|
BACK |
草莽工房庵主敬白
植物の世界の素晴らしさは、その多様さ、奥の深さにある。米や麦といった主食系の穀物だけでなく、茶やコーヒーといった嗜好品や、果物の美味しさは人間の生活に彩りを与えてくれる。特に、熱帯果物のバラエティーの豊かさは驚異である。私のように、好奇心がおおせいで自然が好きな者には、いつも新しい出会いと発見があり、興味が尽きない。まさに、大自然の贈り物である。
ムクロジ科
この他にも、各種の熱帯果物がある。たとえば、中南米のサガリバナ科のナッツ類や、アマゾン流域に自生するルロ、ペピーノメロ、タマリロなどの果物は、流通経路に乗らないため、私は名前しか知らない。また、名前も知らない、美味しい果物も、まだまだあるに違いない。分かり次第、紹介していきたい。いろんな意味で楽しみだ。
Ver 1.04 (1998.5.8更新)
ところで、最近、近所の大手スーパーに行くと、トロピカル・フローズンフルーツのコーナーが出来ており驚いた。生では日本で見られない、マンゴスチンやランプータンも冷凍だから買えるのである。ドラゴンフルーツ(サボテンの実)やシュガーアップルも売っている。しばらくそこを見ていると、結構人が買っていくではないか。どうも、ランプータンが一番人気である。考えてみれば、国産リンゴの高級品は一個500円以上するわけだから、一個198円のマンゴスチンも、一袋298円のランプータンも、決して高いというほどのこともない。
パパイアやマンゴーは常時果物コーナーに生が置かれており、珍しくもなくなった。昔のパイナップルやバナナの道をたどるのだろうか? バナナはその昔、トロピカルフルーツの象徴であり、高級品だったが、今や特価品で一本20円位で買えるスーパーで一番安い果物である。今後も(強烈なにおいのドリアンや大量生産の難しいマンゴスチンはともかく)バナナのような運命をたどる果物も幾つかでてくるだろう。ボーダーレス時代を実感した次第である。
そこで、現在私の知っているトロピカルフルーツを挙げ、分類と簡単なコメントをつけて紹介したい。10年後どの果物が日本人の食卓に取り入れられるようになるのか、結果が楽しみだ。
もし熱帯地方に旅行に行かれたら、ぜひ現地のトロピカルフルーツを味わってきて欲しい。そして特にここにないものや、関連する面白い話があれば、ぜひ教えていただきたい。
竜眼 :原産 中国南部かインド
ライチ(レイシ) :原産 中国南部
ランブータン :原産 マレー半島
ガラナ :原産 ブラジル
アキー :原産 中南米
楊貴妃が好んだというレイシの仲間達である。いずれも殻のように堅くて薄い果皮をめくると、半透明で乳白色のプリプリッとした果肉があらわれ、口に入れると、さわやかな甘みのある上品な味がする。竜眼−ライチ−ランブータンの順で大きくなり美味になる。濃厚な果実が多いトロピカルフルーツの中で、さわやかな味は印象的だ。特に、ランブータンの美味しさは最高! 暑い熱帯で冷やして食うランブータンはこたえられない。
バンレイシ科
このグループは、10m以上になる巨大な木で、枝先にたくさんの果実を房状にたわわにつける。
ガラナはブラジルの奇跡の実といわれる壮健食品であり、アキーはジャマイカなどでサラダ的に常食される食品である。
シュガーアップル(仏頭果、釈迦果、蕃梨) :原産 不明
チェリモヤ(トロピカルデライト) :原産 ペルー、エクアドル
アテモヤ :シュガーアップルとチェリモヤの交配種
トゲバンレイシ(サワーソップ、グアナバナ) :原産 熱帯アメリカ
ギュウシンリ(牛心梨) :原産 不明
ポポー :原産 アメリカ東部
森のアイスクリームあるいは森のカスタードクリームと言われるバンレイシの仲間達である。外観は、ポポー以外は、大きな鱗がついたような厚い果皮で、仏頭果といった名前のいわれもそこから来ている。味は、少し癖があるが、甘い固めに泡立てた生クリームといった感じの美味で、特にチェリモヤは最高でマンゴスチン、ドリアンと並んで世界三大美果のひとつと呼ばれる。
