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SFX映画の世界

草莽工房庵主敬白


映画はやはりSFXが人気が高い。私も、映画館の大スクリーンで見るのならSFXに限ると思っている。最近、「マトリックス」を見て衝撃を受け、突然これまでのSFX映画を振りかえって見る気になった。

もともと映画の大きな特徴のひとつは、非日常的な擬似体験をさせる特撮にあったわけで、すでに黎明期の1898年には「月世界探検」というSF映画が作られているのだ。この事実から、特撮にもっとも適しているのがSF的なものであったこともわかる。
そして、サイレント時代の悼尾を飾る金字塔とも言われる「メトロポリス」は、1926年にドイツで作られたSF超大作で、惜しげなく金を注ぎ込んだことから制作会社を倒産させたほどであった。

その後、さまざまな工夫をして特撮映画が作られて行った。1930〜40年代のアメリカでは、フラッシュゴードンやバックロジャースといった宇宙活劇のヒーローが結構人気があり映画も作られている。
次の1950年代には、3本の傑作が作られている。それが、1951年「禁断の惑星」、1953年「宇宙戦争」、1956年「遊星からの物体X」である。

このように良い作品はあるものの、50年代までは、いわばプレSFX期とでもいうべき時代で、特撮映画は主流ではなかった。しかし、1960年代以降、特撮技術が一般化し、事情が変ってくる。
そして、現代的な特撮を駆使して本格的SFXムービーの端緒となったのは、1966年の「ミクロの決死圏」ではなかろうか。そして1968年に「2001年宇宙の旅」「猿の惑星」という記念碑的作品が発表される。いわばこの3作品こそが、現代SF映画のクラシックともいうべきものであると私は考えている。

その後、1971年に「時計じかけのオレンジ」「アンドロメダ・・・」、1973年には「ソイレントグリーン」「ウェストワールド」といった力作があったが、SF的な映画は特殊なものという雰囲気が依然として存在し苦戦していた。
ところが1977年に至って、超大作「スター・ウオーズ」「未知との遭遇」が作られた。この2作品の大ヒットの影響は強烈で、金をかけ本格的特撮(=SFX)を駆使したSF映画は売れるというということが実証されたのである。そして、これ以降、SFX映画は、ハリウッド映画の主流の看板映画となっていく。1978年「スーパーマン」、1979年「スタートレック」「エイリアン」、1980年「スター・ウオーズ 帝国の逆襲」、1981年「レイダース」、1982年「E.T.」「ブレードランナー」、 1983年「スター・ウオーズ ジェダイの復讐」、 1984年「インディー・ジョーンズ」、 1985年「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と次々に本格的なSFXムービーがヒットした。

一方、従来のアクション物でもSFXを駆使した近未来的な作品が主流となっていく。1979年「マッドマックス」、1984年「ターミネーター」、1987年「ロボコップ」などが作られる。
また、恐怖オカルト〜超能力系のものでもSFXが使われ迫真力を増した。1981年「スキャナーズ」、1982年「ポルターガイスト」、1984年「ゴースト・バスターズ」をはじめ多くの作品があげられよう。さらに、ファンタジー系統のものも当然SFXが使われっるようになる。例えば、1984年「ネバーエンディング・ストーリー」、1985年「レジェンド」「オズ」、1986年「ラビリンス」などがある。
いわば、80年代はSFXを駆使した作品が、ハリウッド映画のあらゆるところに普及するようになった時代といえる。

90年代にはいると、コンピュータ・グラフィックスの技術がさらに進歩し、我々を驚かせてくれた。その代表として、1991年「ターミネーター2」、1993年「ジュラシックパーク」、1994年「マスク」、1995年「ジュマンジ」などがあげられる。
そしていまや、ハリウッドの大型ヒット作品というとSFXに他ならない。「ジュラシックパーク」以降の大ヒットが、1994年「スターゲイト」、1996年「インデペンデンス・デイ」、1997年「メン・イン・ブラック」、1998年「タイタニック」「アルマゲドン」と来て、今年1999年の「ハムナプトラ」そして最後に「スター・ウオーズ エピソード1」となるわけで、まさにSFXのオンパレードである。

以上は超メジャーな作品の話であるが、大ヒットしなかった作品や日本劇場未公開作品にもいいものがたくさんある。それに今は、衛星放送をはじめとしてTVのチャンネルが増え、レンタル・ビデオ鑑賞も日常的なものとなり、過去埋もれていた映画やTVドラマにもお目に掛かるチャンスが広がった。そこで、SFX系の分野で、印象に残るおすすめの佳品(あるいはB級作品?)を私の独断と偏見で挙げてみよう。

  1967年 「恐竜100万年」 ストップモ―ションアニメと実写合成の画期的作品
  1972年 「サイレント・ランニング」 寂しいSF映画だが何故か心に残る。
  1973年 「未来惑星ザルドス」 カルト的ファンをもつ作品で、未来造形がいい。
  1988年 「ビートルジュース」 ウィノナ・ライダーが出ている不思議映画
  1992年 「永遠(とわ)に美しく」 ベテラン女優達によるブラックコメディーの傑作
  1995年 「バーチュオシティー」 デンゼル・ワシントン主演のサイバーSF
  1995年 「ストレンジ・デイズ」 1999年12月31日、それは・・・・
  1995年 「タンク・ガール」 ポップなB級近未来アクション
  1995年 「サンド・キングス」 60年代名作TVドラマ「アウターリミッツ」の現代版
  1998年 「ダークシティー」 太陽の昇らない街の、暗くて途方もないホラ話
  1999年 「マトリックス」 20世紀末SFXムービーの到達点



なお、TVや映画でおなじみの「スタートレック」については、こちらをご覧下さい。

Ver 1.02 (1999.9.9更新)



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