ここはどこだ。 ぬぅ。わからぬ。 何も見えぬ。 先程まで見えていた小さな光も闇に消えてしまった。 これからどうすればいい。 出口が見えぬ。 もとより出口はあるのか。 そしてそこには何があるのか。 何を目指して出口を探すのか。 わからぬ。 これは何だ。 小さく、幼く、惨めだ。 そうか、これは己か。 しかしこの己は何をしたいのか。 何を背負っておるのだ。 辛い顔をしている。 これは何だ。 鉄のように固く、冷たく、重い。 見えぬ。 つらいか。 そうか、つらいだろう。 何故に背負わなくてはならないのだ。 早く降ろせ。さすれば楽になろう。 ほう、耐えるというのか。 それもよかろう。 一つの道だ。 うぬは何者か。 それもわからぬのか。 現実か、幻か。 わからぬ。 とにかく歩め。 どこへ。 どこでもよい。 歩まぬことには始まらぬ。 しかし何も見えぬぞ。 怖くはないか。 怖い。 荷を降ろせ。 それは後悔だ。 わざわざ運ぶことも無かろうに。 いや、運ばねばならぬ。 何故に。 己の愚かさを知るために。 道は見えるか。 いや、まだ見えぬ。 しかし歩もうぞ。 暗いぞ。怖いぞ。 後悔せぬか。 ああ。もうしきれぬほど後悔した。 おい、己よ。 おい、己よ。 ああ、見えなくなった。 また一人考えねばならぬ。 先が、見えぬ。 |