあいましたが、これからは自作以外ではパソコンの購入はできそうにありません。
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