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コンビニ比較社会風俗論!?の巻

草莽工房庵主敬白


コンビニエンス・ストアの広がりはスゴイ。
決して安くはないし、昔の「何でも屋」のように人情味のあるわけでもないのに、何故こんなに流行るのだろうか?
特に都市部では、どの駅前にもあり、郊外にも点々と存在する。ある程度の距離を置かなければ出店できないはずだが、驚くような近くに二軒三軒とある場合もある。

コンビニという形態は、1969年に大阪府豊中市にできた「マイショップ」がはじめてで、1980年頃から急激に伸び始め、いまや全国で5万店を突破する勢いだ。
購買層は10〜20歳台が最も多く、学生が客の主力の店も多い。したがって、週刊誌やマンガ・ファッション等の雑誌類、スナック菓子、スポーツドリンクといった若年層向けの商品が必須である。
店舗面積が 60u〜230uと限られているので、商品の種類には限りがあるが、POSの導入などにより不人気商品をいち早く察知し、新しい商品に入れかえることで対応している。また、地域限定や期間限定で実験的にある商品を販売し反応を見るということもしている。


たいていのコンビニには、入口近くに雑誌、コミックがあり、手前には雑貨が並び、奥には各種食料品がある。
レジカウンター付近には、缶ウォーマーや温かい食品(中華饅、おでん、アメリカンドッグ等)が置かれており、お弁当を温める電子レンジも必須である。
一方、清涼飲料水・ドリンク類は一番奥の壁際に組みこみの冷蔵庫(リーチインケース)に大量にあるのが普通だ。 これは、スーパーマーケットで肉や刺身などの販売コーナーがマグネットと呼ばれ一番奥にあるのと同じ意味であり、コンビニではドリンク類が主力商品であることがわかる。

最近はドリンク剤も販売できるようになり、サラリーマンの利用が増加したそうである。 また、トイレを開放するなど、消費者にとってありがたいサービスも実施しており、さらに、身近で便利なサブシステムの導入がはかられつつある。例えば、公共料金や保険料金・クレジット料金の払込、旅行やイベントのチケットの予約・販売、宅急便などの代行、ゲームソフトの販売、ギフトの注文・配達などがあり、将来的には個人輸入代行やサッカーくじの販売も予定されている。
つまり、コンビニは、欲しいものをスグ買いたいという「消費の即時化」に最も適した商業形態として、省力型の地域サービスを取り込んで、まさに便利な=コンビニエンスな店として進化してきたわけである。


私自身も、ミニストップの「やきいも!?」とか、ローソンとサークルKで売っているの横山製麺工場製「八ちゃんラーメン」のファンで、結構利用している。これらは、そこでしか売っていないからである。
もう一例をあげると、私が良く買う「サッカー・マガジン」という雑誌は、毎週水曜日が発売日である。ところが職場近くの大規模店舗は水曜日が定休日で、その中にある大型の書籍店も当然休みである。そこで、私は駅前のコンビニに毎週水曜日の仕事帰りに寄って、この雑誌を買うのが定例となっている。
つまり、前者はコンビニの個性であり、後者はコンビニの便利さである。

あと、コンビニの特徴は、若者や単身者向きの、小さな単位の食料品が多いことが挙げられる。たとえば、おにぎり類は定番だし、小さな皿に入ったサラダや煮物などのオカズ類も種類が豊富だ。もちろん、一食セットとしてのお弁当類には非常に力を入れており、これこそコンビニの個性が競われる分野で、全国的なCMにより人気商品となっているものもある。
ラーメン類も、ユニークなものが多いように思う。「八ちゃんラーメン」の他にも、サンクスの「八王子ラーメン」、セブンイレブンの「ラーメン博物館味噌カレーラーメン」など多士済済だ。


コンビニとて、競争は激しく、経営は決して楽ではないはずだ。長時間の営業時間が「ウリ」なのだが、それだけに深夜などは人件費がかさむし、ロイヤリティーとして本部に、定額あるいは、売上または荒利益の何割かを上納しなければならず、苦労の割には莫大な利潤を上げるわけではない。
ひとつの安定経営の目安といわれる日商40万円にしても、約半数の店がその基準に達していないと言われる。また、東京などでは、すでに店舗数が飽和状態に達しているようであり、競争が激しく、閉店する店もちらほら見かける。
だが、コンビニはバブルが弾けて以降の不景気な情勢の中でも、小売店の新しい形として根付いており、しっかりとした地歩を築いたようだ。

若い人の中には「コンビニなしの生活は考えられない」という人も多い。
私の知り合いに、コンビニ・マニア?がいるのだが、その人のアパートには、包丁もなければ炊飯器もない。冷蔵庫も非常に小さなものがあるだけだ。生活必需品や食料を溜め込むというのは、(戦争を経験した今の老年世代に共通して見られる現象だが、)コンビニが近くにあれば全く不要な行為なのだそうだ。

こうして コンビニが普及する一方、ターミナルや郊外には、非常に大規模なショッピング・センターが出来ており、弁当類ではライバルになる「ホッカホッカ弁当」といったチェーン店も巻き返しをはかり、さらには「百円ショップ」という強敵が登場し徐々にシェアを広げている。また少しターゲットは違うものの共通商品もあるマツモトキヨシなどの安売りドラッグストアもチェーン化して店舗数を伸ばしている。結局、そうした中で、昔の人情味のある小規模な商店街は意味をなくしていくかも知れない。

旧来の人間関係に頼る商売は、地域社会における人間関係の希薄化に伴い困難になってきている。
それより、スマートでタイムリーな商品を供給するコンビニ等に人は集まる。
老舗は他にない品物や味・高級感で勝負する他はない。だから特色のない店は、今後さらに経営が苦しくなるだろう。

しかしである。紋切り型の商品は別として、物品のメンテナンスや複雑な説明を要する商売までコンビニ化するだろうか?
今後の超高齢化社会の中にあっては、親切で人間的な触れ合いのあるサービスこそ必要とされるものではないだろうか?
すなわち、私の言いたいのは、現在のコンビニの省力型のサービスが、そのままイコール地域密着型のサービスではないということである。
されば、はたしてコンビニの今後の戦略は何であろうか?





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