written by 狂極
「総売上:15兆8千億円、純利益:1兆6千億円。総売り上げの10%に及ぶ
純利益...此の数字がわが恥じるべき変態会社ISMCの本年連結決算内容
だ。君達がやっとの思いで変態重役陣の一人、山羊を倒した意義は確かに大
きい。しかし、相変わらず会社の事業内容は順調だ!」
「ソフトだ! 諸君、わが社のあの忌まわしい変態ゲームソフトが市場に出回
る限りこの会社はビクともせんのだ! 事実、純利益中の80%以上はこれらの
変態ゲームソフトで占められている。」
本日は定例のRPG卿とソーサラリマンとの丸秘の会合である。彼らがなぜ、
わざわざ倉敷まできて定例の会合を持っているのかは、後程明らかになろう。
冒頭よりRPG卿の手厳しい話が続いている。言い忘れていたが、RPG卿は
前回にソーサラリマン達に倒された「山羊」はすでにこの世の人ではなく、完
全に消滅したと思っている。ソーサラリマン達は相談の上、とりあえずRPG
卿には内緒で正気に戻った山川重役を密かにかくまっていたのである。ともあ
れ、RPG卿の話は続く.....
「とにかく、「愚羅市長」と秘書の「三隆」を追い詰めるには会社の利益の
大部分を占めているこのSM変態ソフトの売上と膨大な開発量に早急に手を
打たねばなるまい。まずは、製造担当の「Mr.K」と営業担当の
「レインボー山亀」を何とかせねばなるまい。」
「愚羅市長や三隆が膨大な資金力を使って裏の社会を牛耳ろうとも、肝心のこ
の2人がいなければ変態ゲームの商品化はできん。多分、いまやつらは今年
度のソフト販売の最終打ち合せと称して、例のグラフィック用モデルのいる
下請け会社に泊まり込みのはずじゃ。やって呉れるか!ソーサラリマン!」
今回のシナリオの目的は、変態ソフトの商品化を阻止するために、営業と製造
の2人の担当重役が相手なのだ。製造当重役の「Mr.K」はアメリカ帰りの
ダンディー助平重役であるが、「愚羅市長」筋金入りの「H菌」保持者の強者
であるし、営業担当重役の「レインボー山亀」もH菌保持者でないとは言って
も愚羅市長に見込まれたほどの男である。油断のできない相手なのだ。
ゲームの舞台はISMCの本社ビルのあるリゾート市から、はるか西の四国の
片隅である。場所はJR徳島線の「阿波半田」駅に近い隠された山の中にある
下請け会社(株)ソフト&アニメ「ギャル.ハント」である。すなわち、ここ
は今でも法曹界とマスコミに絶大なつてを持ち、愚羅市長の相談役でもある秘
書の三隆重役が、裏の世界を通して今まで篭絡した百数十人に及ぶギャル達が
監禁され、おぞましい変態ゲーム・アニメモデルを強要されている所だ!
RPG卿から指令を受けたソーサラリマン達は、会社には休暇届を出し、秘か
に「ギャル.ハント」に出発した。今回は各部署から1名ずつの4人でメンバ
ーを編成する必要があり、一人でも欠けるとゲームの攻略は不可能である。
特に医務部/製造部ソーサラリマンの使命は重要である。さらに、医務部のソ
ーサラリマンは仏教系回復魔法を使える女性ソーサラリマンであること。
途中、JR「阿波半田」駅を中心に西は「佃」駅から東は「佐古」駅まで、下
請け会社を警備する特別親衛隊のザコキャラに悩ませられるが、既にレベル
5以上ののソーサラリマンならば、振り払うだけでかたづけられるだろう。尚、
これら親衛隊には情報やアイテムをくれる者もいるから、時々財務部ソーサラ
リマンを先頭にして金で買収して取り残しの無いようにしよう!ここでアイテ
ムや情報を取り残すと後半で必要なものが作れなくなったり、次に進むべきフ
ラグが立たなくなるので慎重に。さて、そこで次の情報とアイテムが得られた
ならば、いよいよ本拠地に乗り込もう;
情報1: 「Mr.K」はモデルの拷問が好きである。
情報2: 「ギャル.ハント」がある付近には立ち入り禁止の小屋がある。
情報3: 「レインボー山亀」の隠し技は、ある物に弱い。
情報4: 「レインボー山亀」は、何かの音を雨の音と間違えて喜び勇んで
外に出て行った事がある。
情報5: 「Mr.K」はアメリカ製の丈夫な革のブーツを履いている。
情報6: 「Mr.K」がブーツを脱ぐのを見た者はいない。
情報7: 小屋では何かを掘っているらしい。
アイテム: 1.磨き砂 2.団扇(うちわ)
3.履き汚れた靴下 4.鉄の鍵
5.銀の鍵
6.銅の鍵
7.大豆
8.コンパクト
9.金の鍵
10.ダイヤの鍵
何とか「ギャル.ハント」にたどり着いたが、ここには鍵が掛かっている部屋
や建物が多い。「どの鍵を使いますか?」の質問に対しては良く考えながら選
ばらければならない。鍵は一度しか使えないのである。
先ず、会社の回りを調べると小さな小屋があった。中は作業場になっていて、
奥で何かを掘っている機械の音がする。製造部ソーサラリマンが云った..