このグループの原産地は多分、熱帯アメリカのどこかと思われるが、古代インドのサンスクリット文献にも出てくることから、相当古くから熱帯アジアにも伝わったと考えられ、その伝達経路や栽培の歴史は謎である。
ウルシ科
マンゴー :原産 南アジア
ピスタチオ :原産 西アジア
マンゴーはインドの神話にも登場する、古くから愛された果物である。木は30mにも達する巨木となり、世界各地の熱帯で広く栽培されている。甘く、柔らかい果肉で、適度に酸味もあり美味だが、私はマンゴーを食べてしばらくすると口の中がかゆくなる。これは、ウルシの仲間のせいか? たくさんの品種があるが、私は少しくせのあるメキシコ産のアップル・マンゴーが好きだ。最近はスーパーでも普通に見られるようになった。
ピスタチオは、種子の中の緑の子葉部分を食用とするという変わったナッツである。やや甘味と、香ばしい風味があり、またさくさく、あっさりして美味。市販品の大半は、殻をつけたまま塩味で炒ってある。あたたかく乾燥した気候が栽培に適しており、日本では、かつて試みられたが、現在は栽培されていない。
オトギリソウ科
マンゴスチン :原産 マレー半島
ゴラカ(ガルキニア・カムボキア) :原産 不明
マメイリンゴ :原産 西インド諸島
私は初めてマンゴスチンを食べたとき、この世にこんな美味なものがあったのかと感激した。ドリアンの濃厚さでもなく、ランプータンのあっさり系でもなく、きわめてバランスの良い上品で正統的な美味さである。酸味・甘味・芳香・柔らかさ・象牙色の果肉・手で簡単にむける食べ易さ、どれをとっても素晴らしい。まさに果物の女王である。
アカテツ科
栽培の条件が難しく、生産地が限定されるため、自生の木からも収穫する。輸送や保存も難しく、日本では冷凍しか食べることができないのが残念だ。
なお、ゴラカ(ガルキニア・カムボキア)は、ガルシニア酸を含む強力なダイエット食品として、今、注目を集めている果物である。
ミラクルフルーツ :原産 西アフリカ
サポジラ(チコサポテ) :原産 中南米
サポテアマリヨ(クダモノタマゴ、イエローサポテ) :原産 中南米
オオミアカテツ :原産 中南米
ミラクルフルーツは、酸味のあるものを甘く感じさせる奇跡の果物という意味で、こう呼ばれる。西アフリカの原住民は、酸味のあるヤシ酒を飲む前にこの果実を食べるという。これは味覚変革タンパク質ミラクリンを含有するからである。
クスノキ科
サポジラ(一般にサポテと呼ばれる果物の中で一番ポピュラーなもの)は、ジャガイモのような外観の果物で、赤褐色のざらついた果肉は、多汁質で甘味が強く、干しガキのような味と香りがする。人にもよるが、私は好きである。この木の幹に傷をつけて集めた乳白色の樹液を煮詰めたものが天然チクルで、チューインガムの原料となる。原産は中南米だが、現在は東南アジア・南アジアで広く栽培される。
アボカド :原産 熱帯アメリカ
:原産 西アジア
森のバターと呼ばれる脂肪の多い果物で、コクがあるが酸味・甘味がないのでレモン等をかけて生食したりサラダに使われる。ワサビ醤油で食べてもよく、最近は寿司ネタにも使われる。私は初めて食べたとき「なんじゃこりゃ」と思ったのだが、しばらく食べているうちに好きになってしまった。
クワ科
ジャックフルーツ(バラミツ、ナンカ) :原産 インド
チンペダック(コバラミツ) :原産 マレー半島
パンノキ(ブレッドフルーツ) :原産 スンダ列島
カンテンイタビ(愛玉子) :原産 台湾
クワ科の果物には大きなものが多いが、中でもジャックフルーツは10kg以上なかには40kgにもなるものがあり、世界最大の果実と言われる。果皮には無数の突起があり、果肉はざらっとして甘味があるが、やや水分がすくなく、私はそれほど美味とは思わないが、熱帯地方の重要な食料源となっている。
ウリ科
