2004年2月7日
運がいいことに今日も天気がよいです。先週に引き続き今週も飛べそうです。毎回のことなのですが、私が飛ぶときには必ずと言っていいほどEngine Oilが9Qts以下になっています。だいたい8.5Qtsでしょうか。Minimumが9Qtsとなっているので、面倒だなと思いつつ、Frontへ行ってOilを受け取ります。手を汚さずにPre-Flightを終えられたらなと、つい不精なことを考えたりします。
Solo Flightなので、前席のSeatbelt/Shoulder Harnessが飛び回らないように縛ります。とそこへ、アルバイトの学生が現れました。「おい、飛ぶのか？俺も乗せてくれよ」と言っています。そう言えば、彼は前々からPittsに乗りたがっていました。酔わせてしまっては可哀想だし、早く帰ることになるのは嫌なので、「いいけど、最低でも0.7か0.8時間は飛ぶよ。45分も我慢できる？」と確認します。「大丈夫、袋をちゃんと持って行くから」と行く気は満々の様子です。周りの人は、「二度と乗れないようにしてこい」などと茶化しています。仕方なくParachuteとSeatbelt/Shoulder Harness、今日行うManeuverの説明をします。本当に大丈夫でしょうか？
彼を前席に縛り付けてEngine始動。いつも通りRunway25Rへ移動して離陸、北へ向かいます。彼は背がありますが160LBSでアメリカ人にしては細身です。そのため上昇力はそれほど落ちていないように感じます。せっかく乗ってもらったので、彼にまだ元気があるうちに操縦桿を持ってもらって、操縦を楽しんでもらいました。一通りS-Turnsを試してもらって飛行続行。「目の前の湖の上空まで飛んで」と指示します。
高度は5000ft。周りにTrafficはいません。「じゃあSeatbelt Checkするよ」、「All right！」まだ元気なようです。背面飛行にして-1G、-2G…、とその時、彼のHeadsetがCanopyの上に落ちました。目の前のCanopyに転がるそれを彼に手渡し、さらに−3G。二人ともSeatbeltは大丈夫なようです。「まだ大丈夫？手でHeadsetを押さえて！」、「分かった！」
続く…
今日の練習科目は再びVertical Lineです。加えてHammer Heads、Vertical Rolls、Humpty Bumpなど。体にかなり堪えそうです。前回の飛行から一週間しか経っていないこともあって、VerticalのLineはそれほど狂っていないようです。360度のVertical Rollを試しました。しかしどうも飛行機が機軸にそってきれいにRollしていません。Barreledという状態です。これをきれいに行うには少し時間がかかりそうです。90度ではごまかしきれるのですが。
Hammer Head, 360 Roll Up
ふと彼を見ると、前席の中に頭を下げて沈みこんでいます。心配になって声をかけると、まだ大丈夫と言います。さすがに心配になってきました。「外を見ないと駄目だよ」と言っても、どうしても中ばかりに集中しています。こういうAerobaticsは、飛んでいる本人は何が起こるか解っているので楽ですが、教官や同乗者など乗せられている方はグルグルと体が揺らされて辛いものです。でも、まだ飛び上がって20分。我慢してもらいます。
その後RollとInverted Spinをします。再び不安になって、「調子はどう？」と聞くと、「今のでやられた…」と言っています。ついに今のInverted Spinで吐いてしまったようです。私も少し調子に乗ってしまいました。「よし、もう終わりだよ、帰ろう。初めて乗ってここまで我慢ができるのはたいしたものだよ」と言いました。でも、彼は本当に頑張ったと思います。私も初めてPittsに乗ったときは正直酔いましたし。
飛行機を止めて、彼を見たらとても嬉しそうでした。「次もまた乗せてくれ」と言っています。元気だなと関心しつつも、喜んでもらって私もうれしいです。