「どうやら、ここは鉱石の発掘作業場だ。ここに堀り出された原石を積んだ箱
がある...こっ、これは『ダイアモンドの原石』だ!」
会社の内部をよーく探検すると「拷問室」,「モデルの寝室」,「食堂」,
「重役室(1)」,「重役室(2)」,「牢屋」など、大小十数部屋があるが、
鍵が掛かっている場合は、セーブしながら一つ一つ手持ちの鍵を選びながら試
して欲しい。中には入っても無駄な部屋も有るのでかぎを無駄使いしないよう
に気をつけなければならない。
ザコキャラの情報から「Mr.K」の居場所は予想がつくはずであるから先ず、
そこに行ってみよう。うまく合鍵鍵を使って中に入ると、おぞましいムチの音
と若いギャル達の悲鳴が聞こえる.....
「キャー、止めて下さい! 何でも言うことを聞きますから、お願いです!
ムチで打つのを止めて! 縄を解いて下さい。 アーーン、痛い......、
あああぁぁぁぁぁぁ.....」
そして明らかに「Mr.K」の声と思われる嫌らしい笑いが.....
「イーッヒッヒッヒッヒッヒ、うるさい! 喚くだけ喚け! いつもレインボー
だけに良いことをさせやがって! ビシッ! バシッ! さあ、今日は俺様が
たっぷりかわいがってやるぜ、お嬢さん達よ....ひっひっひっひっひっ」
「いい加減にしたらどうだ、Mr.K!」とソーサラリマンの声。
「なにぃー!貴様ら一体どうしてここまで入りこられたんだ! 小癪な奴ら
め! 一気に叩きのめしてくれるわ!」と言うが早いか、Mr.Kはソーサ
ラリマンの周りをものすごい速さで走りはじめた。そして、彼の長いムチの
ような足がソーサラリマン達の一人一人に着実にヒットして行く。「ビシッ、
バシッ、ドスッ、ズバッ、ズコーン...」
一方ソーサラリマン達も必死に攻防するが、Mr.Kの凄まじい鋭敏な動き
に全くついて行けない。
「ダメだ、このままでは全員やられてしまう。奴の足を止める方法を探さなく
ては!」と、一時退却せざるを得なくなる。
辛うじて拷問部屋を脱出したソーサラリマン達は、Mr.Kの弱点を探すべく、
ギャル・ハント内をうろうろしていると、奥の方に2つの重役室を発見した。
重役室の一つはMr.Kの寝室であった。部屋の中をよく調べると、新しいブ
ーツと靴下が置いてある。
「おや、こんな所に! おい、何だこのブーツは!? えらく底の分厚いブーツ
だぜ....うーーん、わかった! Mr.Kの長い足は見せかけだ。奴か
らブーツを取ったら奴の俊敏な動きも足の速さも衰えるかもしれないな。」
「しかし、親衛隊の話では奴は絶対にブーツを脱がないんだろう!?」
「いや、奴も1日中同じブーツを履いているわけにもいかないだろう。これは
多分スペアだ。おい、そうだ、この新しい靴下をこの「汚れた靴下」に取り
替えておこう。そうすれば、だんだん足が痒くなっていやでもブーツを脱が
ざるを得なくなる。」
と言ってソーサラリマン達は靴下を取り替えたのであった。
もう一つの「重役室」に入ると、いたいた! 「レインボー山亀」がボケッー
としてベッドに腰掛けている.....
「何だ? おまえ達は? 俺は今モデル達をなぶりまくったばかりで疲れている
んだ! 出ていってくれ!!」と、全然相手にしない。
仕方が無いので此処はもう一度「Mr.K」の所へ行ってみよう。すると、ブ
ーツと靴下が履き替えられているのを発見する。
「よーし、今度は前のようにはいかないぞ! Mr.Kめ、覚悟しろよ!」と
言いつつソーサラリマン達は再びMr.Kのところに向かった....。
K:何だぁ? 性懲りもなくまたやってきたのか! 何度戦っても俺様の足の長
さとすばやさには勝てないのだ。」
と、再びMr.Kは猛スピードでソーサラリマン達の周りを駆けめぐった。数
十分の戦いが続く.....
K:何だ! 足が...足が..痒くて我慢できない。畜生! 貴様ら何か策し
たな!? うっうっ! ダメだ!」
と、ついにMr.Kは命の次に貴重なブーツを脱いでしまった! 何と驚くべ
き事に、ブーツを脱いだMr.Kは身長190cmを越える長身とは似ても似
つかず、たった150cmにも満たない小男になりさがってしまったのであっ
た! こうなってしまったMr.Kヘもはやレベル5のソーサラリマン達の敵
ではなかった....営業部ソーサラリマンの一撃の回し蹴りで宙に舞い、運
悪く壁に頭から激突して、悶絶した!!!
「グシャ! ムギュッ! ゲボッ! ドサァッーーー.....」
ソ:やった! ついに2人目の悪魔重役を倒したぜ!
と戦い終わったソーサラリマン達の周りには拷問から解かれた可憐な乙女達が
泣きながら集まってきた....すると...「キャー! あれ、あれを見て!
イヤイヤまだ...」と乙女の一人が叫んだ!...
見ると、先ほど悶絶死したとばかり思っていたMr.Kがムックリと起きあが
りあたりを見回していた。しかしながら、そのMr.Kの姿は先程までの短足
の小男ではなく、スラリとした脚線美を持つ、目鼻立ちの整った女性に変わっ
ていた......
第参話「悪魔に魅入られた少女たち」−前編 − 完 −
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