パンノキは3kg前後になる熱帯諸島特産の果実で、原住民が主食にしていることからこの名がついた。未熟な実を丸焼きするとまるでイモであり、デンプン質が多く貴重な食料となる。この木が2,3本あれば一人が一年食っていけると言われる。例のバウンティ号の反乱は、西インド諸島を開拓する奴隷の食料とするため、このパンノキの苗木を入手しようとして、タヒチで起こった事件である。
キワノ :原産 アフリカ
メロン :原産 ギニア
キワノはつる性で果皮にとげとげがあるやや大型(15cm以上)の果物で、ニュージーランドで改良された。果肉はまさにエメラルド・グリーンのゼリー状で種が多く、ライムに似た風味。
最近はたまにスーパーの店頭にも並ぶようになった。半分に割って、スプーンで食う。
フトモモ科
メロンは草本性の野菜的栽培をされるフルーツである。その栽培の歴史は非常に長く古代エジプトにすでに見られる。多分、熱帯アフリカのニジェール川沿いのギニアあたりのキュウリに似た瓜類から、甘味と多汁質のものを選んで改良されてきたものと想像される。いまや、きわめてポピュラーな果物だが、高級感は失われていない。
グアバ :原産 熱帯アメリカ
フェイジョア :原産 南アメリカ
ヤシ科
ココヤシ :原産 不明
デーツ(ナツメヤシ) :原産 西アジア
クリヤシ(ペジバエ) :原産 中南米
ミリチーヤシ :原産 中南米
ブリチーヤシ :原産 中南米
いわゆる椰子の実ジュースは、ココヤシの未熟果の胚乳で、味はまるでポカリスエットだ。また殻に近い部分はゼリー状で、これに醤油をたらして食べると、これこそまるでアワビの刺身だ! むろん、ココナツミルクは熱帯地方の重要な調味料だし、乾燥させたコプラはヤシ油の原料となる。
カタバミ科
デーツは、西アジアから北アフリカにかけて栽培される遊牧民にとって重要な果物である。果皮は少し堅いが、果肉は柔らかく甘い。また乾燥したものは重要な保存食料となるが、味は甘い干しガキといった感じだ。世界最古の果物とも言われ、ハムラビ法典や旧約聖書(エデンの園)に出てくる果物は実はこのデーツだそうだ。
スターフルーツ(五斂子) :原産 東南アジア
ビリンビン(長葉五斂子) :原産 モルッカ諸島
切り口が星の形になることからスターフルーツといわれる。すっぱくてやや甘味があり、果汁をしがむようにして味わう。私はあんまり好きではないが、南方の中国では結構人気のある果物である。
パンヤ科
蓮霧:(発音は中国で「れんうー」タイで「チョンブー」)という釣鐘型をしたスターフルーツに似た味で、より美味な果物があるが、これが同じ科のものかどうか、ただいま調査中である。
ドリアン :原産 マレー半島
バオバブ :原産 アフリカ
サポテボボ :原産 中南米
ドリアンは、いわずと知れた果物の王。子どもの頭ほどもあり、堅いとげが果皮を取り巻き、熟すると裂け目が入る。果肉はクリーム色で、蜜とチーズを練り合わせたような濃厚な甘味があり、美味。強烈な匂いがあるため人により好き嫌いがあるが、好きな人は、これを食うために働くいや女房を質にいれるという。また、アルコール類とあわせて食うのは厳禁で、死に至ることもあるという。果物の王様というより魔王だ。
パパイア科
パパイア(モッカ) :原産 コスタリカ
ババコ(マウンテンパパイア) :原産 エクアドル
パパイアは16世紀にスペインの探検隊によりコスタリカ付近で発見され、以後世界の熱帯地方に広がり多く栽培されるようになった。オレンジ色の果肉で、少しくせがあるが、香気が高く水分に富み甘味がある。タンパク質分解酵素を含み、肉料理で肉をやわらかくするのにも使われる。また、未熟果は漬け物や炒め物にも利用される。
ヤマモガシ科
ババコは、エクアドルなどの高地にみられるパパイアの仲間。
マカダミアナッツ :原産 オーストラリア東部
センダン科
ランサ(ランゾネス) :原産 マレー半島
サボテン科
ツーナ(ウチワサボテン、カクタスペア) :原産 中南米
ピタヤ(ハシラサボテンの実) :原産 コロンビア
|
BACK |